43【文学読書】

荷風64歳の大みそか

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 断腸亭日乗、昭和17年大みそかの日記

  荷風数え64歳 戦争で生活しにくさが増し

 長生きはしたくなし などと言っている

  でも79歳まで生きたけど

 (^_^;)

 

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▲荷風とお歌

荷風が芸者であった関根歌(芸者名、鈴龍、すずろう)を身請けするのは、荷風48歳(昭和2年)のときである。

映画「濹東綺譚」にも、「おうた」として登場する。

断腸亭日乗によれば、自分はすでに老いたので妾を囲うこともないが、21歳のお歌がしきりに芸者をやめたいと願うし、借金もわずか五百円程度だから身請けしたとしている。

だが、それは照れ隠しで、老境にさしかかった荷風(当時の48歳は初老)は、若いお歌に惚れた。

40年以上続いた荷風の日記「断腸亭日乗」の面白いところは、荷風が人を褒めなかったこと。

いや、けなしてばっかりだ。

その荷風が日乗で褒めた回数を数えたことはないが、荷風の研究家によれば、10回にも満たないらしい。

その荷風が珍しく、お歌を褒めている。

お歌は、荷風が足掛け5年間に渡り、最も長く付き合った愛人で、荷風はお歌のことを、

「最近では、かくの如き妾気質(めかけかたぎ)も珍らしき(中略)

 かくの如き可憐なる女に行会いしは、誠に老後の幸福といふべし」

 (『断腸亭日乗』 昭和3(1928)年2月5日)

と、荷風らしい言い方で最上級の賛辞を与えている。

さらに荷風は、お歌が世の悪風に染まらず、活動写真も好まず、針仕事や拭き掃除に精を出し、一日中たすきを外すことがなく、昔より下町の女によく見られる世帯持の上手なる女のようだ、などと褒めまくるのである。

これは、荷風とお歌の相性がよかったのではないかと思う。

いかにカサノヴァ荷風とはいえ、富松や八重次のような本物の芸者(芸のある玄人)と毎日膝を突き合わせていれば、疲れるのかもしれない。

それに対し、お歌のように日陰者でありながら着物の一枚も欲しいと云わない女性は、荷風にとって砂漠のオアシスのようなものであったのだろう。

だから、お歌が勤めていた川岸屋(芸妓屋)があった麹町3番町(現在の九段そば)の近くに最初は間借りさせていたが、荷風が住んでいた偏奇館のそばに移らせている。

現在の六本木一丁目あたり、日比谷線神谷町駅の近くの2階建て。

何も荷風の自宅である偏奇館の近くなら、一人暮らしの自宅に同居させればよいと思うのだが、偏奇館は世間に知られていたから都合が悪く、荷風はお歌の引越先を隠れ家として「壺中庵」と名付けた。

荷風は若いころ、慶応大学文学部の教授をしていたが、妾宅から教室へ出かけることも多かった。

日乗には壺中庵記として、陽が高くなっても

「雨戸一枚、屏風六曲のかげには、不断の宵闇ありて、

 つきせぬ戯れのやりつづけも、誰はばからぬこのかくれ家」

とある。

淫靡な世界が垣間見れる、さすが荷風先生。

だから、お歌が待合を持ちたいと望んだときの荷風は、新婚の亭主のように、お歌のために炊事道具や客用の食器などを揃える。

ところが、そのお歌との蜜月も3年で終わる。

結局、荷風は一か所に停泊する船ではなかった。

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* * * * * * * * * *

 

上の文章では、荷風がお歌に飽きて捨てたような印象を持つかもしれないが、実はお歌には年齢の近い恋人が出来ていた

しかし世話になった荷風にそれを切り出しにくく、ついに仮病を使って、荷風に諦めさせる作戦に出た

荷風はお歌を心配して知人の医者に見せるが、なんとお歌はその医者をもダマし通して、「もう長くはあるまい」などという誤診をさせる

まったく

「恋愛において、女は常にプロだが、男はアマチュアである」

というフランス人の言葉が思い出される

しかし別れた後も荷風とお歌は、時々会って旧交を温め、荷風が亡くなるまで、大人の関係を持続させている

いい話だなぁ

(^_^;)

 

青銅器が作れる

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 発見当時は 卑弥呼のいた邪馬台国か!

