読書ノート

読書 フランケンシュタインの城

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大学時代、工学部だったので、「意味の欠乏」に悩んだ記憶がある

工学部は、科学技術を用いて世の中を変革するための方法を研究をする場所だ

そこでは主に「方法」が議論され、「意味」はほとんど議論されない

方法の議論とは、HOWの追求(方法論)であり、そのためには世界の成り立ちを「原因と結果」の連鎖として解明し、その一方の究極は宇宙成立のビッグバンにまで及ぶ

意味の議論とは、WHYの追求(意味論)であり、世の中を「目的と手段」の連鎖として解明し、広くは人類や宇宙の存在にとって、狭くは自分ひとりにとっての、存在や行動の意味(価値)の中身を明らかにしようとする

毎日、詳細な工学的方法論を頭に詰め込んでいると、「いったい、これらは何のためにあるのか?」ということが気になってくるのだが、そのような哲学的な意味論は自然科学の対象外であるとして、工学部では余り議論されないことになっている

という訳で、若かりし私は、「意味の欠乏」に悩んだ

まったく同じような生活環境や状況に置かれていても、そこを天国と感じている人もいれば、地獄と感じている人もいる

「天国は人の心の中に存在する。地獄もまた同様である」

と言われるが、まったくその通りだ

毎朝目が覚めると、今日もまた天国のような世界で活動できることに喜びを感じ、ワクワクしながら生きている人がいる

毎朝目が覚めると、今日もまた地獄のような一日かと感じて、会社や学校へ行くのにもウンザリして、生きることに何の喜びも興味も感じない人がいる

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世界の受け止め方における、この大きな違い(天国と地獄の違い)を生じさせているものは、いったい何だろうか?

言うまでもなく、それは人の心(脳)であり、「意識」と呼ばれている

本書は副題にもある通り、その意識のメカニズムを明らかにしようとしており、これは著者コリン・ウイルソンが生涯をかけて追及したテーマでもある

(^_^;)

 

読書 超越意識の探求

35260674人生は素晴らしいという感覚、毎日がワクワクするような感覚を、著者コリン・ウイルソンは「超越意識」と呼んでいる

マズローの心理学における「至高体験」と似た感覚

人の意識には、いろいろなレベルがあり、ほとんど寝ているようなレベルで受動的にボォーっと生きている人もいれば、その反対に非常に高い創造性と幸福感に包まれて生きている人もいる

この違いは何なのか?というのが本書の問題意識であり、著者が人生をかけて追及してきたテーマでもある

とてつもなく大きな業績を達成した人を見ると、人間の潜在能力の可能性に目を開かれる想いがすることがある

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そのような人に共通しているのは、「意味の感覚」であって、人は意味を感じた目標に集中する時、人間離れした非常に高いパフォーマンスを発揮することがある

この状態を「自己実現」と呼ぶこともある

たいていの人は、潜在能力の何分の1、何十分の1の低いレベル、つまり自己実現から遠く離れたレベルで生きている

では、どのようにすれば「意味の感覚」をつかみ、人生は素晴らしいという感覚、毎日がワクワクするような感覚の中で生きることが出来るのか?

それをなるべく分かりやすく、マニュアル的に説明しているのが本書なのだが、私もまだ十分に理解し切れていないようで、うまく要約できません

もっと興味のある方は、本書を読んでみてください

(^_^;)

 

読書 荘子ヒア・ナウ

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詩人・加島祥造が、老子と荘子を、かなり自由に(換骨奪胎して)翻訳、詩にしている

儒教を中国の表の思想とすれば、老荘は裏の思想

儒教を職場で着るスーツとすれば、老荘は家に帰ってのんびり着る浴衣(あるいはパジャマ)といった感じ

西洋思想が自己と自己を取り巻く世界(宇宙)を対立させて考えるのに対して、東洋思想は自己と宇宙の一体化を理想とする傾向がある

この一体化した境地を、老荘では「無為自然」と呼んでいるようだ

宇宙の原理(道=タオ)を信頼して我が身をゆだね、余計なはかりごとをしない生き方

インド哲学(ヒンズー思想)でも、自己意識の核心(アートマン)が宇宙の根本原理(ブラフマン)と一致すること(梵我一如)を理想としており、よく似ている

詩人の優しい詩で語られる老荘思想は、読んでいて楽しい気分になる

(^_^;)

