70【浮き世】

狭く絞る

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今日は大学時代の二人の友人を引き合わせる、という役目を果たしました

一人は大学教授、もう一人は経営コンサルタントで、研究したいテーマがあるので、大学のドクターコース(博士課程)に入って研究したいと考えている

この時期なので、ZOOMでネット会議ということになり、私も紹介した手前、初めてZOOM会議というものを体験しました

スマホがあれば、誰でも参加できます

そこでコンサルタントが、ドクターコースで研究したいテーマなど話したのですが、教授からは

「テーマをもっと狭く絞る必要がありますね」

というアドバイスでした

学部やマスター(修士)ならいざしらず、ドクター(博士)ともなると、人類の知の外延を少しでも広げることが学位授与の要件となる

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それを成功させるためには、どんなに狭くてもいいから、他人のやっていない新たな研究テーマが必要になる(他人がやったテーマを、批判的に修正拡大するのはアリ)

狭く絞り込まないと、従来の「人類の知の外延」の内側に落ち込んでしまいやすい

まあこれって研究計画に限らない話で、事業計画でも、狭くて他社と競合しにくいニッチ・マーケットを攻略して、オンリー・ワンを狙った方が成功しやすいのと同じ

「テーマを狭く絞る」を徹底すると、一般世間から「専門バカ」などと呼ばれることもあるし、そこは専門と教養のバランスになる訳だけど、少なくともプロの研究者の世界では、「教養バカ」では通用しない

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文豪ゲーテは若い作家に対して常に

「大作に取り組むな!」

と諭している

若いうちは希望に燃えているので

「オレサマが取り組むからには、

 人類の重大テーマを作品化したいんだ」

などと野望をいだきがちだが、それは失敗しやすいよ、というのが老ゲーテのアドバイス

私は最近、

「天国の住人になりたい」

と考えているのですが、コリン・ウイルソンなど読むと、その秘訣の一つは

「関心(意識)を狭い対象に絞り込んで集中すること」

というのが指摘されている

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フッサールなどが言うように、人間の意識(感覚、五感)には「指向性」があり、対象を絞り込んで集中しないと「見て観えず、聞いて聴こえず」になりやすい

逆に意識を狭い対象に集中することで、それまで感じられなかった「真の現実感」が感じられるようになり、そこから幸福感が湧き出す(天国の住人になる)

これを「至高体験」と呼んで研究したのが、心理学者のマズロー

別に「人類の知の外延」を広げるとか、ニッチ・マーケットを狙うというような外面的な効果だけでなく、自己の内面の充実感を手に入れて「天国の住人」になるのにも、「狭く絞る」ということが、とても重要みたいです

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若いうちは自分が何をしたいのかよく分からず、いろいろ迷う訳ですが、その迷いの中で何かを見つけて、それに絞り込んで集中することで、人は成長し、充実感を手に入れるようです

なお、ゲーテは別なところで

「人は成長するかぎり、迷う」

「他人の道を上手に歩むより、

 自分の道を迷いながら歩め」

とも言っているので、迷うことは悪いことではなく、成長の証なのだとも言っています

私なんか、ずーっと迷いっぱなしなので、困ったもんなんですけど、これも一つの人生さなどと、最近は悟り(諦め)つつあります

なお、ZOOM会議って便利なので、これでネット飲み会やろうかな、と思っています

(^_^;)

 

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サッカー部の新ユニフォーム

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都立新宿高校サッカー部の新エンブレム及び新ユニフォームをデザインしました。

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また、4月末ごろよりスタートするインターハイ予選から袖を通す新ユニフォームのお披露目会が、4月15日に実施されました。

都立新宿高校サッカー部を普遍的に形作るものとして、これまで伝統ある新宿高校の先輩方が大切にしてきた「興国の鐘」(→)、日々の学校生活の象徴である「正門前のアーチ」、大都会新宿の真ん中にある「三角形の校庭」をモチーフに制作しています。

 

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▲新宿高校(旧制六中)の興国の鐘

 

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▲日本海海戦(日露戦争)における戦艦三笠と東郷平八郎 左上はZ旗

 

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やる気のある馬鹿

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昨日はひろゆき氏(2ちゃんねる創設者)のYouTube動画をいっぱい見ました

このひろゆきという人は、辛口で話し方が面白いので、YouTubeでは人気タレントなんですけど、いろいろ観てみると、ちゃんとした大人の良識をもった人で、非常にマトモなことを言ってるなぁと感じました

