読書 ねむり姫の謎

浜本 ねむり姫の謎 糸つむぎ部屋の性愛学  -_01

「中世の暗黒時代」に、人々は何を楽しみに生きていたのか?

テレビも無い、本も無い、遊びに行く繁華街も無い中世ヨーロッパの田舎に生きる貧しい農民たちにも、楽しみの空間はあった

それが、糸つむぎ部屋

古くから糸つむぎ(綿花から糸を作る作業)は女性の仕事とされ、退屈な作業のウサ晴らしに、若い女たちは村の糸つむぎ部屋に集まって糸をつむぎ、その合間にいろいろウワサ話などオシャベリを楽しんだ

糸つむぎに行くと言えば、親たちも余りうるさいことを言わないので、それを口実に堂々と外出できた(親たちも若い頃、同じことをしていた)

若い女が集まっていれば、それ目当てに村の若い男も集まって来て、糸つむぎ部屋は若い男女の出会いの場となった

やがて男女の会話や歌や飲食、ダンスの場となり、キスや抱擁が始まり、時には乱交パーティーにも似た雰囲気になった

「暗黒時代」どころか、けっこう楽しそうだね

グリム童話に代表される、中世からの言い伝えは、糸つむぎ部屋を背景とする話が多い

性的な乱れを嫌う教会は、ときどき禁止令を出したりするが、まったく徹底されない

近代になって糸つむぎの場が工場に移るにつれて、村の糸つむぎ部屋は消えてゆく

日本の田舎でも、若者部屋とか夜這いの習俗は、つい最近まで残っていた

(^_^;)

 

読書 無縁・公界・楽

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直前に読んだ「中世の星の下で」はヨーロッパ中世を扱っているが、本書は日本の中世を支配していた原理「無縁」をテーマとして、歴史を見るための一つの画期的な視点を導入している

左の本書表紙にもあるが、日本の古い絵画を見ると、横長楕円形がいくつか集まった「雲」のようなものが描かれている

これは当時の人々にとって「よく分からない世界」のシンボルだったのかもしれない

現代の自然科学万能の世界観からは想像しづらいが、中世までの世界は人間が支配した世界と、まだ人間支配に属していない「よく分からない世界」に分かれていた

人間支配に属した世界は、誰がその世界の主(支配者)であるかを明示された「有縁」の世界であり、それ以外の「よく分からない世界」は「無縁」とされた

大雑把に言えば、有縁の世界とは律令制で区画された農地であり、無縁はそれ以外の世界だった

有縁の民(百姓)は土地の支配者に隷従し、土地に縛り付けられた不自由な民だったが、それ以外の無縁の民(職人、商人、芸人、神職など)は、相対的に自由な民だった

それは支配者にとって不都合なことだったので、無縁の民は農民よりも下とされて、差別の対象となることも多かった

まさに「士農工商」なのだ

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子供の遊びに「えんがちょ」というのがある

「えんがちょ」でつかまっても、「えんきった!」と宣言すると自由になる

これは「縁切った」であり、有縁(被支配)から無縁(自由)への移動宣言であると著者は指摘する

明治維新直前まで続いていた駆け込み寺は、当時の女性の離婚権にかかわる重大な存在だが、その根源は「縁切った」にあるらしい

現在でも、有縁の民(サラリーマン)と、無縁の民(自由業)の区分は、生きているのかもしれない

(^_^;)

 

 

読書 中世の星の下で

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海外旅行でいろいろな国の名所旧跡を巡るのは楽しいが、やがてそのような文化を生み出した国民性や民族性に興味が移って来る

同じように歴史を読んでいると、華々しい事件や変革の背後にある時代精神のようなものが知りたくなる

特に中世と言われる時代には、日本でも西洋でも、現在とはかなり異なる世界観や人生観、価値観があったはずだ

表面的に現代と比べると、かなり厳しい、つらく苦しい時代に見えるが、当時の人々は我々の住む現代(つまり彼らにとっての未来)のことなどまったく知らないし、今が「中世の暗黒時代」だと思って生きていたはずもない

そんな中世に生きた「ふつうの人々」の日常生活や心のヒダを探ろうとするエッセイ集

彼らは、どんなことを生きがいにして、何を恐れ、何を楽しみにして毎日を生きていたのか、それが少しずつ見えてくる

著者はドイツ中世史が専門の歴史学者で、一橋大学の元学長

(^_^;)

 

読書 すてきな旅「フランス」

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1964年に出た、歴史や文化に詳しい旅行ガイド

半世紀以上前に定価2400円だから、かなりの豪華本

ヤフオクで古本を安く買ったんだけどね

海外旅行先の人気ナンバーワンで、「すてきな旅」シリーズ全14巻のトップバッター

先日読んだ地方色豊かな「ドイツ」と比べると、まさにパリ一点豪華主義の国だなぁと感じる

西洋史と人類文化の展覧会場のようなパリの街、かなり以前に半月ほど旅したが、また行きたくなってくる

左の写真(←)を見ても分かるけど、凱旋門ってホントに、ゴジラがくぐれるくらいデカいです

(^_^;)

 

映画 ジャンヌ・ダーク

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1948年、イングリッド・バーグマン(→)、2時間25分の大作

舞台は15世紀のフランスの百年戦争で、今風に言えば英仏戦争なんだけど、当時はまだ英仏ともに国家意識が確立していなかった

監督がヴィクター・フレミングなので、「風と共に去りぬ」に雰囲気が似ている

前半はジャンヌが「神の声」に目覚め、ダラケきった軍隊に喝を入れ、イングランド側を打ち破る

後半は一転して、敵軍に捕まった後のジャンヌの異端裁判を描く

バーグマンは1915年生まれ、この映画のころは32歳くらい

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ジャンヌは12歳で「神の声」を聴き、19歳で火あぶりになったから、年齢的にはちょっとキツイんだけど、何とかなっちゃうところが超一流女優

