イチロー

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シアトル・マリナーズのジェリー・ディポトGM(49)は、5月3日(日本時間5月4日)、イチロー外野手(44)が球団の特別補佐に就任した経緯や思いなどを語った。

マリナーズ球団はこの日、イチローが球団の特別補佐に就任したと発表。

ベンチ入りの25人枠から外れ、選手としては今季の残り試合は出場しない。

チームに同行し、練習しながら選手らをサポートする。

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 まさに ミスター・レジェンド!  (^_^;)

 

 ―イチローが球団特別補佐に就任した。

 「イチローと契約したのには理由があり、彼はいい選択ができたと証明してくれた。チームはいいスタートが切れており、それは結束力の高さのおかげでもある。チーム内の雰囲気は非常によく、その大きな要因はイチローだ。シアトル、そして大リーグでの豊富な経験や、試合への準備の仕方で、チームメートの尊敬を集めている。前回マリナーズに所属した時から引き続き、復帰初日から素晴らしい存在でいてくれている。それが永遠に続くことを願う。イチローは再びマリナーズの一員になり、こういう形で進むことを選んでくれた。マリナーズ以外の球団でプレーする気持ちはないという。それを実現させたかった」

 ―なぜ今なのか?

 「契約時から、契約に至ったのは外野手が一人(ギャメル)故障で欠けているからだということは理解してくれていた。ギャメルは5月初旬までの離脱を見込んでおり、イチローとの話し合いでは4月の様子を見て、再評価しようということにしていた。5月に入り、話し合いを持った。当初から(こういう事態になった場合に)どうすべきか、プランは考えてあった。イチローがマリナーズに残るというプランだ。2018年だけでなく、それ以降も含めて。明らかにしておきたいのは、これで現役選手として終わるのではないという点だ。いつの日か、イチローが引退する日がくれば、それはマリナーズの選手としてだが、今はまだその段階にはない」

 ―イチローからはどういう意向があったか。

 「今週の初めにもイチと話したが、彼はマリナーズに復帰できて非常に喜んでいる。それは明らかだった。マリナーズでプレーできたのが、野球人生のハイライトの一つだと言っていた。前回在籍時の話をして、ここへ戻ってこなければ、野球人生が完結しないとも言っていた。マリナーズ以外のユニホームは着たくない、野球人生を終えるのはここだと。ただ、まだ野球人生は終えたくないとも話していた」

 ―その話はいつ?

 「今週の月曜日に」

 ―今後ユニホームを着るか。

 「ユニフォームは着る。試合中はベンチ裏で必要に応じて、ビデオルームや打撃ケージからチームメートやコーチ陣をサポートする。外野守備から走塁、そして打撃は特に、彼のインパクトが大きいはずだ。だが、それだけに限らず、コンディショニングや試合への準備、栄養面など多岐面に渡り、チームメートの尊敬を集めており、その面でも貢献してくれると思う。試合出場時と同じように準備し、打撃練習に参加する。(新しい役割への)移行は自然にいくはずだ。試合が始まると、ラインナップからは外れることになるが。私にも選手経験があり、こういう移行が一番スムーズで、他のチームメートへのインパクトも大きい。というのも、選手は他の選手が言うことを聞き入れやすいからだ。イチローは選手だ。チームメートも選手だとみなしている。だからこそ、このチームへのインパクトが大きい」

 ―本人はどういう部分に重点を置いているか。

 「それは自然と見えてくるだろう。本人もそう希望している。15年前と比べ、今は近づきやすい存在だ。カノであろうが、チーム最年少の選手であろうが、聞きたいことは何でも質問するように、と言ってくれている。押し付けの助言はしないが、喜んでアドバイスや指導をしてくれている。選手もスタッフも、彼のところへ話を聞きに行きさえすればいい」

 ―この話は3月の契約時点ですでに話し合っていたか。

 「将来的なオプションとして話し合った数ある中の一つだ。ギャメルの復帰が予想外に早くなると判明し、この2週間はかなり頻繁に話し合った。まずは内部で話し合い、(代理人の)ジョン・ボッグスとアレン・ターナーと話し、最終的にはイチローと話し合いを持った」

