60【旅と散歩】

多摩モノレール延伸で「特許」?

▲多摩ファミの地盤である多摩エリア

多摩都市モノレールは、2024年7月23日に国土交通大臣へ軌道法に基づく特許を申請した延伸計画について、2025年5月9日に特許を取得したと発表しました

・・・というニュースを見たのですが、気になるのは「特許」という言葉

なぜモノレールを延伸するのに、「何か発明をして特許を取ること」が条件になるのか?

意味が分からんと思いつつ、ネットで調べたら、やはりこの「特許」は特許法が定める、発明に対して与えられる特許とは全く別物のようです

なぜそんな紛らわしい言葉遣いをするのか?と思ってさらに調べると、軌道法という法律があって

第3条:一般公衆の運輸を営むことを目的とする軌道事業は特許を受けなければならない

と定められているからのようでした

だから「軌道法に基づく特許」と表記しているのでしょうけど、紛らわしいことに変わりは無い

一般に明治以来の日本の法律文章は、

わざと分かりにくくして法律屋の権威を高めようとした後進国的悪習

のせいか、悪文の代表のような文章や言葉遣いが今でも多いように感じます

何も「特許」などと紛らわしい表記をせず、単に「許可」とすればいいように思えます

実際、鉄道事業法による「鉄道」事業については、「特許」ではなく「許可」と表記されているので、軌道法で「特許」と表記する意味は無いように思える

注:鉄道事業法は鉄道について、軌道法は主に路面電車やモノレールについて定めている

百歩譲って、この許可が何か特別な許可であることを強調したい事情があるなら、「特別許可」とすれば済むことで、なぜ短縮形の紛らわしい「特許」とするのか理解に苦しみます

悪法も法ですから従わざるを得ない訳ですが、こんな言葉遣いレベルとは次元の異なるトンデモない悪法もまかり通っているので、早く何とかして欲しいもんです

NHKに放送受信料の独占強制徴収を認めている放送法なんか、いますぐ廃止すべき悪法の代表だと思います

(^_^;)~♪

トヨタ社長 母校卒業式スピーチ

トヨタ社長の豊田章男さんが、バプソン大学の卒業式スピーチをしています

若いころ、この大学に留学していたんですね

そのせいか堪能な英語で大ウケ、大爆笑の連続です

貫禄も十分、さすが国際的大企業の経営者

それでスピーチの要点は

本当に心の底から楽しめることを探せ!

ということのようです

19年前(2006年)に開催された新宿高校1年A組のクラス会で、来賓ご出席の有賀先生(A組担任)のスピーチでも、ほぼ同じ事をおっしゃっていたと記憶しています

(^_^;)~♪

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上高地に夏が来る

上高地開山祭、4月27日

大田くんを囲む会の上高地合宿(1980年)を思い出します

登山(蝶ケ岳)とキャンプしました

あのころ、みんな若かった

(^_^;)~♪

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高輪の桜が満開

高輪プリンスホテル(高プリ)日本庭園の桜が満開です

今朝(3/31)の朝7時前、外気温8度、かなり寒い

花見なんかしてる人は、ほとんどいない ((((;゚д゚))))

写真をクリックすると拡大します

▲御殿山花見之圖

高輪(御殿山)は江戸時代まで東京湾に突き出た高台で桜の名所

台へ登る坂道に手すり用のを張ったので、高縄→高輪

現在の品川駅あたりが海岸で、その先は海、房総半島まで見えた

上の浮世絵の下の方に見える街並みは東海道品川宿で大繁華街

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上級国民の高齢ドライバー暴走死傷事件

▲地裁の法廷(この事件のものではありません)

ここ数年で世間を騒がせた「上級国民の高齢ドライバー暴走死傷事件」と言うと、

池袋暴走事件の飯塚幸三さん 元工業技術院長(理系官僚の最高峰)