さてその中で、大塚家具の家具屋姫(大塚久美子)を論じている(disってる)上の動画が面白かったです

なにしろ父親が一代で築いた大塚家具という、黒字で含み資産たっぷりの優良大企業を、娘に甘かった父親から乗っ取り(父親を追い出し)、毎年トンデモない超巨額の大赤字(毎期数十億円)を出し続けて、わずか数年でヤマダ電機に身売りするところまで、大塚家具を徹底的に破壊し尽くしました

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聞くところによると、父親が育てた幹部社員でも、彼女に少しでも意見すると左遷されたりするので、優秀な社員がボロボロと辞めていったそうです

なかなか出来ることじゃないし、清々しい(すがすがしい)ほどの無能(馬鹿)です

信玄なきあと、あっという間に滅びた武田氏を連想します(武田勝頼は優秀だったという説も最近は有力ですが)

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ちなみに、この身売り買収先探しで、買収される側の大塚家具が当初出した条件は

「買収後も大塚久美子が社長をつとめる」

というものだったので

「もれなく久美子が付いて来る!」

と失笑されてました

なお、ヤマダ電機に買収された大塚家具は、早くも黒字化のメドが立っているそうです

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それで当然ですが、家具屋姫(大塚久美子)は大塚家具の経営陣から追い出されることになり(形式的には辞任)、いま新たにコンサル会社(クオリア・コンサルティング)を始めてるそうです

いくらなんでも、コンサルビジネスを、ナメ過ぎじゃない?

世の中には物好きな経営者もいるから、そんなにものスゴい無能なら一度呼んで顔を見てみたい、などという需要があるのかもしれませんけど

(^_^;)

 

伊豆漫玉エレジー

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昨年秋に読んだ桜玉吉のマンガ「日々我日記」の続編とも言うべき最新刊が出たようです

桜玉吉さんも還暦を過ぎて、カラダのアチコチにガタが来ているらしい

三鷹の漫画喫茶暮らしから一転、伊豆の一軒家へと居を移した玉吉先生の、悲哀に満ちた日常

実に味のある画風なので、早く読みたいです

(^_^;)

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読書 この人を見よ

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ニーチェが44歳で、発狂する直前に著した、自叙伝のような、一種の著作目録

このときのニーチェは理解者を失い、非常に孤独だったが、自分の思想の重要性は深く自負していたので、自分に注目しない世間に「私に注目せよ!」という叫びを発していて痛々しい

 1)噴出するような創造力

 2)同時代人に理解されない

 3)狂気と紙一重

という天才の3条件に見事に適合している

脳(おそらく右脳)から噴き出すような直観と情動を、知性(左脳)がかろうじて文章化したような作品群

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あの「ツァラトゥストラ」全4部を、各部10日程度で書き上げていることからも、その噴出の速さと激しさがうかがわれる

私はまだ「ツァラトゥストラ」と本書だけなのだが、激しく情動を揺さぶられるような読後感が残る

本書の読後に、手塚富雄「ニーチェの人と思想」(中公「世界の名著・ニーチェ」所収)を再読して彼の人生をたどり直してみたが、まさしく「天才はつらいよ」という悲壮感に満ちている

(^_^;)

 

 

PCから突然警報音

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 なぜこんな馬鹿げた請求に

  お金を払ってしまうのか?

 そんな気もしますけど

日本には人を疑うことを知らない人が大勢いて

 振り込めサギとかも まだ続いています

((((;゚д゚))))

 

旭川東警察署は4/11、上川管内に住む40代の男性が、架空請求被害にあったと公表しました。

4/11、男性がパソコンを使ってWEBサイトを見ていたところ、突然警報音が鳴り、同時に画面に電話番号が表示されました。

あわてた男性が表示された番号に電話をかけると、片言の日本語を話す女から、電子マネーを購入するように指示を受けました。

男性は言われた通りに、コンビニで複数枚の電子マネーを購入し、自宅のパソコンでコードを入力し、7万5000円をだまし取られました

不安に思った男性がその後警察に相談し、サギ被害が発覚しました。

警察では、身に覚えのない請求を受けた場合、家族や警察に相談してほしいと呼びかけています。

 

水月湖の年縞

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 木の年輪はせいぜい二千年くらい

  大自然が生み出した

 偉大なタイムレコーダーですね

  (^_^;)

 

年縞(ねんこう)とは、長い年月の間、湖沼などの底に堆積した土などの層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物のこと。

年縞堆積物とも称される。

英語の varve に対して、国際日本文化研究センターの安田喜憲名誉教授がつけた訳語である。

縞の1つは1年分の堆積層で約0.7ミリ。

水月湖の年縞は、過去の自然史を知る重要なサンプルである。

そこで数回にわたるボーリングが行われたが、岩盤までの年縞を途切れなく採取するのはきわめて困難で、やっと成功したのは2006年になってからだった。

水月湖の湖底には45メートル、7万年分の年縞が1年の途切れもなく残されていたのだ。

この年縞は、縞々に残る葉の化石が含む放射性炭素の量によって、世界のあらゆる歴史研究に欠かせない出土品の年代決定の「世界標準のモノサシ」に採用される栄誉を手にした(2013年)。

