71【事件事故】

東京科学大に爆破予告 学園祭中止へ

▲東京科学大学

東京科学大学(旧東京工業大学、東京医科歯科大学)は11/2、

大岡山キャンパス(東京都目黒区)を11/3に爆破する!

という趣旨の予告があったとして、この日に予定されていた学園祭「工大祭」を中止するとホームページで発表した。

東京科学大学は

「学生、教職員の安全を最優先に考え、安全が確認できるまで大岡山キャンパスへの立ち入りを制限する」

としている。

警察と連携し、事実関係の確認と安全確保に向けた対応をしているという。

田園調布署によると、10/31午後3時ごろ、東京科学大学から「爆破予告があった」との相談の電話があった。

キャンパス内から爆発物は見つかっていないが、予告がされている11/3は警備態勢を強化するという。

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というニュースが、今日11/3に流れていました

まだ犯人情報は全く報道されていないようですが、想像するに

教授からアカハラされた学生や助手など(愛のムチに対する逆恨みも含む)

高市内閣になったあたりから、外国人留学生への対応が厳しくなったので、それへの反発

学園祭の準備中に何かトラブルがあり、その腹いせ

あたりかなという感じがします

安全の確認、つまり「(爆弾が)無いことの証明」は、悪魔の証明ですから、いくらキャンパスの中を細かく調べても、完全な証明は不可能

メールだけで学園祭中止というのは、過剰反応かな?という気もしますが、難しいところ

ただ、メールというのは結構足が付きやすいので、すぐ逮捕になるかもしれません

犯人は普通、匿名プロクシサーバーなどをかませて身を隠すんですけど、各サーバーにはログ(アクセス記録)が残りますし、警察なら令状を得てログの押収など強制捜査も可能

もちろん悪質かつスキルのあるハッカーなら、アクセス後にログを消したりするので、イタチごっこですけどね

それに海外の匿名プロクシサーバーには、日本の警察の捜査権が及びにくいのも、捜査の壁になりがち

東京科学大学には、情報セキュリティの専門家もたくさんいるでしょうから、警察と協力して、卑劣な犯人を徹底的に追い詰めていって欲しいものです

(;´Д`)

 

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追伸 そう言えば爆弾で思い出しました

もうずいぶん前になりますが、私の出身学科の研究室に実際に爆弾が送られてきて、それが爆発するという事件がありました

爆弾の規模が小さかったので、荷物を受け取って開封した教授秘書が、手に軽いケガをした程度で済んだようです

とは言え、一種の爆弾テロですから警察が動き、各研究室のOBにも聞き込み捜査が実施され、私の所にも来ました

警察官が2人やってきて(聞き込み捜査は原則2人らしい)、しばらく話を聴いて帰りました

私が疑われる要素は無かったみたいで、それっきりでしたが、話の中で警察官が

「東工大の皆さんなら、爆弾くらい作るの簡単でしょうね?」

なんて言うので、つい

「そうですね。原爆だって作るかもしれませんね」

と答えたら、苦い顔してました

別学科ですが原子力工学科(大前研一はここの大学院の出身)もあり、キャンパスには小型の原子炉もあったので、少量の核燃料も置いてあったでしょうから、丸っきり冗談という訳でもありません

まだ革マル派や中核派みたいな過激派集団が活発だったころ、米軍基地や警視庁のイベント会場などに向けて、鉄パイプで小型の迫撃砲のようなものを造り、石か何かを飛ばした事件がありました

もちろん石が人を直撃すれば死人が出る可能性もゼロではありませんが、しかしいかにもチンケな武器という感じ

道ばたの石ころを拾って手で投げたって、当たり所が悪ければ人は死にます

ある評論家はこれを見て、「手製の迫撃砲は、左翼過激派の素朴な伝統工芸品だ」などと皮肉っていました

過激派の活動家って文系しかいないのかな?などと思った記憶があります

最近、仏教関係の本をよく読んでいるのですが、その中には仏教系カルトとしてのオウム真理教の説明もあり、

なぜオウム真理教が、あれほど優秀な理系科学者を集めたか?

