95【地球エリア】

読書 西洋中世の愛と人格

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日本人を説得して何かをさせるには「みんなやってますよ」と言えというのは、ジョークだけではなく、実生活でもよく体験する

日本人の自我の支えには、自分を取り巻く人間関係があり、それを日本では昔から「世間」(せけん)と呼んできた

日本人が最も恐れるのは、世間から爪はじきされることであり、世間の中で恥をかくことを恐れるので「恥の文化」とも呼ばれている

このような世間主義文化の対極にあるのが、西欧風の個人主義文化であり、「罪の文化」とも言われている

「日本人は個人主義が確立してない」などと偉そうに言う「進歩的文化人」が、少し前まではいたものだが、さすがに最近では、頭の悪い高校生くらいしか、こんなことは言わなくなった

いま大騒ぎになっている中国コロナ問題では、世間主義文化の方が、うまく対応しているように感じる

しかし、日本人の日常行動を現在でも広く規定している世間主義文化の中身となると、実は曖昧模糊としていて、よく分からないところが多い

政治家が不祥事を起こしたりすると「世間をお騒がせして申し訳ない」などと言って謝る

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なぜ世間を騒がすことがいけないのか、たぶん外人さんには理解できないだろうし、日本人だってよくわかっていない

少なくとも、「世間を騒がすな」などという法律は無い

著者はヨーロッパ中世史が専門なので、逆に西欧風の個人主義文化にメスを入れ、それがカトリック教会によって過去何百年もかけて人工的に(強制的に)つくられた文化であることを示し、それとの比較の中で、日本の世間主義文化を解明しようとしている

この著者の本は割と読みやすいのだが、本書は専門家向けに本気で書いたようなところもあり、読むのに少し骨が折れた

(^_^;)

 

海外逃亡犯罪者ゴーン

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 日本に戻ってきたら

  凶悪犯罪者として

 20年くらいぶち込まれるかな?

  (^_^;)

 

日産自動車の元会長で、レバノンに逃亡中の海外逃亡犯罪者カルロス・ゴーンは、7月13日にフランス検察当局から事情聴取のため出頭を求められたが、断ったことを明らかにした。

その理由は、国際手配されている中で、フランスへの渡航の往復で身の安全が保障される確信がないからというものだった。

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また、海外逃亡犯罪者ゴーンは11日に放送されたテレビ・インタビューの中で、逃亡先として選んだレバノンが

「日本にいるより1000倍よい」

などと必死になって強がった。

しかし現在のレバノンは、海外逃亡犯罪者ゴーンの安全を脅かしかねない状態。

レバノンでは、日々深刻化する貧困や経済格差の問題への怒りから反腐敗・反政府のデモが昨年10月から激しさを増している。

不正蓄財を行い、日本の法を破って逃亡して来た海外逃亡犯罪者ゴーンは、少なからぬレバノン人から、腐敗や不正のシンボルと見られている。

対外債務が世界で3番目に多いレバノンでは、3月に政府債務が900億ドルに達した。

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デフォルト(債務不履行)、つまり対外的な借金を返済できない状態に陥り、社会・経済がいよいよ危機的状態となっている。

レバノンには18の宗派が存在し、各宗派に政治権力・経済的利権が分配されているが、それぞれが権利を主張するために、公的部門が膨れ上がり財政を圧迫してきた。

既成政治家や官僚たちの腐敗も顕著で、それもまた反政府運動の重要な背景となっている。

7月3日、東京地検は犯罪者ゴーンを逃亡させた米国籍の2人の容疑者の身柄を引き渡すことをマサチューセッツ州の連邦地裁に請求した。

ドナルド・カベル治安判事は10日、2人の容疑者たちに関する日本の引き渡し請求を拒否する見込みは低いと述べた。

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海外逃亡犯罪者ゴーンは、自身の逃亡を支えた全員を支援するというが、米国で逮捕された2人の容疑者の身柄が日本に引き渡されれば、有罪は間違いない。

混乱が続くレバノンでは、海外逃亡犯罪者ゴーン自身も支援が必要な状態になっている。

内戦などの事態になれば、海外逃亡犯罪者ゴーンの身柄を日本に売り渡す反政府グループも現われるかもしれない。

 

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読書 ねむり姫の謎

浜本 ねむり姫の謎 糸つむぎ部屋の性愛学  -_01

「中世の暗黒時代」に、人々は何を楽しみに生きていたのか?

テレビも無い、本も無い、遊びに行く繁華街も無い中世ヨーロッパの田舎に生きる貧しい農民たちにも、楽しみの空間はあった

それが、糸つむぎ部屋

古くから糸つむぎ(綿花から糸を作る作業)は女性の仕事とされ、退屈な作業のウサ晴らしに、若い女たちは村の糸つむぎ部屋に集まって糸をつむぎ、その合間にいろいろウワサ話などオシャベリを楽しんだ

糸つむぎに行くと言えば、親たちも余りうるさいことを言わないので、それを口実に堂々と外出できた(親たちも若い頃、同じことをしていた)

若い女が集まっていれば、それ目当てに村の若い男も集まって来て、糸つむぎ部屋は若い男女の出会いの場となった

やがて男女の会話や歌や飲食、ダンスの場となり、キスや抱擁が始まり、時には乱交パーティーにも似た雰囲気になった

「暗黒時代」どころか、けっこう楽しそうだね

グリム童話に代表される、中世からの言い伝えは、糸つむぎ部屋を背景とする話が多い

性的な乱れを嫌う教会は、ときどき禁止令を出したりするが、まったく徹底されない

近代になって糸つむぎの場が工場に移るにつれて、村の糸つむぎ部屋は消えてゆく

日本の田舎でも、若者部屋とか夜這いの習俗は、つい最近まで残っていた

(^_^;)

