「中世の暗黒時代」に、人々は何を楽しみに生きていたのか?
テレビも無い、本も無い、遊びに行く繁華街も無い中世ヨーロッパの田舎に生きる貧しい農民たちにも、楽しみの空間はあった
それが、糸つむぎ部屋
古くから糸つむぎ(綿花から糸を作る作業)は女性の仕事とされ、退屈な作業のウサ晴らしに、若い女たちは村の糸つむぎ部屋に集まって糸をつむぎ、その合間にいろいろウワサ話などオシャベリを楽しんだ
糸つむぎに行くと言えば、親たちも余りうるさいことを言わないので、それを口実に堂々と外出できた(親たちも若い頃、同じことをしていた)
若い女が集まっていれば、それ目当てに村の若い男も集まって来て、糸つむぎ部屋は若い男女の出会いの場となった
やがて男女の会話や歌や飲食、ダンスの場となり、キスや抱擁が始まり、時には乱交パーティーにも似た雰囲気になった
「暗黒時代」どころか、けっこう楽しそうだね
グリム童話に代表される、中世からの言い伝えは、糸つむぎ部屋を背景とする話が多い
性的な乱れを嫌う教会は、ときどき禁止令を出したりするが、まったく徹底されない
近代になって糸つむぎの場が工場に移るにつれて、村の糸つむぎ部屋は消えてゆく
日本の田舎でも、若者部屋とか夜這いの習俗は、つい最近まで残っていた
(^_^;)