という議論もありました

当時のオウム幹部の中に、土谷正実という化学の専門家がいて、簡単にサリンを合成してしまったのです

今でもそうですが、世界中のテロリスト集団がノドから手が出るほど欲しかった猛毒サリンを、日本のカルト宗教団体オウムが簡単に作ってしまったというので、当時の世界中のテロリスト集団が超ビックリした訳です

土谷正実がいかに優秀な化学者だったかが分かりますし、方向を間違えなければノーベル賞も狙えたかも知れない(大学時代の指導教授が、そう証言している)

何とも才能のもったいない使い方をしたものです(すでに死刑執行済み)

もともと工学部(School of Engineering)は兵器研究が主目的であり、そのためにわざわざ「平和目的の工学(Civil Engineering)」という言葉まであります(この言葉は、現在では土木工学という意味)

人間のすることには何でも「目的と手段」がありますが、工学を含めた科学(サイエンス)は、「手段(構造)の研究」に特化して大発展を遂げました

「目的(価値)の研究」は必然的にイデオロギーが前面に出ますから、派手な議論をしているようでも、実は同じ所をグルグル回っているような平行線的な議論になりがちです

これを日本では昔から「坊主のケンカ」と呼んでいます

(^_^;)~♪

 

誰が密告したんだ!

職場で、内部告発者を突き止めようと必死になったBさん

「誰が密告したんだ?チクったんだ?」

「見つけたら徹底的に追い詰める!」

「辞めさせるまでやるぞ!」

とか息巻いて社内調査を進めたが、最終的には上司やコンプライアンス担当役員から厳しく叱責され、被害者たち(内部告発者としてBさんから追い詰められた人たち)に深く頭を下げる羽目になった

ところが、被害者たちはそれでも納得できず、Bさんを加害者として裁判所に提訴した

裁判所は

「Bさんの行為は行き過ぎだ、慰謝料を払え」

と命じた

という、笑い話のような事件(もちろん当事者には深刻な事件ですが)

日本人の大人なら誰でもご存じのように、日本の社会には江戸時代以前からある「村の論理」と、明治以降の「法の論理」があります

この二つの論理は、歴史的に言えば中世と近代という、かなり異なる考え方です

「論理」といいますが、ロジックというより、ルール(倫理、道徳、価値観)に近い概念

表面的には「法の論理」で動いているように見える「法治国家」日本ですが、ときどき「村の論理」が顔を出すことがあり、時には衝突することもあります

「村の論理」で処理しようとしたのに、「法の論理」の出番になったことを、少し前までの日本人は「裁判沙汰(ざた)」などと呼んでいました

特に、頭の中が「村の論理」一色というBさんみたいな人(昔の体育会系に多い)もたま~にいて、思わず笑っちゃうような珍事件を引き起こします

もちろん裁判所は「法の論理」の体現者ですから、原則として「村の論理」は通用しません

「村の論理」が成立したのは、おそらく室町時代の惣村」の形成と深く関係しているように思われます

警察も裁判所も無かった(ほとんど機能していなかった)時代に、農民が自分たちの生活を自分たちで守るために団結し、その結果生まれたのが「村の論理」

それから500年以上が経過していますが、「村の論理」は今も脈々と生きています

ちなみに、西部開拓時代のアメリカのフロンティアでも、警察も裁判所も無かった(ほとんど機能していなかった)時代がありますが、個人主義の強い白人社会でしたから、団結で身を守るよりも、個人個人が自分で自分の身を守るという方向へ進み、「銃の論理」(銃社会)になりました

それなりの歴史的な必然性でそうなっている訳ですから、急に「銃を廃止しろ!」とか叫んでも、急には変えられない

それは日本の「村の論理」が、急には変えられないのと同じ

(^_^;)~♪

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MacBookで命拾い

ブラジルのサンパウロ市内で10/1、中国人が覆面強盗に銃撃されるも、バックパックの中のMacBookに命を救われました

空港に着いて初めて、

バックパックの中のMacBookが銃弾を食い止めていた!