読書 ヒルティ「幸福論」

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「眠られぬ夜のために」で有名なカール・ヒルティの幸福論

大学時代に読んでから、ずっと座右の書

当時の最高裁の裁判官だった人が、新聞の書評欄で勧めていたので読んでみた

第一部には8つのエッセイが入っているが、その一つ「エピクテトス」が素晴らしい

ストア哲学の真髄が、短く分かりやすい文章で、淡々と述べられている

他に「良い習慣」「時間のつくり方」「仕事の上手な仕方」など、実用的な知恵に満ちている

ただ、「言うは易く行うは難し」で、なかなか本書に書いてある通りにするのは、簡単じゃないんだけどね

(^_^;)

読書 仕事で使えるGoogleドライブ

仕事で使える!Googleドライブ クラウドストレージ徹底活用術 (仕事で使える!シリーズ(NextPublishing))_01

クラウドサービス最大手の一つであるGoogleドライブの活用法マニュアル

個人レベルのクラウド活用では

PC内データのバックアップ

データのモバイル利用(スマホ等)

が主となるが、組織でクラウドを活用する場合

データの共有(グループワーク)

が加わり、必然的に

データ・セキュリティの強化

が必要になる

本書は、Googleドライブを利用した、組織内のデータ共有とグループワークの運用方法について説明しており

実際に活用している企業の事例紹介

があって面白い

中には毎月の固定費を10分の1に減らした企業もあり、うまく活用すれば競争戦略上の強力な武器になり得る

中国コロナのせいで在宅ワークが増えており、企業にとっては切実なテーマだ

(^_^;)

 

読書 怖いマイナンバー

これだけは知っておかないと怖いマイナンバー_01

マイナンバーカードは、社会保障や税に関する事務効率化ツールとして非常に便利なのだが、便利なものにはリスクが伴う

そのリスクについて、弁護士が説明している

カードを保有する個人が気を付けるべき点としては、個人番号(マイナンバー)をむやみに他人に知らせないことに尽きる

すでに「マイナンバー占い」と称するWEBサイトも出来ているそうだが、うっかり個人番号を入力すると、悪用されるリスクがある

カードを身分証明書として利用する場合、裏面の個人番号部分をコピーされたり記録されたりすると危険なので、個人番号部分にシールを貼っておこうかなとも考えている

個人番号は社会保障や税の事務手続きに使うので、企業の人事部門にとっては細心の注意が必要になる

従業員から収集した個人番号が目的外に悪用されたり、外部に漏れた場合、厳しい刑事罰(懲役など)が科せられる

(^_^;)

 

読書 幸福について

ショーペンハウエル 幸福について★★★ _01

世の中には幸福論と称するものが数多あるが、私はこれがベストだと思っている

客観的に優れた本かどうかより、これは私に合っているなぁという感じ

もう何度も読み返している座右の書で、今日もまた読み返してみた

ショーペンハウアーというと、悲観主義などと呼ばれることもあるが、別に暗い顔をして生きることを勧めている訳ではなく、

「朗らかさは人生最大の財産だ」

と言っている

彼の哲学が悲観主義と呼ばれるのは、

「幸福は幻想だが、苦痛は現実である」

という極めて冷めたリアリズムに基づき、幸福など追求するな、苦痛から逃れることだけを考えよと説いているためだろう

人間は、いろいろな目標(夢)を持つ

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あの学校に入学出来たら、あの賞を受賞できたら、あの人と結婚出来たら、一戸建ての自宅を手に入れたら、社長になれたら、自分の会社を上場できたら、・・・

そして目標が実現した時に、自分がどれほど幸福になれるかという夢を心の中に描いて努力する

しかしいざ目標が実現してみると、幸福な気分になれたのは目標達成の直後だけで、やがて夢は色あせてくる

これは厳しい現実だが、こんなことを指摘したら夢を持つ若者が少なくなるから、彼の哲学が悲観主義と呼ばれるのも分かるし、あえて言えば「老人向きの哲学」なのかもしれない

ポジティブ・シンキングの成功哲学とは対極にある哲学だ

人間がなかなか幸福になれない原因に、自分の自由にならないものの存在がある

その最大のものは、運命と他人の2つだろう

この2つが、人間の幸福の邪魔をし、苦痛を生み出す原因となる

この2つにいかに対峙するかが、本書の主な内容になっている

彼の主著は有名な「意志と表象としての世界」で、彼の哲学はほぼこの1冊に尽きており、本書はその残りかすのようなものだと彼は言っているが、残りかすの方が読みやすいし役に立つような気がする

(^_^;)

 

