43【文学読書】

読書 アイヒバウム「天才 創造性の秘密」

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天才論の二大古典のうちの1冊で、どちらも100年近く前に書かれた

クレッチマーの「天才の心理学」が、天才の精神の内部(ミクロ)に深く切り込んでいるのに対して、アイヒバウムは天才という存在に関する社会学的考察(マクロ)が中心

「天才と狂気」という昔からある疑問に対して、「名声」という中間項を置いて、天才が社会から天才として認知されるプロセスを、スッキリ分析している

「オレはビッグになりたいんだ!(名声が欲しいんだ!)」という人には、参考になる点が多々あるだろうと思う

しかし、クレッチマーの「天才的」な分析のキレと比べると、相対的には凡庸な「非天才」が、外から天才を観察しているという印象は残る

ただし、アイヒバウムには「天才・狂気・名声」という主著(600ページ以上もある大著)があり、本書はその要約版であるから、主著を読まずして評価を下すのは、公平を欠くかもしれない

主著「天才・狂気・名声」の日本語訳は、現在絶版で手に入らない(原書で読むのは、ちとツライ)

(^_^;)

 

読書 創造の心理

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大学時代に半年ほど、著者・穐山貞登先生の心理学研究室に毎週1回通った時期がありました

教養課程の授業で、学生はわずか4人、毎回テーマを決めて90分くらいディスカッション

穐山先生と研究室の助手さんが議論に耳を傾け、ときどき短いコメントを挟む程度

なつかしい思い出ですが、すでに19年前に穐山先生はご他界、ツン読だった本書も絶版になっていました

本書は、主に天才の創造活動に関する心理学などの諸研究を網羅(1962年現在)してあります

延々と学説を、広く浅く羅列してある感じで、少々退屈

今回も飛ばし読みになってしまいました

(^_^;)

 

読書 創造の心理と秘密

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本書には「秘密」と言うほど大したことは書いてないですが、天才のエピソードがいろいろ出てきます

子どもが成長して社会に適応してゆくプロセスを、日本では「大人になる」と言います

これは「おとなしくなる」が語源との説もあります

つまり自己主張が弱くなって、よく言えば「丸くなる」、悪く言えば「詰まらない人間になる」

大人になるのは、創造性を失うプロセス、という側面があるようです

たしかに天才と呼ばれる人には、どこか子供っぽいところを濃厚に残している人が多い

ただし、子供っぽい人が天才とは限りません

(^_^;)

 

室井佑月と米山隆一が、結婚~?

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 日本は 中国や北朝鮮とは違って

  自由主義の国でありますから

 両性の同意があるのなら

  好きにしていただければ と思いますけど

 もの好きな人って いるんだねぇ~  (^_^;)

 

室井佑月(50)が、前新潟県知事の米山隆一(52)と近日中に結婚することが9日、分かった。

昨年末から交際していた。

室井佑月は再婚となる。

2人は共通の知人を通じて知り合い、昨年末から交際に発展した。

知人は

「米山隆一が猛アプローチして、室井佑月もそれに応えたそうです」

と明らかにした。

2人は既に周囲に結婚を報告している。

米山隆一は東大卒で弁護士資格と医師免許を持つ。

16年に新潟県知事に初当選し、18年に辞職している。

現在は医師、政治家としての視点から新型コロナウイルスに関してさまざまな発信をしている。

室井佑月は昨年8月に乳がんの手術を受けた。

関係者は「再発の不安を抱えながらの生活の中で、米山隆一から熱烈なプロポーズを受けた。大きな心のよりどころになっているようです」と明らかにした。

 

読書 ザ・エージェント

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日本でほぼ最初に(2001年)出版エージェントを始めた男の本

野茂選手で有名になったスポーツ選手エージェントの、本の作者バージョン

出版というのは、ほとんどバクチのようなビジネスで、いかに著者が心血を注いで書いた本でも、売れなければ返品の山

逆に一発大ベストセラーを当てると、ビルの一室ワンルームの弱小出版社が、いきなり自社ビルを建てたりする

この本が書かれた時点(2005年)で、欧米では出版にエージェントが関わるのは常識だが、日本ではウサン臭そうに「何をする仕事ですか?」と尋ねられる状態だった

その後の出版界は、業界の存続が危ぶまれるような長期出版不況が続いているが、今どうなっているのかは、これから調べてみようと思っている

(^_^;)