  と大騒ぎになった吉野ヶ里遺跡

 歴史オタクには たまらない魅力です

  (^_^;)

 

吉野ヶ里遺跡、1月〜2月限定で本物の青銅器作れるから超オススメ…

なんなら来年も行きたい…

鏡は超磨いたら写真(↓)みたいにピカピカになるよ…

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読書 人生の短さについて

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著者セネカは、1世紀に生きたローマ帝国の政治家で、ストア哲学を代表する人物

人生は短いのではなく、我々が雑用で人生を浪費しているのだと説いて、「多忙なる怠惰」を戒めている

明日死ぬつもりで今日を生きよ」というのは、ガンジーの言葉にもあるが、哲学の一つの到達点だろう

表題作のほかに「心の平静について」「幸福な人生について」が収められている

禁欲主義のストア派も、快楽主義のエピクロス派も、最終的に目指すところは、この「心の平静」というところに落ち着いているのが面白い

当時のギリシャ・ローマの時代精神を感じるし、時代を超えた普遍性をも感じる

本書を最初に読んだのは今から四半世紀前で、その後も折に触れて読み返し、今また読み直している

(^_^;)

 

読書 パソコン音楽制作入門

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DTM(デスク・トップ・ミュージック)という、パソコンだけで行う、音楽の演奏や作曲のソフトがあるというので、その入門書を読んでみました

まあ言ってみれば「音楽のワープロ」といった感じでしょうかね

ワープロの使い方を覚えたからといって、すぐに小説を書ける訳ではないですが、文章の作成がいろいろと便利になります

同様に、パソコン音楽制作ソフト(DTMソフト)の使い方を覚えれば、すぐに「作曲」が出来る訳ではないが、音楽をいろいろといじくって遊ぶのは楽しそうです

まずDTMソフト「Studio One」が必要になる訳ですが、何と無料で入手できます(機能が充実した有料版もあるらしい)

本書の第1章は「DTMとは何か?」で、次の第2章がDTMソフト「Studio One」のダウンロードとインストールの仕方を説明しています

ダウンロードサイトの内容が変化しているようで、本書の説明とは多少異なるところもありましたが、さほど苦労なくダウンロードとインストールが出来ました

かなり巨大なソフトのようで、ダウンロードに光回線でも何分もかかりました

それで第3章は、「Studio One」の基本操作の説明です

ドラム、ベース、ギターなどの各パートのお試しブロックが用意されてるので、それらを適当に譜面上にアレンジしてやれば、何となく「曲」のようなものが出来上がります

ほとんどマウスだけで操作できる、お手軽お遊びモード

ここまでが本書の前半で、本日はここまで読んでオシマイにしました

本書の後半、第4章からは、各パートの細かい説明に入るみたいです

無料版とはいっても、かなり機能が豊富で、操作方法を一通り覚えれば、いろいろ楽しく遊べそうです

なお、下のサイトを見れば、この本を買わなくても済みそうです

https://sleepfreaks-dtm.com/category/for-beginner-studioone/

「Studio One」でググれば、もっといろいろ情報がありそう

(^_^;)

 

▼「Studio One」の基本操作画面

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読書 努力論

超訳 努力論_01

幸田露伴というと、尾崎紅葉とならぶ明治の文豪というイメージが強いけど、こんな成功哲学のような本も書いてるんですね

とにかく徹頭徹尾、努力の大切さを説いている

江戸時代の「殿様の子は殿様、足軽の子は足軽」という封建制度の呪縛から解き放された日本人の、努力して能力を発揮すれば上昇できるという明治の時代精神が感じられる

現在の日本は成熟した先進国なので、ちょっとシニカルな時代精神もあって、真正面から努力を礼賛するのを恥ずかしく思うような雰囲気もあるが、本書の努力論は清々しいほど単刀直入に、努力することを勧めている

