ラブクラフトが開拓したクトゥルフ神話の世界を大雑把に概観するためのガイドブック
特にイラストが素晴らしい
ラブクラフトは、1890年に生まれ、1937年に46歳で亡くなっているが、没後1世紀近くのクトゥルフ神話世界の展開もたどっている
特にクトゥルフ神話に参加したり関わったりした日本人の説明が楽しい
水木しげる、魔夜峰央、諸星大二郎など、私の大好きな漫画家さんたちも登場する
「冬彦さん」佐野史郎の、ラブクラフトへの傾倒ぶりは徹底している
(^_^;)
ラブクラフトが開拓したクトゥルフ神話の世界を大雑把に概観するためのガイドブック
特にイラストが素晴らしい
ラブクラフトは、1890年に生まれ、1937年に46歳で亡くなっているが、没後1世紀近くのクトゥルフ神話世界の展開もたどっている
特にクトゥルフ神話に参加したり関わったりした日本人の説明が楽しい
水木しげる、魔夜峰央、諸星大二郎など、私の大好きな漫画家さんたちも登場する
「冬彦さん」佐野史郎の、ラブクラフトへの傾倒ぶりは徹底している
(^_^;)
ひとつ前に読んだ「銀の鍵」は、断片的な夢をそのまま作品化したものだったが、本書は夢の世界を再構成して、夢幻境をめぐる長編の冒険活劇に仕立てている
ラブクラフトには珍しく、ホラー的な要素の乏しい、ファンタジー作品だ
三蔵法師と孫悟空たちが、異形の怪物たちと戦いながら天竺をめざす「西遊記」を連想させる
作者自身はこの作品を手慰みの習作として扱い、生前は公表しなかった
左の表紙にある奇妙な像が、縄文時代の遮光器土偶に似ているのは、漫画家さんのお遊びだろうか
(^_^;)
本書に収められた5つの短編は、ラブクラフトが夢に見た内容を、ほぼそのまま作品にしている
作中には、ラブクラフトの分身であるランドルフ・カーターが、夢の中の主人公として登場する
私はまだ体験したことが無いのだが、世の中には明晰夢というものがあるらしい
明晰夢とは、睡眠中にみる夢のうち、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のこと
明晰夢の経験者はしばしば、夢の状況を自分の思い通りに変化させられると語っている
そんなことが可能なら、まさに「夢のような世界」を自由に楽しむことが可能になる訳で、人生の楽しさや奥深さが何倍にも膨らむように思う
(^_^;)
ラブクラフトのコミカライズはPHP版が多いのだが、これは角川版
表題作の「魔犬」は、世間の退屈さに飽きた二人の若い男の奇怪な体験ストーリー
二人は友人で、おそらく貴族の生まれで、遊びにも恋愛にも、学問にも芸術にも、そして冒険にも飽きていた
二人が最後にたどりついた楽しみは、何と墓場荒らしという背徳の世界だった
ヨーロッパ各地の数世紀前からある墓地を研究探索し、歴史に名を遺す人物の墓を暴いて、遺品を収集してコレクションを作っていた
遺跡発掘の私的な真似事(お遊び)のようなもの
そしてオランダのある古い墓で見つけた遺品から、二人はとんでもない運命に巻き込まれていく
人間が欲望を満足され過ぎると、次には強烈な退屈に襲われるというのは、歴史が証明している
典型的にはローマ帝国の「パンとサーカス」だが、ヨーロッパの社交界も、サーカスの代用品かもしれない
いま世界の先進国では、ミニマムインカムと称して、働かなくても食える社会を目指しているが、その先に来るのがどんな社会かを、いまのうちに真剣にイメージしておく必要を感じる
本書には「魔犬」のほかに「神殿」「名もなき都(無名都市)」が収められている
後2作はPHP版にも別な漫画家さんで収録されていて、比較の楽しみもあった
本書を描いた田辺剛氏の画力は素晴らしいと思う
(^_^;)
コズミックホラー(宇宙的恐怖)と呼ばれているラブクラフト作品群の中でも、特に宇宙をテーマとする色彩が強い作品
地球防衛軍こそ登場しませんが、宇宙人が地球を侵略するというストーリーで、SF小説の先駆けです
人間の脳だけを取り出して宇宙旅行をするという作中のアイデアは、1世紀前の作品としては斬新です
人類は半世紀前(1969)に月面上に降り立ちました
当時、次は火星だ太陽系外だとか騒いだけれども、その後に月以外の星に人類が行くことは無かったし、月にすら行かなくなった
過酷な宇宙環境と宇宙の広大さに対して、人間の肉体は余りにも脆くて弱く、寿命は短い
日本の小惑星探査機「はやぶさ」のように、高性能の観測機器を遠い宇宙に飛ばし、収集したデータや試料を回収するのが、地球周回以外の宇宙開発の主流になっている
脳だけ取り出す技術は現在医学でも無理だが、人間の感覚機能を代行する観測機器を宇宙に飛ばすというのは、それに近い方法と言えそうだ
さらに話は飛ぶが、人間が毎日のように睡眠中に見ている夢は、時空間を超越しているので、脳だけが宇宙旅行をしたり、タイムマシンに乗ったりしているようなものかもしれない
(^_^;)
「ニャルラトホテプ」とは、ラブクラフトによるクトゥルフ神話に登場する邪神
「ナイアルラトホテップ」など、表記にはいろいろブレがある
私がこの名に初めて出会ったのは、一時流行したファイル共有ソフト「ウィニー」の応用ソフトの名前だ
