映画

映画 ジャンヌ・ダーク

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1948年、イングリッド・バーグマン(→)、2時間25分の大作

舞台は15世紀のフランスの百年戦争で、今風に言えば英仏戦争なんだけど、当時はまだ英仏ともに国家意識が確立していなかった

監督がヴィクター・フレミングなので、「風と共に去りぬ」に雰囲気が似ている

前半はジャンヌが「神の声」に目覚め、ダラケきった軍隊に喝を入れ、イングランド側を打ち破る

後半は一転して、敵軍に捕まった後のジャンヌの異端裁判を描く

バーグマンは1915年生まれ、この映画のころは32歳くらい

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ジャンヌは12歳で「神の声」を聴き、19歳で火あぶりになったから、年齢的にはちょっとキツイんだけど、何とかなっちゃうところが超一流女優

それにしてもバーグマンとグレースケリー(→)、よく似てますね

米国映画なので、プロテスタントの立場からなのか、ジャンヌを火あぶりにしたカトリック聖職者を、徹底的に悪役の偽善者として、実に憎々しげに描いている

歴史的事実から言えば、魔女狩りで無実の者を火あぶりにしたのは、プロテスタントの方がはるかに多かったらしいですけどね

(^_^;)

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▲火あぶりの刑

 

映画 ゴジラ対ヘドラ

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1971年公開、ゴジラシリーズ第11作なんだけど、前作同様にお子ちゃま向けでもありながら、公害という当時の社会問題も取り込むという、かなりハチャメチャな展開

おまけに当時の若者のサイケ文化まで混ぜ込んで、もう支離滅裂、何が言いたいんだか分からなくなっている

背景には映画の斜陽化で制作予算が極端に切り詰められ、撮影現場と東宝首脳陣に深刻な対立もあったらしい

円谷監督が前年に亡くなり、東宝特撮映画が存続の危機にさらされていたころの東宝社内の混乱が、そのまま映画になっちゃった、ということかしら?

去ってゆくゴジラの後ろ姿に、妙に哀愁を感じてしまいました

(^_^;)

映画 オール怪獣大進撃

1969年公開、ゴジラシリーズの記念すべき第10作なんだけど、お笑いパロディ路線ですらない、完全にお子ちゃま向け映画

「東宝こども映画まつり」みたいな企画用に作ったのだろうか?

アマゾンのコメント欄には、怪獣映画としては空前絶後の駄作だとして、ボロクソに書かれているし、まあその通りかもしれない

背景が昭和40年代前半、高度成長期の川崎の工場街で、ノスタルジックな雰囲気は今見ると面白い

(^_^;)

 

映画 怪獣総進撃

tokusatsu_kaiju_black1968年公開、ゴジラシリーズ第9作、監督本多猪四郎、音楽伊福部昭に戻って、前作までのお笑いパロディ路線が弱まる

上の予告編は、なぜか表題が「ゴジラ電撃大作戦」になってますが、これは数年後に「東宝チャンピオンまつり」で本作を流用した時に、表題だけ変えたもの(おまけに15分も縮めたらしい)

とにかく怪獣が11匹も登場するので、歌舞伎の顔見世興行のようです

ゴジラなど地球怪獣たちは、国連が小笠原に作った「怪獣ランド」で家畜化して、みんな平和に仲良く楽しく(?)暮らしているという、少々無理のある設定

そこに地球乗っ取りを狙うキラアク星人が登場し、怪獣たちに操縦装置を埋め込んで操縦権を奪い、世界各地で大暴れさせる

ニューヨーク、モスクワ、パリなどの観光名所が次々に炎上します

前作、前々作は、場面が南の島で特撮は楽でしたけど、今回は模型作りが大変な都会の特撮が復活

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CGを駆使したシン・ゴジラには比べるべくもないが、この時代の特撮としては実によく出来ていて感動します

とにかく人類も必死で戦い、怪獣たちの操縦権を取り戻すと、キラアク星人は対抗して、究極の悪役怪獣キングギドラ(→)を宇宙から呼び出す

でもキングギドラは1対10でボコボコにやられてしまってメデタシメデタシ

(^_^;)

 

映画 南海の大決闘

1966年公開、ゴジラシリーズの第7作

監督が替わり、前作までとテイストがまるで異なり、ほとんどゴジラ映画のパロディ

極秘に核爆弾を作る悪役組織「赤イ竹」も出てくるけど、シリアスさのカケラも無く、ドタバタ喜劇と化している

ゴジラと闘うエビラは、ザリガニが巨大化した怪獣(獣じゃないけど)

あと、一瞬ラドンかと思った鳥の怪獣(怪鳥)が、チョイ役で登場

ゴジラが破壊する建物群も、南の島の秘密基地なので、都会のビル群に比べると簡単にミニチュアを作れそうで、予算節約が感じられる

ザピーナツも、無名な双子タレントに交代で、出演料の節約?

