日本は異質な人材を排除するので
天才が育ちにくい風土
かもしれません (^_^;)
「ノーベル賞が何個あっても足らないほどの成果」
親交のある「ABC予想」に詳しい東京工業大学の加藤文元教授は以下のように評価しています。
「(望月教授が提唱し、ABC予想を証明した)IUT(宇宙際タイヒミューラー)理論は、数学界の『革命』と言っていい。ノーベル賞が何個あっても足らないほどの成果だ」と。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200403-00000112-mai-sctch
とにかく大変な業績だということだけは、私にも何とか理解できます。
望月教授の生い立ちや人となりについては、同僚の玉川安騎男教授が以下のように説明しています。文章を要約して紹介します。
「望月教授は、1969(昭和44)年3月29日東京都生まれ、5歳の時に父親の仕事の関係で渡米されて以来、中学時代1年間だけ日本に戻った以外は、米国で過ごし、1988(令和元)年19歳で、米国の名門プリンストン大学数学科を卒業し、1992(平成4)年、23歳で同大大学院数学科博士課程を修了して博士号を取得します。
同時に、日本に戻り、京都大学数理解析研究所助手に就任し、1996(平成8)年27歳で助教授、2002(平成14)年23歳で同大教授となりました。
普通の研究者であれば、数学界のノーベル賞であるフィールズ賞(4年に1回40歳以下)を狙うところを、賞に無欲、無欲というより否定的で狙うことをせず、十分時間をかけて基礎理論を満足のいくような形で完成させたいと日々注力しています。
途中の理論についても、全て公開しており、それを見て誰かが先に証明してしまうのではないかという周囲の心配もどこ吹く風で「自分の理論を理解して先に証明してくれるのであれば、むしろありがたい」と話をしていました。」
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/tamagawa-mochizuki-shinichi-san-no-suugaku.pdf
天才であり、完璧主義者の望月教授。無欲は大欲に繋がり、京大の自由で国際的な学風もあって、今回の成果が得られたのではないかと思います。ただし、米国で学んでいなかったら、この天才を我が国の教育制度で、ここまで伸ばすことができたか、論文出版に8年間もかかったことを思うと・・・疑問ではあります。
望月教授の偉業に敬意を表しつつ、改めて我が国の教育制度等を見直していきたいと思います。
なお、ダメ元と思い、「ABC予想」について、親交のある東工大の加藤教授の著書『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(KADOKAWA 2019)1760円を購入して、勉強してみようかと思っています・・・。隣室の秘書からは「・・・」と無言。読後の感想は、多分ないと思いますが・・・
https://www.kadokawa.co.jp/product/321802000140/
現代数学で最も重要な難問とされる「ABC予想」を証明したとする京都大学数理解析研究所の望月新一教授の論文が、同研究所の編集する専門誌「PRIMS」に掲載されることが3日までに決まった。
論文はインターネット上に2012年から公開されていたが、8年越しで専門誌に掲載されることとなる。
整数では足し算と掛け算ができるが、ABC予想はその二つの演算の絡み合い方に関する問題。
1980年代に欧州の数学者たちに提唱された。
ABC予想の成立を仮定すると、多くの未解決の予想が証明されるため重要な問題とされてきた。
論文は四つあり、計約600ページに上る。
PRIMSの編集委員長は望月教授だが、同研究所の柏原正樹教授と玉川安騎男教授が共同編集委員長となり、望月教授を除いた特別編集委員会をつくって今回の論文を審査した。
望月教授は発表したコメントで、証明の難しさについて「既存の数学理論と難しさの種類が違うことはあると思う」と説明。
専門の研究者にとっても「まったく違う枠組みの議論につまずいてしまうことも起こり得る」とした。
望月教授は、16歳で米プリンストン大に飛び級で入学、19歳で同大学数学科を卒業。
2002年に32歳で京大の教授に就任した。
京都で研究してきた意味について
「数学の研究を進めるには、ある程度話が通じる相手が
ある程度の人数いる環境でないと難しい」
とし、数理解析研究所に優れた研究者たちが在籍する利点を強調した。