ことに気付いたそうです

ノートパソコンの筐体(きょうたい:ケース)には、軽さやコストを考えてプラスチック製が多いのですが、なぜかMacBookの筐体はアルミ製なのです

おそらくジョブズ以来のApple社のコダワリだと思いますが、今回はその「強度」が中国人の命を救いました

日本以外の多くの国では、拳銃強盗など日常茶飯事で、少しも珍しくありません

 特にブラジルを含む中南米は治安が悪い!

身を守るために普段からカバンの中に鉄板や防刃シートを入れていて、万一のときはこれで身を守ると聞いたことがあります

今や多くの外国人がやって来る日本、そんな治安の悪い国にはならないで欲しいものです

困ったことに、日本にやって来た外国人労働者による凶悪犯罪(特に日本人少女への強姦)が激増中

石破は全くダメだったけど、高市新総理には、迅速かつ適切な対応を期待します!

  (^_^;)~♪

錆びたレール

これは2024年の脱線事故(資料PDF)で、レールの撤去作業中に作業員が手を放した一瞬、破断したレールを撮った報道写真

まさに「瞬間芸術」と呼ぶべきか!

2025年の新聞協会賞を受賞したというのもうなずけます

場所は2024年11月にJR函館線の森駅近くで発生した脱線事故現場

本来の鉄道レールには、中央部に充分な厚みがあって、これが列車の荷重を支えている

これが腐食(さび)によって、紙のよう薄くなり、脱線事故につながった

私は鉄道に乗るのがダイスキ(乗り鉄

だからこの写真には大ショックを受けました!

鉄道会社には「保線」(ほせん)という仕事があり、線路が列車の安全運行に耐えるか、常に点検整備しています

事故発生までの函館線の保線部門は、いったい何をしていたのか?

レールはつながっているから、上の写真のようにレール断面を見ることは普段ありませんが、それを機械で測定して腐食(さび)の進行などを把握するのが保線の仕事

「鉄道」と言うくらいですから、レールが鉄で出来ていて錆びやすいことくらい、小学生でも知っています

脱線したのはJR貨物の車両だと思いますが、保線はJR北海道が担当していたと思われます

過疎路線の多いJR北海道は、旧国鉄から分離独立した時点で収益性に問題があり、現在でも政府からの補助金に頼った経営が続いています

純粋な民間企業とは言い難い「準公営企業」です

赤字が出ても補助金で助けてもらえる!

といった甘えが無かったのか?

この辺の経営体質と脱線事故の関係を徹底的に究明し、対策を講じてもらいたい!

しかし、その結論が「赤字路線の廃線」になるのだとしたら、それは何とも情けない!

そのように、乗り鉄の私は、シミジミ思います

 ((((;゚д゚)))) コワイ

詳細はここをクリック

 

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追伸 国内最古の車両が、2028年1月で引退です

小田急沿線の皆さんにはおなじみの箱根登山電車

イチロー邸に賊が侵入

▲イチローと妻の弓子さん

イチロー邸が、強盗犯による不法侵入の被害に遭っていたことが、9/15報道された

容疑者のパトリック・メゾネット(29)は2/9、シアトルのイチロー邸に侵入

寝室のドアを無理やり開けようとしたが、中にいた妻の弓子さんがドアを押し返した

その後、ドアの隙間から弓子さんに催涙スプレーを噴射

だが、犯人が部屋に入る前に弓子さんがドアの鍵をかけ、男の侵入を防いだ

なんとも生々しい話だ

一歩違えば、弓子さんは殺されていたかもしれない

とにかく米国西海岸は犯罪が多すぎる!

そんな西海岸に住んでいるのに、寝室のドアの前まで賊の侵入を許すというのは、油断なのか、あるいは賊の侵入テクニックが高いのか?