原文は明治時代らしく、漢語が多用されていて読みにくいので、現代日本語に「翻訳」されていて、非常に読みやすくなっている

(^_^;)

読書 マイナンバー制度

大事なことだけすぐにわかる マイナンバー制度_01

マイナンバーカードを作ったので、使い方の注意点などを知ろうと思って読みました

特に驚くほどのことは書いてなかった

マイナンバーカードを作って、役所の窓口で受け取ろうとしたら(郵送は出来ないみたい)、窓口の予約がビッシリ埋まってて、なかなか予約できませんでした

コロナで全国民に10万円を配った影響で、カードを作ろうと考えた人が多いのかな

(^_^;)

玄関マーキング

玄関マーキング

自宅の玄関やポストに「〇」や「×」のようなマーキングサインは残されていませんか?

実は、それらのマーキングによって、あなたの生活情報が空き巣や訪問販売員に駄々洩れになっている可能性があります。

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読書 老年について

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ローマのストア哲学者を3人選ぶなら、エピクテトスとマルクス・アウレリウスが来て、3人目がセネカかキケロかな

キケロは雄弁家として切れ者なんだけど、ややクセの多いところが嫌われやすい

そのキケロが、大カトー84歳の口を借りて、若者2人に向かって、老年の何たるかを語らせています

時代は紀元前2~3世紀、日本では縄文時代が終わり、弥生時代が始まったころ

さすがにローマ帝国の超大物政治家である大カトーですから、老いてますます盛ん、弱ったところなどまったく見せず、むしろ「老いを楽しむ」余裕さえ感じさせます

特に、老年は「欲望の鎖」から解放された自由な年代であると主張しています

と言っても、大カトーは80歳で次男を儲けていますから、なかなか精力旺盛でした

良いもの(健康とかお金)について、

「有る時は大いに使え、無い時は強くは求めるな」

としているのは、いかにもストア哲学者キケロらしい

「死によって魂が消え去るなら、死は無視すれば良い。

 魂が不滅なら、死を待ち望むべきだ」

とも言っている

まだキリスト教が登場する以前だから、最後の審判のような話は出て来ない

本書の中の言葉ではないが

Live as if you were to die tomorrow. 明日死ぬかのように生きよ

Learn as if you were to live forever. 永遠に生きるかのように学べ

という言葉を思い出した

いま調べたら、ガンジーの言葉だそうです

(^_^;)

 

 

 

ジェネリックで死者

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 このような不安は

  前から言われてました

 私はジェネリックではなく

  正規品を利用しています

 (^_^;)

 

医師のおおたわ史絵氏(57)が12日、ブログでジェネリック(後発医薬品)の死亡事故に言及した。

皮膚治療薬(経口薬)も睡眠導入剤の成分が混入し、この薬を服用していた患者1人が死亡した。

薬を製造した製薬会社が11日発表した。

皮膚治療薬に向精神薬に使用されるベンゾジアゼピンが混入されていた問題についておおたわ氏は

「水虫の薬でまさかベンゾジアゼピンが混入しているとは誰も予想しないです」

と驚きを隠せない様子だ。

その上で

「患者さんが命を落とすとは…ジェネリックと言う選択肢がこの国に現れてから ずっと不安でした。多数の工場やメーカーが参入するほど、監視の目が行き届かなくなるからです。『全く同じ成分ですよ』と思わせた宣伝文句にも大きな問題があったと思う」

とジェネリックの問題点を指摘した。

ジェネリックは先発医薬品と全く同じものだと認識している人も多いが

「私は患者さんに聞かれたときは必ず

『有効成分は同じ配合ですが、材料も工場も

 それぞれ異なるところで作られています。

 だから厳密には効き目や副作用には違いがあると思います。

 いいものもあれば、そうでない面もあるかもしれません』

と説明しています」

と必ずしも同じものではないことを解説。

価格が安いのも事実だが

「お金を払う患者さんにとっては値段は重要ですから、

 ジェネリックを選ぶ自由はあります。

 ただこの自由が問題です」

という。

最大の問題は

「1つの薬に対してジェネリックは5つも10も存在することがあります。

 そのどれを選ぶか? 