読書 人間、この未知なるもの

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著者は1873年生まれ、フランスの医学者

1912年、血管縫合および血管と臓器の移植に関する研究でノーベル生理学・医学賞を受賞

前半は生理学をベースに、人間という存在を「総合的に」記述している

総合的にという意味は、人間という複雑きわまりない存在を、各分野の専門家が部分的に詳細に分析し、「群盲が象をなでる」状態になっていることへのアンチテーゼとして、人間存在の全体的なスケッチを描こうとするもの

前半の淡々とした科学的記述に対して、後半は、人間の未来の進歩のために、実に大胆な提言を行っている

人間は厳しい環境と闘ってこそ進歩するという考えに基づき、安全で便利で快適な人工的環境に囲まれて生活する現代人は愚劣化しつつあると主張する

動物の子どもは、生まれるとすぐに母乳の奪い合いなど、自然淘汰の闘いに投げ込まれる

弱者は死に、強い子どもだけが生き残る

人間だけが保育器などによって、この自然淘汰のメカニズムを阻害していると著者は主張する

環境適応できない弱者を文明の力で生き永らえさせるのは、人間の脆弱化、愚劣化につながるという主張は、現代の価値観から見ると、かなり過激に感じられるが、自然淘汰プロセスが生物の種の強靭さや活力を維持する上で欠かせないという厳然たる事実は、簡単には否定できない重みがある

いまからおよそ100年前の、時代精神の一端が感じられる

著者は1944年に71歳で亡くなっている

自然淘汰プロセスの一種とも言える中国コロナ騒動を考えるうえでも、貴重な視点を与えてくれる

(^_^;)

映画 ダ・ヴィンチ・コード

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期待したほど面白くはなかった

カトリック教会の正統性とか、キリストは神か人間かとか言われても、日本人である私にはいま一つピンと来ない

古代史ミステリーなら、諸星大二郎のマンガの方が面白い

日本で言えば、天皇家の正統性を揺るがす大秘密、といったところでしょうか?

(^_^;)

 

読書 細川侯五代逸話集

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細川幽斎の逸話を期待したのですが、分量的には二代目忠興以降が多く、幽斎の分はわずかでした

江戸時代初期、まだ戦国の血なまぐさい気風がうかがえる逸話も多く、ちょっとしたことで斬り合いになったり、首をはねたり、腹を切ったりしています

武士道の二要素(勇と忠)のうち、勇の比重が圧倒的に高く、「腰抜け」と見られることを極端に嫌った戦国武士の気風が、二代目忠興(とその妻ガラシャ)の逸話に濃厚に表れています

大名も3~4代つづくと、いわゆる「バカ殿」が出るのが普通ですが、細川家では5代つづけて「名君」が出て、藩の基礎を固めたようです

和歌の名人である幽斎は、風雅な歌のほかに、儒教的な「教訓歌」も多く残しました

これが細川家の次の殿様の教育に代々生かされたのではないかと思います

(^_^;)

 

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細川幽斎

 

読書 天才の心理学

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約百年前に書かれた天才論の古典です

彼の3気質説(いわゆるヤセ・デブ・筋肉)を駆使して天才を分析し尽くしています

著者自身が天才と言ってよいので、非常に洞察が深い

天才は社会適応能力を犠牲にして、限定された領域において、その才能を開花させる

その非常に極端な形が、サヴァン症候群でしょうか

特に天才の典型としてのゲーテ、その家系における精神病の惨状には戦慄を覚えます

(^_^;)

読書 細川幽斎

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 佐藤『幽斎玄旨』に続いて細川幽斎ものを2冊読みました

 江戸時代の改易や明治維新で没落した大名が多い中

 室町時代から現代まで 延々と続く稀有な名門細川家

  その秘密の一端は

 幽斎が残した家訓和歌にあるようです  (^_^;)

 


 

【死ぬ前のひと言】

織田信長「是非に及ばず」

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豊臣秀吉「秀頼を宜しくお頼み申す」

細川幽斎「思い残すことはない」

一休宗純「死にとうない」 

大石内蔵助「お先に」

葛飾北斎「あと10年生きたいが、せめてあと5年の命があったら、本当の絵師になれるのだが」

吉田松陰「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂」

ゲーテ「窓を開けてくれ。明りがもっと入るように」

カール・マルクス「最後の言葉なぞ、充分思いを伝えきれなかった愚か者が言うことだ」

不明「カネは生きてるうちに使え」