さらに、縞々に含まれる花粉分析によって過去7万年の緻密な気候変動を再現してくれるタイムマシンとしての発見も続いている。

こうして水月湖は、「奇跡の湖」と呼ばれるようになった。

 

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読書 シッダールタ

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ブッダ(ゴータマ・シッダールタ)の伝記小説かと思ったら、そうではなく、ブッダも登場するが、主人公シッダールタとは別人物

若き日に人生に悩み、出家して恵まれた生活を捨てるところはブッダと共通だが、その後の展開は還俗して恋をしたりカネを儲けたりと激動する

しかしシッダールタの心は満たされず、再び全てを捨てて、川のほとりで渡し守となる

鴨長明の「発心集」には、大きな寺の高僧(玄賓僧都、げんぴんそうず)がある日突然、全てを捨てて貧しい渡し守になる話が出てくるが、それが連想される

書物や人からではなく、川の流れから学ぶという考え方も、方丈記の「ゆく川の流れは絶えずして・・・」を思い出させる

人生に大切なことは、所有することでも、知ることでもなく、体験することにあると考え、ブッダのような悟りを追体験しようとして、シッダールタは苦闘する

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文学作品として非常に完成度が高く、小説でありながら詩のように美しい文章は、ノーベル賞作家ヘッセの、詩人としての才能が輝いている

キリスト教徒であるヘッセが書いているので、輪廻転生や涅槃といった仏教思想に、原罪や愛といったキリスト教思想が混入しているが、これはこれで面白い

(^_^;)

「荒野のおおかみ」へ

 

道頓堀 カニ看板 壊される 

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これ(→)のことかと思ったら違った!

被害額はせいぜい150万円だそうです

もちろん損害保険には入ってるだろうし

ニュースに出た宣伝効果を考えると

損害より利益の方がずっと大きいかも~

早朝でも人がかなりいたはずのエリアですが

中国コロナのせいで、ひっそりしてますね

(^_^;)

 

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大阪・ミナミにあるカニ料理の飲食店で4/5、カニのオブジェが壊される被害があり、防犯カメラに犯行の一部始終が映っていました。

4/5の午前5時前の道頓堀商店街です。

犯人の男2人が、カニ料理店のオブジェを蹴ったり、揺らしたり。

そして最後には、引き倒して逃げていきました。

カニのオブジェは、高さ約3メートル、重さ100キロほど。

製作には150万円ほどかかり、5年前の開業当初から店のシンボルになっていました。

「こういうご時世で、みんな苦労してるじゃないですか。

 人として絶対許せないですね。

 営業時間短縮で人が少なくなってるわけじゃないですか。

 目撃者もそれだけ少ないわけですから、やりたい放題ですよね」

 (大阪かに源・武田源社長)

警察が器物損壊の疑いで捜査しています。

周辺では4月、ビルのエレベーターのボタンが壊されるなど被害が相次いでいて、警察が関連を調べています。

 

読書 荒野のおおかみ

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自分は人間ではなく、荒野から出てきたおおかみだということを、心の底でいつも知っていたという男の告白の体裁をとった、ヘッセの内面的な自伝

コリン・ウイルソンの言う「アウトサイダー」の典型の、その生きづらい人生を克明に描写している

今では常識化しているが、ごく大雑把に言うと、人間は右脳と左脳が機能していて、右脳が情動(無意識)、左脳が理性(意識)を支配している

多くの人は、この2人の支配人の間で、何とかバランスをとって生きているが、特に脳が肥大化した人(いわゆる天才)にあっては、このバランスが崩れ、自意識が過剰化し、いわゆる精神の分裂状態を招きやすい

クレッチマーの気質分類(↓)に無理に当てはめると、右脳優勢が粘着型、左脳優勢が分裂型、ほぼ拮抗してるのが循環型かな?

右脳左脳論が流行するよりもずっと前、ウイルソンが「アウトサイダー」で文壇に華々しく登場するよりも前に、天才ヘッセは人の脳の複雑な多重構造に着目していた

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ヘッセに言わせれば、人の精神の分裂は2つだけに限られず、実は非常に多くの人格に多重分裂しており、その不安定な統合体が人間であるとしている

人間の意識の多重性や奥深さには、古来多くの文学者や哲学者が着目してきた

古くはブッダもこの点に着目し、非常に深い認識論を展開しているようだ

(^_^;)

 

▼クレッチマーの気質分類

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