 ―今季ロースター復帰できるか。

 「今季はできない。イチローのマリナーズでの今季はこれで終了となる。だが、イチローの野球人生やマリナーズ人生がこれで終わるわけではない」

 ―来季中の復帰の可能性はあるか。

 「そうなるかもしれない。それはその時が来てから決める。彼は特別補佐で、その点の保証はできないが、その可能性も残してある。非常にユニークな選手で、誰もなし得られなかったことをやり遂げている。彼が望む時期を尊重したい。彼がこのチームにいてくれることで、大きなインパクトがある。そのための場所を設けたい」

 ―来季は日本で開幕戦を迎えるが、そこで出場する可能性もあるか。

 「それもあるかもしれない。もちろん可能性は残してある。まだ先の話で、この点についてあれこれ考えてはいないが。ジョン・ボッグスが今日言った通り、イチローが現役を引退するのではない。2018年に幕を閉じるだけだ。2019年以降はあらゆる選択肢を考えるが、いずれもマリナーズの一員として考えている」

 ―日本開幕戦では選手枠が通常より多い。

 「そうだ。2019年の開幕ロースターは28人が登録する」

 ―大谷と対決するまでロースターに残すことも考えたか。

 「それはこの決断を下す上で、検討しなかった。彼が好調で、ヘレディアとギャメルが不調だったらそれも検討しただろう。さっきジョンも言った通り、今、試合に勝つために最善の選択肢を取ったということだ。イチローには選手を支えることでチームの力となってもらい、残りの25人が大谷と対決に臨む」

 ―チームメートとの接し方を見て。

 「彼はクラブハウスのダライ・ラマのようだ。移動中の機内でもそうだが、彼が座っていると、ディー・ゴードンが隣に座り、ミッチ・ハニガーが体を横に向けてくる。前席に座っている選手は後ろ向きになり、彼の意見を待ち受けているかのように見える。非常に存在感がある選手だ。初めてイチローと顔を合わせたのは(キャンプ地の)ピオリアだったが、彼が歩いてくると、今まで会った野球選手の中で断トツに存在感があった。私はもう30年近く球界にいて、その間に偉大な野球選手と言われる人とはもれなく会ってきたが、イチローのような人には会ったことがない。彼との関係を続け、チームに残ってもらえることはチームにとっても重要なことだ。マリナーズとイチローは永遠に切っても切れない間柄だ」

 ―こういう扱いは新しい?

 「ケン・グリフィーJr.も含め、特別補佐という役割自体はリーグ内でもよく見られる。ただ、ユニークな点は、イチがこれからもフィールドで練習し、選手と密に接する点だ。今、彼が与える最大限のインパクトを活用したいと考えているが、将来的な可能性も残している。非常に才能があり、頭のいい選手だ。そしてどの選手よりも野球のことを理解している。選手の立場を残しながら、その知識にあやかれるのはとても重要なことだ」

 ―イチローの一番の思い出は。

 「今季の開幕戦だ。昨夜の好捕もよかったし、開幕カードでホームランをもぎ取ったプレーも良かったが、一番印象に残った瞬間は開幕戦前に選手紹介された時だ。観客の反応、スタンディングオベーション、ビデオボードにシルエットが映り、レッドカーペットに走り出た瞬間は特別だった。こういう時が来ると分かっていたし、それを彼が知っていると分かっていただけに、昨夜9回の打席ではおとぎ話のような結末を期待していた。その通りにはならず、残念だった。イチローのことはよく知らなかったが、彼ほどチームメイトから尊敬されている選手は見たことがない」

 ―1年間のブランク後に来季も復帰できるのか?

 「その答えは簡単だ。イチローほど準備ができた選手はいない。彼が彼たる理由は、永遠に続く準備だ。フルタイムでフロントオフィスで働くようになっても、1時間の昼休みに着替えて打撃練習に向かうはずだ。それが彼だ。心配はしていない」

 ―みんな昨日が最後の試合だと知っていた?

 「全員ではない。私とジョン、スコットは知っていた。理由があって大勢には言わなかった」

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