クトゥルフ神話の創始者であるラブクラフトの紹介をしながら、彼の代表作を漫画化している
日本の怪談は、四谷怪談のお岩など、恨みを持って死んだ人物が化けて出るといった類の話が多い
化けて出るのは荒唐無稽としても、化けて出た人物は身近な良く知っている人物が多く、その意味で日常的な怪談と言える
仮にキツネやタヌキが化けたとしても、これらは微妙に擬人化されていて、異形感に乏しい
ラブクラフトの描く怪談は、これとはまったく別で、自分とはまったく異なる異種の存在が登場して、その存在に対する激しい嫌悪感のようなものが恐怖の背景にある
白人が初めて黒人を見た時など、顔かたちの違いや皮膚の色などから、これに近いごく自然な嫌悪感情が起こり、それが差別意識に転化したのではないかとも思う
ラブクラフトは1890年、米国東海岸で生まれ、無名のまま46歳で夭逝した天才作家
彼の作品から影響を受けた後世の作家群によって、その作品世界は「クトゥルフ神話」と呼ばれるようになり、多くのファンを得ている
もちろん、日本神話やギリシャ神話とは異なり、歴史的な背景を一切持たない、完全に人工的な空想世界である
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