 

読書 中世の星の下で

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海外旅行でいろいろな国の名所旧跡を巡るのは楽しいが、やがてそのような文化を生み出した国民性や民族性に興味が移って来る

同じように歴史を読んでいると、華々しい事件や変革の背後にある時代精神のようなものが知りたくなる

特に中世と言われる時代には、日本でも西洋でも、現在とはかなり異なる世界観や人生観、価値観があったはずだ

表面的に現代と比べると、かなり厳しい、つらく苦しい時代に見えるが、当時の人々は我々の住む現代(つまり彼らにとっての未来)のことなどまったく知らないし、今が「中世の暗黒時代」だと思って生きていたはずもない

そんな中世に生きた「ふつうの人々」の日常生活や心のヒダを探ろうとするエッセイ集

彼らは、どんなことを生きがいにして、何を恐れ、何を楽しみにして毎日を生きていたのか、それが少しずつ見えてくる

著者はドイツ中世史が専門の歴史学者で、一橋大学の元学長

(^_^;)

 

読書 すてきな旅「フランス」

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1964年に出た、歴史や文化に詳しい旅行ガイド

半世紀以上前に定価2400円だから、かなりの豪華本

ヤフオクで古本を安く買ったんだけどね

海外旅行先の人気ナンバーワンで、「すてきな旅」シリーズ全14巻のトップバッター

先日読んだ地方色豊かな「ドイツ」と比べると、まさにパリ一点豪華主義の国だなぁと感じる

西洋史と人類文化の展覧会場のようなパリの街、かなり以前に半月ほど旅したが、また行きたくなってくる

左の写真(←)を見ても分かるけど、凱旋門ってホントに、ゴジラがくぐれるくらいデカいです

(^_^;)

 

映画 ジャンヌ・ダーク

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1948年、イングリッド・バーグマン(→)、2時間25分の大作

舞台は15世紀のフランスの百年戦争で、今風に言えば英仏戦争なんだけど、当時はまだ英仏ともに国家意識が確立していなかった

監督がヴィクター・フレミングなので、「風と共に去りぬ」に雰囲気が似ている

前半はジャンヌが「神の声」に目覚め、ダラケきった軍隊に喝を入れ、イングランド側を打ち破る

後半は一転して、敵軍に捕まった後のジャンヌの異端裁判を描く

バーグマンは1915年生まれ、この映画のころは32歳くらい

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ジャンヌは12歳で「神の声」を聴き、19歳で火あぶりになったから、年齢的にはちょっとキツイんだけど、何とかなっちゃうところが超一流女優

それにしてもバーグマンとグレースケリー(→)、よく似てますね

米国映画なので、プロテスタントの立場からなのか、ジャンヌを火あぶりにしたカトリック聖職者を、徹底的に悪役の偽善者として、実に憎々しげに描いている

歴史的事実から言えば、魔女狩りで無実の者を火あぶりにしたのは、プロテスタントの方がはるかに多かったらしいですけどね

(^_^;)

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▲火あぶりの刑

 

読書 ジャンヌ

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ジャンヌダルク死後の百年戦争を舞台とするマンガ作品

全ページカラーで、作者安彦良和(やすひこよしかず)の芸術的な画風が素晴らしい

一人の少女が男装して、ジャンヌの生まれ変わりのように、数奇な運命をたどる

勝利王シャルル7世は臆病で小心な人物として、その息子ルイ11世は悪役ながら魅力的な人物として描かれている

フランスの国土は戦乱で荒廃するが、群雄割拠していた封建諸侯は没落し、国王を中心とする中央集権フランス国家が成立していく

(^_^;)

 

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▲パリ市内のジャンヌダルク像

 

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読書 中世ヨーロッパの城

中世ヨーロッパの城_ 平和時の城の生活、そして戦争と騎士_01

 

表題にひかれて読んだけど、内容は乏しかった

ヨーロッパのお城と言うと、現在では旅の名所にもなって、ロマンチックなイメージもあるけど、しょせんは戦争の砦なので、住みやすい場所ではなかった

(^_^;)

ケイコチューブ ご案内

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ニューヨークにお住いの、グラミー賞ヴァイオリニスト徳永慶子さんから、ケイコチューブ(ネットライブ)のご案内をいただきました

音質も非常によく、トークを交えながら、すぐ目の前で演奏しているような臨場感が味わえます

(^_^;)

 

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日本の皆様、

日本はまだ梅雨明けしていない状況とのことですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私が住むニューヨークはすっかり夏らしくなり、夕方になると毎日やってくるアイスクリームトラックの誘惑と日々格闘しています。
さて、今週末7月18日に、ケイコチューブ・ライブでバッハの無伴奏ソナタ第1番を演奏いたします。
午前9時からの回(英語)午後10時の回が(日本語)ございますので、もしお時間ございましたらご参加くださいませ。
ライブチャットにコメントをいただけると時間差はありますがお話しできます!
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KeikoTube Live! #8 リンク
KeikoTube Live! #9 リンク
日本もアメリカもまだ油断のできない状況にありますが、そんな時だからこそ音楽を共有させていただきたく思います。
皆様に見ていただくことが私にとっても大きな励みになりますので、ご家族、ご友人の方々にもシェアしていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
徳永慶子

 

読書 秘密結社テンプル騎士団

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読んでみたら、余りにも内容が無いのでビックリした

普通なら途中で読むのをやめるレベルだが、短いので最後まで読んでしまった

十字軍の守護者として清貧にスタートしたが、やがて調子に乗ってカネを集め、堕落してつぶされたアホな集団として描いている

いくら何でも、そんなに単純な話ではないだろう

読者を馬鹿にしているような本だ

ヽ(`Д´)ノ