が有名ですが、これとほぼ同時期に

レクサス暴走事件の石川達紘さん 元東京地検の特捜部長

も暴走死傷事件に関与しています

今日は熊さんに誘われて、石川さんの民事裁判を、東京地裁606号法廷で傍聴しました

この事件の法廷傍聴は2回目で、前回11/28は証人尋問で盛り上がったのですが、今回は判決言い渡しだけで、開廷予定の10時に裁判官が登場すると

原告の請求を棄却する。理由は追って送達する」

とだけ言って、わずか1分足らずで閉廷(拍子抜けしました)

「原告の請求」とは、石川さんのトヨタ自動車に対する5000万円の損害賠償請求のことです

「棄却」ですから、トヨタ自動車に賠償責任無しとする判決です

憲法で裁判公開の原則が定められておりますが、民事裁判では効率化などのため

口頭陳述や判決理由などの「読み上げ」を書面で代用すること

が恒例化しており、証人尋問でもないと、傍聴者にとってはまったくあっけないものです

もちろん裁判資料は原則公開ですから、あとから判決全文を取り寄せれば、判決理由の詳細を知ることは可能だと思います

この暴走事件は刑事事件として、すでに石川さんの有罪が確定しています

それを民事裁判でひっくり返すのは極めて困難で、ほぼ結果が見えている裁判ということで世間も余り注目しておらず、法廷は傍聴券の発行もなく空いていました

一応、マスコミが数人来ていて、今日のニュースにはなっていました

私は以前(10年以上前かな)、裁判の傍聴にハマったことがあり(いわゆる裁判ウォッチャー)、熊さんの誘いもあったので、久しぶりに地裁法廷に入りました

前述のように民事裁判はあっけないので、裁判ウォッチャーは刑事法廷を傍聴することが多いのですが、今日は民事法廷です

法廷の隣にある待合室ですぐ近くから拝見した石川達紘さんは、さすが元東京地検の特捜部長だけあって、すでに年齢は85歳ですがお元気そうです

前回11/28は「矍鑠(かくしゃく)たる力強いオーラ」のようなものを感じましたが、今日は全面敗訴の直後だったせいか、少し元気がなく残念そうに見えました

百戦錬磨の特捜部長だった人ですし、「負けてもともと」みたいな裁判ですから、それほど落ち込んではいないと思いますが

暴走事故が起きたのは石川さんが「20歳台の美人の愛人」と一緒にクルマでゴルフに出かける際だったので、この辺に「85歳の若さの源泉」があるのではないか、などとするゴシップ風の報道もあります

この事件の石川さんへの刑事判決が、実刑ではなく執行猶予が付いたことに、世間から

司法関係者の身内びいき

上級国民への忖度(そんたく)

などといった激しい批判がある訳ですが、上記のようなゴシップ風の報道もいくらか関係がありそうです

ちなみに、もう一人の「上級国民」である飯塚幸三さんは、禁固5年の実刑(執行猶予なし)で、刑務所収監中に亡くなっており、明暗が分かれています

とにかく、石川飯塚両事件の裁判における最大の争点は、

事故原因が、クルマの欠陥か? または運転者のミスか?

という点にあります

クルマの欠陥が機械的あるいは電気的なものなら、時間をかければ欠陥の完全究明は可能かもしれませんが、最近のクルマにはエンジンの制御や事故防止などのためのソフトウェアが搭載されています

これは実際には数千行とか、時には数万~数十万行に及ぶ膨大なコンピュータ・プログラムです

このプログラムの中に、1カ所でも1文字でもバグ(プログラム上のミス)があれば、クルマが誤作動(暴走など)するかもしれません

みずほ銀行のすべてのATMが長時間使えなくなるといった、巨大銀行の経営を揺るがすような重大事件がときどき発生していますが、原因はプログラム中のピリオド(.)ひとつの打ち忘れかもしれません

人間はミスを犯す生き物ですから、バグは必ず発生します

このようなバグを発見するのは、数十巻もあるような大百科事典の中から、あるいは日本全国のすべての電話帳から、わずか1文字の誤字を発見するような気の遠くなる作業で、完全にバグをゼロにすることは、現実にはほぼ不可能です

