ヨーロッパ

読書 異端審問

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異端審問と魔女狩りは、火あぶりの刑などの残酷さでは似ているが、時期やエリアが違うだけでなく、何かが根本的に違う

魔女狩りは集団ヒステリーのような、一種の熱狂や恐怖心の中で遂行されていたように見える

異端審問は、カトリック教会の中の公式制度として、非常に冷静に、専門家(異端審問官)集団によって、粛々と遂行された

異端審問も初期のうちは、熱狂的なカトリック信者が情熱的に推進したが、徐々に教会の中で制度化が進み、やがて審問のためのがっちりした官僚組織が出来上がり、実務的なマニュアル類が整っていく

その審問マニュアルの精緻さには、この道一筋のプロ(異端審問のプロ!)の持つ職業倫理や執念のようなものも感じられる

およそ宗教とかイデオロギーの世界では、正統と異端の問題は避けて通れないのだが、異端審問には、ヨーロッパ的な厳格さが存分に表出しているように感じる

アジア的エーカゲンな世界は、経済の発展にはマイナス要素となるかもしれないが、少なくともアジア人の一人である私には、比較的居心地の良い世界に感じる

日本人の宗教的エーカゲンさは、さらに特別だけどね

(^_^;)

読書 錬金術

錬金術 黄金と不老不死の妙薬  -_01

 

錬金術と言うと、ハイリスクの投資とか、現代では危ない金儲けを意味しています

本来の錬金術とは、普通の安い金属類(銅とか鉛とか)を、金・銀などの貴金属に変化させようとする術です

もちろん、そんなことは不可能なのですが、あのニュートンでさえ、これに夢中になってます

黄金の生成には失敗しましたが、近代的な化学を生み出す母体となりました

黄金づくりと共に追及されたのが、不老不死のクスリです

秦の始皇帝が全てを手に入れたあと、最後に望んだのがこれで、徐福を日本に遣わしたりしました

ブラジルの大統領じゃないけど、「人間はいずれ死ぬもんだ」という宿命には、絶対に逆らえない

人間に出来ることは、せめて生きてる間だけは、好きなことをして人生を楽しむこと

(^_^;)

 

読書 ルネサンスの肉体観

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著者は、1870年生まれのドイツ人で、ルネサンス以降の風俗の歴史史料を、コツコツと集めて集大成(日本語版で全9巻)している

日本にも在野の歴史家として、趣味で郷土史などをコツコツ研究している人がいるけど、それをもっと徹底した感じ

風俗と言っても、風俗産業の歴史ではない

性モラル、恋愛、結婚、売春、社交界、肉体観、ファッションなど、社会風俗全般の歴史だ

社会風俗は、歴史上の重大事件の背景として目立たないが、人間の生活の歴史そのものである

著者は、それぞれの時代の経済状況が社会風俗を規定するという、唯物史観のようなことを言っている

本書はヒトラー政権で、禁書目録の一番に挙げられた

中世からルネサンスにかけて、裸になることを余り恥ずかしいと感じなかったようだ

国王などの重要人物が街にやってくると、街の若い女が広場で裸になってお出迎えしたりしている

女性が乳房(乳首まで)を見せるのが、普通のファッションだった時代もある

羞恥心の歴史的、地域的な違いは、想像以上に大きい

現在でも海外のホステル(ゲストハウス、ドミトリー)で男女混合の部屋に泊まると、知らない男の前でも平気で裸になって着替えをする白人の女の子がいてビックリすることがある

ファッションの変遷は面白いのだが、図がイマイチで、「カラー版」とあるが、本当にカラーなのは巻頭の数ページで、残りは白黒

文章はやや素人臭く、集めた情報をすべて盛り込もうとしている感じで、ダラダラしていて読みにくい

(^_^;)

 

読書 魔女と聖女

池上 魔女と聖女 ヨーロッパ中・近世の女たち  -_01

 

魔女狩りが凄惨を極めた時代(15~17世紀)は、一方では聖女が崇拝された時代でもあった

聖書における魔女の原型が、ヘビに誘惑されてアダムに知恵の実を食べさせたイブなら、聖女の原型は、処女のままイエスを生んだとされている母マリア

しかし魔女と聖女は紙一重だった

聖女ジャンヌダルクは、魔女として火あぶりになった

中世のキリスト教会は徹底した男性の組織であり、その世界観において神と人間の関係を構成するとき、女性の位置づけに非常に苦労したようだ

男性(教会)にとっての女性は、まず性欲の対象であり、男には出来ないこと(出産など)をする貴重な存在であると同時に、何やら理解しがたい不気味な存在でもあった

それが強迫的に極端化した場合、聖女として崇拝するか、または魔女として嫌悪した

崇拝の対象と嫌悪の対象は、実は非常に近い関係にあるらしい

天皇家と賎民に妙なつながりがあったことが、日本の中世史でも指摘されている

現代社会でも、それまで差別されていた集団が、いつの間にか特権階級に転化する現象が見られる

(^_^;)