今は違法になったウィニーだが、当時は合法で、互いに手持ちのソフトやコンテンツを自由に交換できる便利なソフトとして一世を風靡した
ウィニー開発者の47氏(本名金子勇氏)は、「著作権法違反幇助」という罪名で逮捕されたが、のちに無罪が確定した
ウィニーは、自分がファイルを1つアップしたら、ネットからファイル1本ダウン出来るという、一種の相互扶助的な仕組みになっていた
ナイアルラトホテップという応用ソフトは、この1対1交換の原理を破るもので、自分は1本もアップせずに、何本でもウィニーネットからファイルをダウン出来るという非常に都合の良い代物で、これが普及すると誰もアップする人がいなくなり、ウィニーのファイル交換の世界が崩壊する
もちろん、クトゥルフ神話とは何の関係も無い
(^_^;)
ラヴクラフトにとってプロヴィデンスは最も落ち着く場所だったようで、46年の短い生涯のほとんどをここで過ごし、独特のクトゥルフ神話の世界を紡いだ
ラヴクラフトはプロヴィデンスに住む伯母に宛てた手紙の中で
「現実世界を打ち捨てて、古びた場所に引き篭もり、読書や書き物をしたり、風変わりな場所や歴史の残る場所を訪ねたりして、静かに暮らしたい」
と書いて、過ぎ去った時代への偏愛や、異邦への憧憬を表している
日本で言えば出家隠棲のような生き方だが、彼が生きた時代のアメリカは、第一次大戦や世界大恐慌で落ち着かなく、彼は英国に似た落ち着きのあるプロヴィデンスを愛した
彼の墓には「私はプロヴィデンスである」と記されている
(^_^;)
▲現在のプロヴィデンスの街並み
クトゥルフ神話の世界は
PCホラーゲームに
豊穣な土壌を提供しています
(^_^;)
暗闇を恐れる主人公、倒せない敵、クトゥルフ神話をベースにした世界設定などの要素を盛り込み、インディータイトルながら人気を博したホラーゲーム「Amnesia: The Dark Descent」。
北欧スウェーデンのインディーゲームスタジオ「Frictional Games」の開発タイトルで、すでにリリースからはまる10年が経過している。
PCゲーム販売プラットフォーム「Steam」上ではレビュー総数1万3558件、評価「圧倒的に好評」とユーザーからの評価も高い。
定番のホラー系タイトルとして定着していると言っていいだろう。
10/21にSteamでリリースされた「Amnesia: Rebirth」は、そんな「Amnesia: The Dark Descent」の正統な続編と言えるタイトルだ。
暗闇に長く居続けることで左右される正気度、記憶喪失(Amnesia)を患った状態の主人公、探索の中で襲い来る謎の怪物。
といった「Amnesia」シリーズのエッセンスを引き継ぎつつ、前作までの物語とはまた違ったストーリーが展開されていく。
現時点で日本語がサポートされていない点には注意が必要。
英語字幕は表示可能で、謎解きパートの進行にも言語知識は必要ではない。
英語に堪能でなくとも、問題なくプレイは可能だろう。
ラブクラフトの初期作品
「無名都市」
「ダゴン」
「魔宴」
「神殿」
を収録している
狂える詩人アルハザードによる魔道書「ネクロノミコン」が登場します
現在のヨーロッパが世界の先進エリアの座を確実にしたのは18世紀の産業革命以降なので、それまではオリエント(エジプトやメソポタミア)の巨大帝国がヨーロッパ人にとっての恐怖の的、トラウマだった
それよりはるか昔に栄えた爬虫類的な生物の文明への恐怖が、一連の神話のテーマです
作品が書かれたのは今からほぼ1世紀前
当時の日本で発生した関東大震災(1923年)は、世界に大々的に伝えられ、文明崩壊事件として、ラブクラフトにも強い影響を与えたとされています
(^_^;)
今回、インスマウス、ダンウィッチ、そして本作と、ラブクラフトの代表作を詳しい解説文付きのマンガで読んでいるのは、以前に原作の小説(もちろん翻訳)を読んでいるからだ
あの底知れぬ「コズミック・ホラー(宇宙的恐怖)」の世界を、どのように具象化(マンガ化)しているかに興味があった
元首相の鳩山由紀夫が「日本列島は日本人だけのものではない」などと馬鹿げた発言をして、多くの日本人の憤激と失笑を買ったが、「地球は人類だけのものではない」という不安と恐怖が、コズミック・ホラーの基本テーマになっている
当然、小説は文章だから、その恐怖の対象をあいまいにボカして表現できるけれども、マンガでは明瞭な絵にしなければならないので、マンガ家は大変だ
作品とイマジネーションの比率が、小説なら3:7のところが、マンガなら7:3くらいの感じだろうか
特に本作「クトゥルフの呼び声」は2人のマンガ家が個別に作品化しているので、読み比べる楽しみもあった
私は右脳やマズローの至高体験との関連で、コリン・ウイルソン(→)に興味があるのだが、彼もラブクラフトに並々ならぬ関心を示し、「賢者の石」などの作品を書いてクトゥルフ神話の世界に参加している
「ウルトラQ」を通じて日本の特撮界に影響を与えたラブクラフトだが、その後さらに現代のPCゲームの世界観などにも多大な影響を及ぼしているので、「大人の知的お遊びの世界」であるクトゥルフ神話は、今も拡大を続けている
(^_^;)