 選択権は患者さんにはありません。

 実は我々医者にもありません。

 選択権を持っているのは薬局です。

 どこのメーカーのジェネリックを採用するかは薬局の裁量にかかっています」

という点だという。

続けて

「薬剤師さん達もそれぞれ情報を吟味しながらジェネリックの採用に踏み切っていることと思いますが、今回のような工場側の不正があると薬局側も大変困惑するでしょう」

と今回の問題の影響を懸念している

その上で

「みんな被害者です。ジェネリックと言うお財布に優しい自由。聞こえはいいけれど、医者も患者も選択権を持っていない それが本当に自由なんだろうか? 我々医師はみんな いつかこんな事故、事件が起きると不安に思っていました。これ以上、不幸が続きませんように」

と結んでいる。

 

* * * * * * * * * *

福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した爪水虫などのジェネリック治療薬に睡眠導入剤の成分が誤って混入し、服用した患者1人が死亡した問題。

同社の小林広幸社長は12日、報道陣の取材に応じ「重大な過失を犯したことを深くおわび申し上げる。責任を痛感している。会社全体で償っていく」と謝罪した。

同社によると、死亡したのは、首都圏の病院に入院していた70代女性。
睡眠導入剤「リルマザホン塩酸塩水和物」が誤って混入した経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号T0EG08)を服用した。
同社が死亡との因果関係を調査中。
 イトラコナゾール錠50「MEEK」はジェネリック医薬品。小林社長は「ジェネリックの信頼に大きな影響を与え、深く反省しています」と述べた。
同社や県によると、健康被害が報告された133件のうち、救急搬送・入院が確認されたのは34件だった。
服用者の車などの運転による事故は16件発生したという。
 県は9日、同社工場に立ち入り、混入の経緯などを聞き取るなどし医薬品医療機器法違反に当たるかを調べている。
 同社によると、混入した睡眠導入剤の成分は1錠あたり5ミリグラムで、睡眠導入剤としての通常の最大使用量(2ミリグラム)の2.5倍に当たる。
多い人で1日に8錠服用するケースもある。

 

読書 仕事で使えるGoogleドキュメント

仕事で使える!Googleドキュメント Chromebookビジネス活用術 2017年改訂版 (仕事で使える!シリーズ(NextPublishing)_01

Googleドキュメント」はクラウドベースの文書作成ソフト

マイクロソフト(MS)社の稼ぎ頭であるOFFICEのワープロソフト「WORD」に対抗して登場

無料で提供することにより、MS社の糧道を絶とうという戦略だろう

「WORD」が元々はPC上のスタンドアロン的なソフトだったのに対して、「Googleドキュメント」は当初から徹底的にクラウドが前提となっている

特に組織メンバーが共同で文書を作成編集したり、プロジェクトを進めたりするときに、その中心に「Googleドキュメント」が位置するように設計されている

まだ登場したばかりで、これから改善の余地は多々あるだろうが、確かに組織の知的生産性を飛躍的に高める可能性は、十分に秘めているように感じる

個人的には、「Googleドキュメント」に標準装備されている音声入力機能に魅力を感じている

試しにPCにマイクをつないで、文章を自分の声で入力してみたのだが、静かな部屋の中なら、驚くほど正確に文章化(テキスト化)してくれる

使い慣れれば、キーボード入力の手間を劇的に減らせるのではないかと期待している

(^_^;)