いろいろ原因はあるのだろうが、犯罪者に対する民主党の甘すぎた政策や、大量流入した移民による治安悪化が関係していると、多くの米国民は見ている

そして米国民の多く(特に下層白人)は、その解決を共和党の大統領トランプに期待しているようだ

副大統領バンス「ヒルビリー・エレジー」の副題は

アメリカの繁栄から取り残された白人たち

日本でも、自民党が犯罪者や外国人に甘すぎる政策をとって日本国民を激怒させ、参政党への支持が急上昇しているから、他人事ではないね

((((;゚д゚)))) オソロシイ

 

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新宿高校のグラウンドで、野球部を指導するイチロー

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▼これちょっと古いマップ 新宿高校バイパスなし

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▼最新のGoogleマップ 新宿高校バイパスあり

新宿高校バイパスは、我々27回生の新宿高校在学中から計画があり、道路建設用地を確保するために新宿高校を原宿へ移転させようとしたため、母校OBなど関係者が大反対運動を起こしていました

これが実現してたら、新宿高校は「原宿高校」になっていたのかもしれないね(それはそれで、ちょっと面白いかも)

それが最近になって、道路を上下二階建てにして道路用地の幅を狭くし、新宿高校の移転を不要にすることで、新宿高校バイパス建設が実現したようです

(^_^;)~♪

オープンマリッジ婚

ヒカル   進撃のノア

ヒカルは、9/14に更新したYouTubeで、今年5月に結婚した「進撃のノア」との夫婦関係について

「僕達はオープンマリッジで生きていきます」

「浮気オッケーになりました」

「夫婦がお互いの合意のもとで、配偶者以外の異性との性交渉や恋愛関係を認め合う結婚の形を目指します」

などと話した

これに対して、ホリエモン(堀江貴文)は

「俺もできるならオープンマリッジしたいわ。そこまで結婚したいなって思える人はいないなっていう。わざわざオープンマリッジ宣言をしてまでも、批判がくることが分かっていながらも結婚しちゃうっていうか…すげえなって」

「世の中どうなってるんですかね?」

と驚いてみせた(詳細はここをクリック

ホリエモンは、東大文学部(中退だけど)なのに、割と法学部みたいな常識人っぽいこと言うねー

この人、発言は過激だけど、割とマジメなんだよね

文学の世界で不倫なんて、一つの文学ジャンルを作っちゃうくらいポピュラーな世界だし、驚くような要素は少ない

不倫作家の渡辺淳一なんか

「現代において純愛と呼べるのは

 不倫だけである!」

なんて不倫をベタホメしていた

その昔、超ドMの変態文豪・谷崎潤一郎が、同じく作家の佐藤春夫に

「おれの妻を、君にゆずるよ」

などという提案を実行したり撤回したりして、世間を騒がした事件がありましたね(中年男の谷崎は、妻の妹15歳に本気でホレていた)

ゲーテ72歳が、17歳の少女に大真面目で激烈にホレていたのを思い出します

谷崎もホリエモンと同じ東大文学部中退だけど、谷崎に比べたらホリエモンは、男女関係では極めて健全な常識人

まあ、ホリエモンは文学者じゃないしね

てゆーか、谷崎が余りにも常軌を逸した異常(超アブノーマル・ド変態)なのかもしれません

ノーベル文学賞候補の常連だったんですけどね

もちろん、何となく流れで不倫に至ってしまうのと、最初から(婚姻契約時から)不倫を前提とするのは違うし、いま世間はそこに注目してる訳だ

そして多分この二人は、その注目されるのを目的にしてるのも見え見え(一種の炎上商法)

もともとこの二人は、売れっ子のイケメン&美女

別れたって、すぐ次が見つかるような余裕のある立場だし、最後はカネで解決する手段も持ってる

世間の普通の男女と、一緒には出来ないよね

これで将来、ヒカルが不倫して、進撃のノアがオープンマリッジ契約を無視して民事訴訟を起こした場合、裁判所はどう判断するかな?

たぶん裁判所は、オープンマリッジ契約が「公序良俗に反する」との理由で完全には認めず、進撃のノアの訴えを一応は認めるが、オープンマリッジ契約の主旨を多少は考慮して、賠償金額を減額するといった感じになりそう