(^_^;)

映画 怪獣大戦争

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1965年公開、ゴジラシリーズの第6作

時代は高度経済成長の真っただ中で、生活水準の向上が感じられる

当初のシリアスなムードは消えて、完全に娯楽映画路線

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このころ流行っていた「シェー」をゴジラが演じるなど、ややサービス過剰

ストーリーは日米合作でSFを取り入れ、X星人の地球侵略にゴジラとラドンが巻き込まれ、キングギドラも登場するが新怪獣は無し

X星人が余りにも人間臭かったり、地球人より文明度が上という割には、素人発明家の作った音響機械で致命的弱点をさらすなど、何だか安っぽくなったなぁという感じもする

ゴジラシリーズ毎年1本という、量産体制の無理が出始めているのか

テレビの普及による映画全体の斜陽化もあって、観客動員数も第3作(キングコング対ゴジラ)の1120万人をピークに漸減傾向

それでも513万人を動員してるから、ゴジラ人気は大したものです

(^_^;)

映画 三大怪獣 地球最大の決戦

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1964年公開、ゴジラシリーズ第5作

前作の「モスラ対ゴジラ」と、1年に2作公開

東宝は怪獣映画の量産体制に入った

特撮技術の向上も著しく、リアリティがアップしている

地球の三大怪獣(ゴジラ、モスラ、ラドン)が協力しながら、キングギドラ(金星文明を滅亡させたという凶悪な宇宙怪獣)をやっつけるという、実に心温まる展開

前作まで悪役だったゴジラも、今回から更生して善玉に転換

子供の頃にこの映画を見て、巨大な隕石(卵)からキングギドラが誕生する場面に、非常にドキドキ感動した記憶があります

 

キングギドラは宇宙へ逃げ、モスラはインファント島へ帰ったが、善人(善獣)になったゴジラとラドンが、その後どうなったかは誰も知らない

(^_^;)

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ダヴィンチが素描した怪獣 キングギドラによく似てる

 

映画 モスラ対ゴジラ

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1964年公開、ゴジラシリーズの第4作

舞台は名古屋で、ゴジラは今回も悪役で名古屋城を破壊

モスラの卵で一儲けを狙う興行師と、糸山英太郎みたいな実業家という悪役コンビも登場

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自衛隊も必死で戦うが、ゴジラには歯が立たず

怪獣と言えば爬虫類というイメージを破って、虫の怪獣(怪虫)という発想はスゴイですね

久しぶりにザピーナツ(→)の「モスラの歌」を聴きました

モスラの故郷である南の島「インファント島」の原住民の描き方が、いかにもこの時代という感じがします

(^_^;)

 

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映画 キングコング対ゴジラ

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1954年「ゴジラ」、1955年「ゴジラの逆襲」に続く、東宝ゴジラシリーズ第3作で、観客動員1125万人という超大ヒット映画

1962年公開、前作から7年、戦後17年、映像もカラー(総天然色!)になった

経済成長で平和ボケしてきたせいか、原爆反対の政治的メッセージやシリアスな雰囲気が消えて、有島一郎(←)を中心にギャグ満載の娯楽映画っぽくなってる

CGとか無い、完全手作り模型時代の特撮なので、模型感丸出しの場面も多いが、それが逆に妙な面白さになってる

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ゴジラシリーズに登場する俳優の平田昭彦(→)って、理知的な雰囲気がスゴイなぁと思って経歴を調べたら、

陸軍幼年学校 → 陸軍士官学校 → 旧制一高 → 東大法学部

というエリートコース、本当に理知的な経歴でした

演技ではなく、地だったのね

東大時代は演劇部に所属し、東宝で助監督のアルバイト

卒業後は三菱商事に入ったが、映画の味が忘れられずに東宝に入社

ご存命なら92歳だが、52歳で早世、若い時の写真しかありません

奥さんは女優の久我美子で、こちらは本物の伯爵ご令嬢、89歳でご存命

(^_^;)

 

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映画 ゴジラの逆襲

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前作「ゴジラ」大ヒット(観客動員数は961万人)を受けて製作されたシリーズ第2作

怪獣ブームに乗せようとして、3か月で急いで作ったが、観客動員数は834万人で、これも興行大成功!

ちなみに最近の「シン・ゴジラ」は560万人だから、いかにスゴイ大ヒットかが分かる

日本人ってホントに、どんだけ怪獣が好きなんだか

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ゴジラと戦う最初の怪獣アンギラス(→)も登場

四つ足で歩くので、シン・ゴジラの第二形態(通称「蒲田くん」)に少し似ている

ゴジラ登場の舞台、今回は大阪で、アンギラスと格闘しながら、大阪城はハデにぶっ壊す

さらにゴジラは北海道に移動するが、どうやって移動したかは不明

社内飲み会の和気あいあい宴会場面まであって、森繁の社長シリーズを思い出す

(^_^;)

 

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