 

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▲魔女として火あぶりになった、聖女ジャンヌダルク

美化して描かれてますが、実際は全裸で焼かれました

 

読書 魔女の恐怖

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15~17世紀のヨーロッパでは、数十万人(人数は諸説あり)が「魔女」として処刑された

誰かが「あの女は魔女だ!」と告発すれば、すぐに本人を逮捕して厳しい取り調べが始まり、拷問による「自白」で火あぶりの刑になるか、拷問に耐えられずに死んだ

日本で言えば村八分になるような村の迷惑者だけでなく、ちょっと変わった人や、人付き合いの悪い人は、片っ端から魔女であるとして告発され、焼き殺された

14世紀までのヨーロッパは農業改革で経済が成長し、比較的豊かだったのに対し、15世紀からその反動で経済成長が止まり、飢餓が表面化した

大衆にイライラが蓄積し、そのはけ口としてスケープゴートが要求され、その具体的な行動が魔女狩り(集団ヒステリー)となった

イタリアでは華やかなルネサンス運動が進められていたが、その一方でヨーロッパの貧しい人々には、相互不信と疑心暗鬼が満ち満ちていた

残忍さではヨーロッパで一番と言われるスペインでは、異端審問によってイスラム教徒やユダヤ人が大量に告発され、村や町の広場で公開処刑されていたので、それがイライラのガス抜きとなり、魔女狩りは非常に少なかった

魔女狩りが最も徹底的に実行されたのはドイツで、当時のドイツの貧困と飢餓によるイライラの蓄積と、教会によって決められたルール(魔女を告発せよ!)を厳格に遵守するドイツ人の民族性によって、魔女狩りは空前の規模で粛々と遂行され、数十万人が焼き殺された

これと似た状況に陥ったのが20世紀のドイツで、第一次大戦での敗戦による天文学的な戦後賠償でドイツ経済は混迷疲弊し、大衆のイライラが鬱積してスケープゴート探しが始まり、ヒトラー独裁政権が登場してスケープゴートにユダヤ人が選ばれ、600万人が殺された

ユダヤ人を攻撃したのはヒトラーやナチス党員だけではなく、村や町にいる普通のドイツ人たちが、ユダヤ人を告発してガス室へ送った

現在のアメリカに広がっているデモや暴動の嵐も、中国コロナによる外出禁止や経済の混乱で、大衆にイライラが蓄積していることと無関係とは思えない

今の日本で、マスクをしていない人を攻撃する「正義の人」が増えているらしいが、このような人は魔女狩りが始まったら、真っ先に魔女を告発するタイプの人かもしれない

魔女狩りの当時、「魔女は人間の性欲を刺激して、悪魔の世界に引きづりこむ」という迷信がはびこり、性欲は魔女に誘惑された証拠として罪悪視された

そのせいか、今でもキリスト教徒には極端に性欲を罪悪視する人が多く、性欲を抑圧した反動としてオカルトにのめりこんだり、異常性欲に走る人もいる

((((;゚д゚))))

 

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▲魔女裁判で水責めの拷問をしている

水で腹が膨れると、棒で腹を叩いた

中央の男が自白調書を書いている

 

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▲イライラした黒人たちが、白人のおばあさんに暴行している

これは中世の話ではなく、今月(2020年6月)の出来事です

 

ふさふさにゃんこ

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ここはノルウェー。

美しい自然の中で悠々と歩いているフサフサなネコちゃんの名前は「Limo」ちゃん。

メインクーンの女の子です。

その優雅かつ立派な尻尾に目を奪われます。

Limoちゃんは2018年11月生まれ。

まだ1歳にも満たないですがすでに貫禄があります。

耳の上にひょこっと出ている毛もかわいく、お顔は愛嬌があってとってもキュート。

全身がフサフサしていてとても触わり心地がよさそうですね。

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アレクサンドロス大王の墓ディオゲネス

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長くもどかしい発掘の最終日、カリオペ・リムネオス=パパコスタ氏はもう帰るつもりだった。