とにかく、現代の日本における結婚は、夫婦関係の固定という基本機能だけでなく、税金や社会保険料の家族控除とか、実に細かい所まで影響が及ぶ

いざ離婚となれば、「結婚の10倍のエネルギーが必要」などと経験者が語る

こんな法的なメンドウを避けたいなら、最初から婚姻契約を結ばず(婚姻届を提出せず)、事実婚でいけばいい訳だ

この件で世界の先進国と言われているおフランスでは、事実婚が半数以上を占め、おフランス人の2人に1人以上が「婚外子」として生まれている

ただ、この「事実婚」「婚外子」という概念が、日本とおフランスでは相当に違っていて、単純に比較したり真似したりするのは危険が伴う(詳細はここをクリック

(^_^;)~♪

警察学校で発声指導

警視庁の警察学校で9/8、半年間の訓練を経て10月卒業予定の警察学校生徒(310人)に向けて、ソプラノ歌手の稲見里恵さんが、発声方法について歌唱指導を行った

警察の現場では、発声がとても重要だ!

善良な国民に対しては優しい声で、893など凶暴な連中に対しては、時にはドスの効いた発声が求められます

元警察官僚の政治家、亀井静香が「警察は強くないとねぇ」とか言ってるのが、ほのぼのしていていいなぁ(亀井静香は空港利権の悪党だけどね)

まあ、大阪に比べると東京の警察は、紳士淑女が多いのかな

(^_^;)~♪

 

注射器テロ

おフランス全土で毎年恒例の音楽祭「フェット・ド・ラ・ミュージック」が開催され、数百万人が街頭に繰り出して音楽と祭りを楽しんだが、各地で暴動や混乱が発生し、深刻な治安問題が表面化した

特に注目されたのは 注射器攻撃 と呼ばれる事件で、おフランス内務省によると、全国で少なくとも145人が被害に遭い、パリだけでも13件が報告されている

おフランス内務省は、「被害者の一部は病院で毒物検査を受けている」としている。

・・・とのことですが、この種の愉快犯的犯罪は、すぐ真似されがちなので、日本でも流行しないか心配です

((((;゚д゚)))) コワイヨー

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還暦を過ぎて一から板前になった人

 

定年退職などで仕事をリタイアした後に、まったく別な仕事に飛び込む人がいる

都内の自宅で「寿司かわの」を営む河野透さんは、66歳のときに自宅の一室で寿司屋を始めた

東京生まれの東京育ちで、1968年、大学新卒で広告代理店の東急エージェンシーに入社

社歴38年間のほとんどを、テレビ広告担当の広告マンとして活躍し、62歳で定年退職

寿司職人養成学校の東京すしアカデミーに入学して、板前の基礎を学ぶ

卒業後、インターネットで見習い募集のお店を探して応募した

上下関係が厳しいとされる職人の世界に、未経験の62歳が飛び込んだ

詳細はここをクリック

 

もっと変わり種としては、裁判官から板前になった人もいる

大阪高等裁判所の裁判官(部総括判事)だった岡本健さん

1994年、還暦で依願退官して板前に転身、裁判所の近くに居酒屋を開いた

「人を裁く(さばく)」から「食材をさばく」へ

当時かなり話題になり、下は日経新聞に載った記事

▲クリックすると拡大します

世の中には、板前になりたかったけど別の道に進んだという人が少なからずいる

でも、還暦を過ぎて一から板前修業を始めようとする人は少ない(だから話題になるんだけど)

何かを良いことを始めるのに、遅すぎることなんか無い!

などと昔から威勢良く言いますが、実行するにはとても勇気がいる

好きなことを今から始めるのは、遅すぎるか? 遅すぎないか?

という質問は、さほど重要な質問ではなく

好きなことを本当に今、始めたいのか? 始めたくないのか?

というシンプルな二択が、最も重要な質問のような気がします

(^_^;)~♪

追伸 裁判官から板前になった岡本さんは、この体験をに書いています

 

上級国民の高齢ドライバー暴走死傷事件

▲地裁の法廷(この事件のものではありません)

ここ数年で世間を騒がせた「上級国民の高齢ドライバー暴走死傷事件」と言うと、

池袋暴走事件の飯塚幸三さん 元工業技術院長(理系官僚の最高峰)

