海外旅行でいろいろな国の名所旧跡を巡るのは楽しいが、やがてそのような文化を生み出した国民性や民族性に興味が移って来る
同じように歴史を読んでいると、華々しい事件や変革の背後にある時代精神のようなものが知りたくなる
特に中世と言われる時代には、日本でも西洋でも、現在とはかなり異なる世界観や人生観、価値観があったはずだ
表面的に現代と比べると、かなり厳しい、つらく苦しい時代に見えるが、当時の人々は我々の住む現代(つまり彼らにとっての未来)のことなどまったく知らないし、今が「中世の暗黒時代」だと思って生きていたはずもない
そんな中世に生きた「ふつうの人々」の日常生活や心のヒダを探ろうとするエッセイ集
彼らは、どんなことを生きがいにして、何を恐れ、何を楽しみにして毎日を生きていたのか、それが少しずつ見えてくる
著者はドイツ中世史が専門の歴史学者で、一橋大学の元学長
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