誤作動が常に発生するのなら対処は比較的簡単なのですが、何らかのめったにない条件下でのみ誤作動するようなバグがあると、事態はますます深刻です

簡単なバグはすぐに除去(デバッギング)されるので、深刻なバグだけが残ります

そんな深刻なバグが原因で誤作動した瞬間(めったにない極めてレアな瞬間)に、たまたまクルマを運転していたドライバーは悲劇です

石川さんや飯塚さんが、そんな悲劇の主人公である可能性を、完全にゼロであると言い切ることは困難です

裁判の判決では両事件とも「運転者のミス」とされましたが、何か割り切れないものが残ります

さらに恐ろしいことに、今回の暴走事故は運転者が「上級国民」ということで社会の注目を集めていますが、これは氷山の一角で、じつははるかに多い数の交通事故で、バグによる暴走事故が「運転ミス」として処理されている可能性も有ります(えん罪)

運転者だけでなく、道を歩く歩行者も、常に周辺のクルマが突然暴走する可能性を考え、エンジンのかかったクルマのすぐ前や後ろを歩くことは極力避けるといった注意が必要になりそうです

これからクルマの自動運転が実用化されていくと、このバグ問題はますます社会の重大問題になっていくでしょう

最近注目されているAIの深層学習(deep learning)が、バグの除去に活用されて、デバッギングの自動化が広く実現すれば、将来への光明になるかもしれません

 

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石川飯塚両事件の経過比較(主にwikiより)

 

    • 石川達紘クサス暴走事件
      • 1939年4月4日生まれ、85歳、中大卒、元検事
      • 2018年2月18日に男性1人を車(レクサス)ではねて死亡させる
      • 2021年2月15日、東京地裁から禁錮3年執行猶予5年の判決
        • 自動車運転処罰法違反(過失致死)などの罪
        • 判決は、アクセルペダルの裏面にペダルが踏み込まれたまま衝突事故が起きた際に生じる傷痕が残っていたことに着目し、「車の不具合のみで事故が起きたなら傷痕が生じた理由の説明が困難」として、被告がアクセルを踏み込んだと認定
        • アクセルやブレーキがどう操作されたかを記録するレコーダーのデータが、事故発生前後にアクセルが強く踏まれたことを示していることも踏まえ、車の不具合はなかったと結論付けた
      • 2023年5月(事故発生から5年3か月)最高裁は石川の上告を棄却、禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決が確定
        • これにより石川は弁護士法の規定に基づき弁護士資格を失った
        • 同年8月8日付で瑞宝重光章返上
      • 2023年、石川は、暴走は車の欠陥が原因だったとして、製造元のトヨタ自動車と販売会社に5千万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に提起

 

  • 飯塚幸三池袋暴走事件
    • 1931年6月1日生まれ、2024年10月26日93歳没、東大卒、元研究者
    • 2018年に足を痛めて杖をつくようになった
      • 2018年ころ、通院先の医師はパーキンソン症候群と似た症状があると診断し、飯塚本人に「運転は許可できない」と伝えていた
      • 2019年の年明けには車の車庫入れも手こずるようになった
    • 2019年4月19日12時25分ごろ、池袋で乗用車の運転中に多重衝突事故
      • 豊島区東池袋四丁目の都道、東京メトロ東池袋駅付近の交差点
      • 2008年式トヨタ・プリウス (DAA-NHW20) が暴走
      • 暴走の原因は、ブレーキとアクセルを踏み間違えたこと
      • 母子2人が死亡し、運転していた飯塚と妻を含む10人(飯塚を除くと9人)が負傷
    • 東京地方裁判所における刑事裁判の争点
      • 被告人は「車に電子系統の異常が起き、ブレーキが効かなくなった」として無罪を主張
      • 検察官は「事故の原因は、被告人がブレーキとアクセルを踏み間違えたことだ」として、禁錮7年(法定刑の上限)を求刑
    • 2021年9月(事故発生から2年5か月)に禁錮5年の実刑が確定
      • 自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷罪)
      • 2021年9月17日付で瑞宝重光章を褫奪(ちだつ)
      • 高齢ドライバー事故への社会の関心を高め、自主返納が増加
    • 2024年5月時点で、関東地方の刑務所に収監中(詳細非公表)
    • 2024年10月26日に刑務所内で老衰により93歳没
      • 同年11月25日に報道された