ゲーテと言えば、推定IQ210で、天才研究には必ず登場する世界文学の巨人
その作品群をちゃんと読みたいと思いつつも、重厚な作品が多いので、いつも本書のような軽い解説書に流れてしまいます
外から見る限り、ゲーテほど幸福な人生を送ったひとは珍しいように思える
若くしてベストセラー作家となり、小国とはいえワイマール公国の首相のような重責をにない、世界の文学史に残る作品群を生み出し続けた
石原慎太郎を、もっとはるかにビッグにしたような感じかなぁ
しかも相当なプレイボーイで、次から次へと恋をして、1人の恋人に1000通以上ものラブレターを送ったりもするし、その経験を詩や小説のコヤシにもしていく
恋愛対象の女性に対しては、かなり残酷なこともしたようで、多少サド傾向があったのかも
最後の恋は、何と73歳のとき19歳の少女に熱を上げ、真剣に求婚までしている(当然、断られましたけど)
そこらのチンピラならともかく、相手はドイツ文学界の重鎮だから、少女の親もビックリしただろうね
新首相になりそうな菅さん(71、→)が、AKB48のメンバーの誰かに、毎日のように真剣かつ熱烈なラブレターを送り続け、ついに結婚を申し込んだようなもの
驚く周囲に対して「天才には青春が何度も訪れる」などと言っている
実際、ゲーテの人生には数年ごとに高揚期があり、恋や著作に対して非常に活動的になっている
著者は、大学を出てから数年間、ミニコミ誌の編集者をした以外は、翻訳家や物書きとして生きて来たらしい
読んでいると、やや世間知らずな学者先生風の印象も受けるが、とにかく読みやすい
幸福論ではなく幸福術なので、具体的な生活指針のような話が多く、ゲーテの精神病理面への言及はほとんど無い
何しろ世界史的な天才なので、凡人にはマネできないことも多い
(^_^;)