が有名ですが、これとほぼ同時期に

レクサス暴走事件の石川達紘さん 元東京地検の特捜部長

も暴走死傷事件に関与しています

今日は熊さんに誘われて、石川さんの民事裁判を、東京地裁606号法廷で傍聴しました

この事件の法廷傍聴は2回目で、前回11/28は証人尋問で盛り上がったのですが、今回は判決言い渡しだけで、開廷予定の10時に裁判官が登場すると

原告の請求を棄却する。理由は追って送達する」

とだけ言って、わずか1分足らずで閉廷(拍子抜けしました)

「原告の請求」とは、石川さんのトヨタ自動車に対する5000万円の損害賠償請求のことです

「棄却」ですから、トヨタ自動車に賠償責任無しとする判決です

憲法で裁判公開の原則が定められておりますが、民事裁判では効率化などのため

口頭陳述や判決理由などの「読み上げ」を書面で代用すること

が恒例化しており、証人尋問でもないと、傍聴者にとってはまったくあっけないものです

もちろん裁判資料は原則公開ですから、あとから判決全文を取り寄せれば、判決理由の詳細を知ることは可能だと思います

この暴走事件は刑事事件として、すでに石川さんの有罪が確定しています

それを民事裁判でひっくり返すのは極めて困難で、ほぼ結果が見えている裁判ということで世間も余り注目しておらず、法廷は傍聴券の発行もなく空いていました

一応、マスコミが数人来ていて、今日のニュースにはなっていました

私は以前(10年以上前かな)、裁判の傍聴にハマったことがあり(いわゆる裁判ウォッチャー)、熊さんの誘いもあったので、久しぶりに地裁法廷に入りました

前述のように民事裁判はあっけないので、裁判ウォッチャーは刑事法廷を傍聴することが多いのですが、今日は民事法廷です

法廷の隣にある待合室ですぐ近くから拝見した石川達紘さんは、さすが元東京地検の特捜部長だけあって、すでに年齢は85歳ですがお元気そうです

前回11/28は「矍鑠(かくしゃく)たる力強いオーラ」のようなものを感じましたが、今日は全面敗訴の直後だったせいか、少し元気がなく残念そうに見えました

百戦錬磨の特捜部長だった人ですし、「負けてもともと」みたいな裁判ですから、それほど落ち込んではいないと思いますが

暴走事故が起きたのは石川さんが「20歳台の美人の愛人」と一緒にクルマでゴルフに出かける際だったので、この辺に「85歳の若さの源泉」があるのではないか、などとするゴシップ風の報道もあります

この事件の石川さんへの刑事判決が、実刑ではなく執行猶予が付いたことに、世間から

司法関係者の身内びいき

上級国民への忖度(そんたく)

などといった激しい批判がある訳ですが、上記のようなゴシップ風の報道もいくらか関係がありそうです

ちなみに、もう一人の「上級国民」である飯塚幸三さんは、禁固5年の実刑(執行猶予なし)で、刑務所収監中に亡くなっており、明暗が分かれています

とにかく、石川飯塚両事件の裁判における最大の争点は、

事故原因が、クルマの欠陥か? または運転者のミスか?

という点にあります

クルマの欠陥が機械的あるいは電気的なものなら、時間をかければ欠陥の完全究明は可能かもしれませんが、最近のクルマにはエンジンの制御や事故防止などのためのソフトウェアが搭載されています

これは実際には数千行とか、時には数万~数十万行に及ぶ膨大なコンピュータ・プログラムです

このプログラムの中に、1カ所でも1文字でもバグ(プログラム上のミス)があれば、クルマが誤作動(暴走など)するかもしれません

みずほ銀行のすべてのATMが長時間使えなくなるといった、巨大銀行の経営を揺るがすような重大事件がときどき発生していますが、原因はプログラム中のピリオド(.)ひとつの打ち忘れかもしれません

人間はミスを犯す生き物ですから、バグは必ず発生します

このようなバグを発見するのは、数十巻もあるような大百科事典の中から、あるいは日本全国のすべての電話帳から、わずか1文字の誤字を発見するような気の遠くなる作業で、完全にバグをゼロにすることは、現実にはほぼ不可能です

