今日は大学時代の二人の友人を引き合わせる、という役目を果たしました
一人は大学教授、もう一人は経営コンサルタントで、研究したいテーマがあるので、大学のドクターコース(博士課程)に入って研究したいと考えている
この時期なので、ZOOMでネット会議ということになり、私も紹介した手前、初めてZOOM会議というものを体験しました
スマホがあれば、誰でも参加できます
そこでコンサルタントが、ドクターコースで研究したいテーマなど話したのですが、教授からは
「テーマをもっと狭く絞る必要がありますね」
というアドバイスでした
学部やマスター(修士)ならいざしらず、ドクター(博士)ともなると、人類の知の外延を少しでも広げることが学位授与の要件となる
それを成功させるためには、どんなに狭くてもいいから、他人のやっていない新たな研究テーマが必要になる(他人がやったテーマを、批判的に修正拡大するのはアリ)
狭く絞り込まないと、従来の「人類の知の外延」の内側に落ち込んでしまいやすい
まあこれって研究計画に限らない話で、事業計画でも、狭くて他社と競合しにくいニッチ・マーケットを攻略して、オンリー・ワンを狙った方が成功しやすいのと同じ
「テーマを狭く絞る」を徹底すると、一般世間から「専門バカ」などと呼ばれることもあるし、そこは専門と教養のバランスになる訳だけど、少なくともプロの研究者の世界では、「教養バカ」では通用しない
文豪ゲーテは若い作家に対して常に
「大作に取り組むな!」
と諭している
若いうちは希望に燃えているので
「オレサマが取り組むからには、
人類の重大テーマを作品化したいんだ」
などと野望をいだきがちだが、それは失敗しやすいよ、というのが老ゲーテのアドバイス
私は最近、
「天国の住人になりたい」
と考えているのですが、コリン・ウイルソンなど読むと、その秘訣の一つは
「関心(意識)を狭い対象に絞り込んで集中すること」
というのが指摘されている
フッサールなどが言うように、人間の意識(感覚、五感)には「指向性」があり、対象を絞り込んで集中しないと「見て観えず、聞いて聴こえず」になりやすい
逆に意識を狭い対象に集中することで、それまで感じられなかった「真の現実感」が感じられるようになり、そこから幸福感が湧き出す(天国の住人になる)
これを「至高体験」と呼んで研究したのが、心理学者のマズロー
別に「人類の知の外延」を広げるとか、ニッチ・マーケットを狙うというような外面的な効果だけでなく、自己の内面の充実感を手に入れて「天国の住人」になるのにも、「狭く絞る」ということが、とても重要みたいです
若いうちは自分が何をしたいのかよく分からず、いろいろ迷う訳ですが、その迷いの中で何かを見つけて、それに絞り込んで集中することで、人は成長し、充実感を手に入れるようです
なお、ゲーテは別なところで
「人は成長するかぎり、迷う」
「他人の道を上手に歩むより、
自分の道を迷いながら歩め」
とも言っているので、迷うことは悪いことではなく、成長の証なのだとも言っています
私なんか、ずーっと迷いっぱなしなので、困ったもんなんですけど、これも一つの人生さなどと、最近は悟り(諦め)つつあります
なお、ZOOM会議って便利なので、これでネット飲み会やろうかな、と思っています
(^_^;)