エジプト、アレクサンドリアの中心部にある公園「シャララート・ガーデン」で、ギリシャ人考古学者の彼女が発掘調査を始めてから、もう14年が過ぎていた。

目的は、ファラオになった古代の征服者にして、この街の名前のもとになった人物、アレクサンドロス大王の痕跡を探すことだ。

しかし成果はなく、時間切れが迫っていた。

そのとき、穴の中にいた助手たちが彼女を呼んだ。

土から白い大理石のかけらがのぞいていると言う。

それまでの発掘状況に落胆していたパパコスタ氏だが、白い石の輝きを目にして、希望が湧き上がるのを感じた。

「祈っていました」

と彼女は振り返る。

「ただの大理石のかけらではありませんようにと」

祈りは通じた。

遺物は、アレクサンドロス大王のあらゆる特徴を備えたヘレニズム期初期の像だと判明した。

これが大きな励みとなり、気落ちしていた考古学者は発掘を続けることになった。

詳細はここをクリック

Diogenes Of Sinope in wine barrel with dog and Alexander the Great Original edition from my own archives Source : Illustrierte Geschichte 1880

「何か望みがあれば、余がかなえてあげる!」と言ったアレクサンドロス大王に対して

 「日陰になるから、そこをどいてくれないか?」とだけ望んだディオゲネス

二人は親子以上に歳が離れていたが 同じ日に死んだと言われています  (^_^;)

ディオゲネスのエピソード

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この絵は額に入れて 部屋にかけてます  (^_^;)

添い寝

 Twitterで画像を見る

「昼寝をしていたら窓から知らない猫が入ってきて添い寝していた」

1億3千万人の猫好きたちが追い求めていたであろう夢の情景は、日本ではなくベルギーに存在したようだ。

写真とともに体験談を投稿したのはベルギー在住の音楽家であるMaya(@mayao216)さん。

Twitterで画像を見る

Maya@mayao216

窓を開けて昼寝していたら、隣で見ず知らずの子が眠っていた…誰だよおまえ笑

写真などを撮られても動じている様子はない。

さらにこのあと猫さんは数時間滞在し、Mayaさんと共に二度寝までしていたというから驚きである。

Maya@mayao216

あのあと2人で二度寝しちゃって、いま起きた。猫さんいない…最後のツーショット。

この投稿には「一連の流れ可愛すぎ」「NNN派遣の添い寝サービスでしょ? お代は缶詰めで」など猫好きたちの間で噂される謎の組織「NNN(ねこねこネットワーク)」の関与を疑う声や、猫さんの可愛さを称賛する声が寄せられていた。

一方窓を開けて寝ることができるベルギーの気候を羨む声もあった。

猛暑に苦しめられ、窓を開けてもセミか蚊くらいしか入ってこない日本。

苦難から逃れ、ベルギーで快適な夏を過ごすのもよいかもしれない。

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 目が覚めたら 隣に知らないカワイイ猫

  これは「ほのぼの」していて いいですね

 目が覚めたら 隣に知らないカワイイ女の子

  これは衝撃で 一気に目が覚めそうです  (^_^;)

ベルギーでテロ

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▲テロの犠牲になった女性警官2人

【5月31日 AFP】ベルギーのリエージュ(Liege)で女性警官2人と学生1人が殺害された襲撃事件から一夜明けた30日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、犯行は同組織の「兵士」によるものだと表明した。

IS傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)が、メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」のアカウントで犯行声明を公開した。

ISは「ベルギーのリエージュ市での攻撃の主は、イスラム国の兵士である」と表明。

「彼は米主導の国際的連合の国々を狙えという呼び掛けに応じ、攻撃を行った」とし、シリアでISと戦う米主導の有志連合に言及した。

ベルギーの捜査当局は、襲撃犯の身元をベンジャミン・ヘルマン(Benjamin Herman)容疑者(31)と特定した。

同容疑者は29日、リエージュで女性警官2人を繰り返し刺した後、それぞれから奪った銃で2人を殺害。

さらに、市中心部で駐車中の車に乗っていた学生を射殺した。

ベルギー警察によれば、ヘルマン容疑者は暴行や軽犯罪で10年にわたり収監と出所を繰り返していた住所不定の人物。

検察当局は、同容疑者が用いた襲撃方法はISの「手口」として知られるものだと指摘している。

AFPが入手した一般市民の撮影による動画には、銃撃中の犯人が「アラーアクバル(Allahu Akbar、神は偉大なりの意)」と叫びながら通りを歩く様子が写っている。

ベルギーでは2016年にも首都ブリュッセルで死傷者の出る襲撃事件が発生し、ISが犯行声明を出した。

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