誤作動が常に発生するのなら対処は比較的簡単なのですが、何らかのめったにない条件下でのみ誤作動するようなバグがあると、事態はますます深刻です

簡単なバグはすぐに除去(デバッギング)されるので、深刻なバグだけが残ります

そんな深刻なバグが原因で誤作動した瞬間(めったにない極めてレアな瞬間)に、たまたまクルマを運転していたドライバーは悲劇です

石川さんや飯塚さんが、そんな悲劇の主人公である可能性を、完全にゼロであると言い切ることは困難です

裁判の判決では両事件とも「運転者のミス」とされましたが、何か割り切れないものが残ります

さらに恐ろしいことに、今回の暴走事故は運転者が「上級国民」ということで社会の注目を集めていますが、これは氷山の一角で、じつははるかに多い数の交通事故で、バグによる暴走事故が「運転ミス」として処理されている可能性も有ります(えん罪)

運転者だけでなく、道を歩く歩行者も、常に周辺のクルマが突然暴走する可能性を考え、エンジンのかかったクルマのすぐ前や後ろを歩くことは極力避けるといった注意が必要になりそうです

これからクルマの自動運転が実用化されていくと、このバグ問題はますます社会の重大問題になっていくでしょう

最近注目されているAIの深層学習(deep learning)が、バグの除去に活用されて、デバッギングの自動化が広く実現すれば、将来への光明になるかもしれません

 

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石川飯塚両事件の経過比較(主にwikiより)

 

    • 石川達紘クサス暴走事件
      • 1939年4月4日生まれ、85歳、中大卒、元検事
      • 2018年2月18日に男性1人を車(レクサス)ではねて死亡させる
      • 2021年2月15日、東京地裁から禁錮3年執行猶予5年の判決
        • 自動車運転処罰法違反(過失致死)などの罪
        • 判決は、アクセルペダルの裏面にペダルが踏み込まれたまま衝突事故が起きた際に生じる傷痕が残っていたことに着目し、「車の不具合のみで事故が起きたなら傷痕が生じた理由の説明が困難」として、被告がアクセルを踏み込んだと認定
        • アクセルやブレーキがどう操作されたかを記録するレコーダーのデータが、事故発生前後にアクセルが強く踏まれたことを示していることも踏まえ、車の不具合はなかったと結論付けた
      • 2023年5月(事故発生から5年3か月)最高裁は石川の上告を棄却、禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決が確定
        • これにより石川は弁護士法の規定に基づき弁護士資格を失った
        • 同年8月8日付で瑞宝重光章返上
      • 2023年、石川は、暴走は車の欠陥が原因だったとして、製造元のトヨタ自動車と販売会社に5千万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に提起

 

  • 飯塚幸三池袋暴走事件
    • 1931年6月1日生まれ、2024年10月26日93歳没、東大卒、元研究者
    • 2018年に足を痛めて杖をつくようになった
      • 2018年ころ、通院先の医師はパーキンソン症候群と似た症状があると診断し、飯塚本人に「運転は許可できない」と伝えていた
      • 2019年の年明けには車の車庫入れも手こずるようになった
    • 2019年4月19日12時25分ごろ、池袋で乗用車の運転中に多重衝突事故
      • 豊島区東池袋四丁目の都道、東京メトロ東池袋駅付近の交差点
      • 2008年式トヨタ・プリウス (DAA-NHW20) が暴走
      • 暴走の原因は、ブレーキとアクセルを踏み間違えたこと
      • 母子2人が死亡し、運転していた飯塚と妻を含む10人(飯塚を除くと9人)が負傷
    • 東京地方裁判所における刑事裁判の争点
      • 被告人は「車に電子系統の異常が起き、ブレーキが効かなくなった」として無罪を主張
      • 検察官は「事故の原因は、被告人がブレーキとアクセルを踏み間違えたことだ」として、禁錮7年(法定刑の上限)を求刑
    • 2021年9月(事故発生から2年5か月)に禁錮5年の実刑が確定
      • 自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷罪)
      • 2021年9月17日付で瑞宝重光章を褫奪(ちだつ)
      • 高齢ドライバー事故への社会の関心を高め、自主返納が増加
    • 2024年5月時点で、関東地方の刑務所に収監中(詳細非公表)
    • 2024年10月26日に刑務所内で老衰により93歳没
      • 同年11月25日に報道された