それにしてもバーグマンとグレースケリー(→)、よく似てますね

米国映画なので、プロテスタントの立場からなのか、ジャンヌを火あぶりにしたカトリック聖職者を、徹底的に悪役の偽善者として、実に憎々しげに描いている

歴史的事実から言えば、魔女狩りで無実の者を火あぶりにしたのは、プロテスタントの方がはるかに多かったらしいですけどね

(^_^;)

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▲火あぶりの刑

 

読書 ジャンヌ

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ジャンヌダルク死後の百年戦争を舞台とするマンガ作品

全ページカラーで、作者安彦良和(やすひこよしかず)の芸術的な画風が素晴らしい

一人の少女が男装して、ジャンヌの生まれ変わりのように、数奇な運命をたどる

勝利王シャルル7世は臆病で小心な人物として、その息子ルイ11世は悪役ながら魅力的な人物として描かれている

フランスの国土は戦乱で荒廃するが、群雄割拠していた封建諸侯は没落し、国王を中心とする中央集権フランス国家が成立していく

(^_^;)

 

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▲パリ市内のジャンヌダルク像

 

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読書 中世ヨーロッパの城

中世ヨーロッパの城_ 平和時の城の生活、そして戦争と騎士_01

 

表題にひかれて読んだけど、内容は乏しかった

ヨーロッパのお城と言うと、現在では旅の名所にもなって、ロマンチックなイメージもあるけど、しょせんは戦争の砦なので、住みやすい場所ではなかった

(^_^;)

錦帯橋健太

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 高校生ならともかく

  40歳にもなって 馬鹿なの~?

 これからは錦帯橋健太

  改名するといいよ!  (^_^;)

 

山口県岩国市にある国の名勝「錦帯橋(きんたいきょう)」にバイクで侵入し、橋を傷つけたとして、山口県警は21日、岩国市南岩国町2丁目、建設作業員の船橋健太(40)を文化財保護法違反の疑いで逮捕し、発表した。

船橋健太は容疑を認めているという。

岩国署によると、船橋健太は17日午後6時40分ごろ、錦帯橋を400ccのバイクで走行し、橋板の広範囲にタイヤ痕を付けるなどして名勝を傷つけた疑いがある。

錦帯橋は5連アーチの木造橋で知られる。

岩国市によると、550枚の橋板のうち、322枚にタイヤ痕があった。

錦帯橋はバイクや自転車の乗り入れは禁止されている。

署が橋周辺の防犯カメラを調べるなどしていたところ、20日午後1時ごろに船橋健太が1人で署に出頭した。

「錦帯橋をバイクで走り、傷つけたことに間違いありません。

 申し訳ないことをして反省しています」

と話しているという。

 

シルバー川柳

日本の老人ホーム協会選定

 シルバー川柳入選作品

 

突然に 医者が優しく なる不安

クラス会 食後は薬の 説明会

恋かなと 思っていたら 不整脈

厚化粧 笑う亭主は 薄毛症

どこで見る 東京五輪 天か地か

物忘れ このまま全部 忘れたい

日帰りで 行ってみたいな 天国へ

三時間 待って病名 加齢です

紙とペン 探してる間に 句を忘れ

何回も 話したはずだが 初耳だ

孫達に アドレス聞かれ 番地言う

味のある 字とほめられた 手の震え

未練ない 言うが地震で 先に逃げ

いびきより 静かなほうが 気にかかり

五郎丸 まねて念仏 かと訊かれ

LED 使いきるまで 無い寿命

マイナンバー ナンマイダーと 聴き違え

年上が タイプだけれど もういない

改札を 通れずよく見りゃ 診察券

万歩計 半分以上 探し物

 

新宿駅の東西自由通路

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 西新宿帝国(昼の街)と

  歌舞伎町帝国(夜の街)が

 ひとつになるかな~?

  (^_^;)

 

分断された東西の新宿駅が東西自由通路で結ばれた。

1日に約350万人が利用する世界一の巨大ターミナル、新宿駅。

新宿駅前は、高層ビルが立ち並び都庁がある官庁街の西口と、「夜の街」として最近批判されがちな歌舞伎町を擁する東口で、大きく顔が変わる。

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駅構内の複雑さでも有名な「迷宮(ラビリンス)」に19日、駅の東西を直通する自由通路が完成した。

新宿駅が「迷宮」とされたゆえんは、東西が分断されていたことが大きい。

直線なら約100メートルの距離にもかかわらず、改札を通らず行き来するには、駅北側の地下道「メトロプロムナード」を通るか、地上に出て南口前の甲州街道などを回るしかなかった。

これまでは16路線が壁のように駅を分断させ、東西の行き来は遠回りを余儀なくされていたが、自由通路によって移動時間が短縮される。

完成した「東西自由通路」は全長約100メートルの地下通路。

場所は「北通路」の名称でJR線の改札内コンコースだったが、幅が約17メートルから約25メートルにまで拡大された。

東口改札は跡形もなく撤去され、道幅が広く、白が基調の天井や床も相まって新宿駅とは思えない広々とした印象だ。

20日午後でも改札を抜けた利用客から「すごい。広くなった」と驚きの声が漏れ、写真を撮る人も多い。

自由通路の開通に伴い、これまでの東口改札は「東改札」、西口改札は「西改札」と呼び方を変え、それぞれ自由通路に面する位置に移設した。

 

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