読書 Dropbox厳選テク27

知らないと損する!Dropbox厳選テクニック27 (impress QuickBooks)_01

昨日のDropBox基本編に続き、今日は応用編

DropBoxで利用可能な応用サービス(付加機能)を27種類リストアップして説明している

PCのブラウザに拡張機能を入れたり、スマホに追加アプリをインストールしたりして使う

PC、スマホ、WEBサービスなどの世界は、とにかく機能過剰の傾向があり、何でも入れていると人生が複雑化してしまう

かと言って、とても便利な機能があるのに知らずにいて使えないのもクヤシイ

まさに本書のタイトルの通り「知らないと損する」といった感じだ

だから、現在どんなサービス(機能)が使えるのか、自分にとって利用価値のあるのはどれかを、ときどきリサーチして選別する必要がある

何しろ日進月歩(秒進分歩)の変化の激しい世界なので、本書に紹介されたサービスの中でも、すでに提供が終わったものや機能が変化したものもある

スマホで使う機能では、全般にアンドロイドでもアイフォンでも使えるけど、自由度の高いアンドロイドの方が、応用機能を活用するには少し便利かな~という印象

(^_^;)

 

読書 はじめよう!Dropbox

はじめよう! Dropbox★2101  クリエイティブなあなたのための入門書_01

DropBoxは、クラウド・サービスの一種で、使い勝手が良いので利用者が多い

主にPCの重要データのバックアップ用として、数年前まで容量1TB(1000GB)月1000円くらいで利用していたが、マイクロソフト社のOneDriveが容量1TB月600円くらいだったので、乗り換えて今に至っている

毎月着実に出ていくお金(固定費)は、1円でも安い方がいいからね

でも、両方使ってみて分かったけど、DropBoxの方が使い勝手が良い

それで最近、また調べてみたら、DropBoxが2TB月1200円くらいになっていた

しかも3年分前払いすると月800円くらいになる

これだとOneDriveの月600円に200円足せば、容量が2倍になって使い勝手も向上する

3年たつうちにOneDriveも値下げするかもしれないけど、先のことは分からない

たった1年前には、中国コロナで世界がここまで滅茶滅茶になるとは思わなかった

それに、OneDriveの使い勝手がDropBoxより良くなる可能性は、非常に低いと思う

そんな訳で、いまDropBoxへ再び乗り換えようと考えているので、最新の「DropBoxの使い方」(本書)を読んでみた

この本は、完全に初心者向きに書かれているので、たぶんPCが使えるなら小学生でも理解出来そうなほど、ものすごく易しく書いてある(スマホだけしか使えない小学生には、少し難しいかな)

それでも、セキュリティ確保のための二段階認証の説明は大いに参考になった(私は現在、まだ一段階認証しかしていない)

クラウドにデータを置くメリットは、次の2点

1)家が火事になってPCが燃えても、データは安全

2)外出中もスマホからPCデータにアクセスできる

永井荷風は東京大空襲で偏奇館が炎上し、書斎と蔵書を失ってから創作意欲が著しく減退し、悪く言えば「生きるシカバネ」になった

いま、本や書類はスキャンしてデジタル化しているので、火事になっても情報は残る(本人が焼け死んだら意味ないけど)

東京の狭い家に住んでると、本の置き場がいらないのも大きい(本をスキャンするには、それなりに手間と時間がかかるけどね)

それに外出中もスマホから蔵書を読めるので、紙の本を持ち歩く必要がなくなり、旅や散歩で荷物が軽くなって助かる

(^_^;)

読書 DIYの裏常識

DIYの裏常識【合本】3冊セット ~ 日曜大工や電子工作の基礎知識、定番工具から最先端便利ツールまで_01

子どものころから機械をいじったりするのが好きで、模型工作とか楽しんでいた

中学生のころは、当時はやっていたアマチュア無線にもハマり、無線機の部品集めで毎週のように秋葉原に通っていた

母方は代々、大工の家系なので、職人のDNAかもしれない

今でも自宅に電動ドリルとか、一通りの工具をそろえて、家の中を改造したりするのが楽しい

いわゆるDIY(Do It Yourself、日曜大工)なのだが、YouTubeには、DIYで色々なものを作る動画がアップされていて、職人スピリッツを刺激される

そんな訳で、最新のDIY工具が今どんな感じなのかを概観しようと思って読んでみた

中国製も入ってきているので、驚くほど安く買える工具も多く、新しい工具をそろえて本格的にDIYを始めようかなと思っている

(^_^;)