『第三のチンパンジー』など旺盛な著作で知られるジャレド・ダイ
「人口減少は日本復活のチャンスだ」
と述べている(
日本の主流の議論の正反対だから驚く読者が多いかも知れないが、
なぜなら日本はむしろ人口が多すぎるのである。
狭い国土に一億二千万人が暮らせば住居がウサギ小屋になるのも当
ダイアモンドは、第一に人口八千万人が適当としてドイツと同数に
ゆえに日本にとって人口減少は逆にチャ
とはいうものの、近未来の日本社会は「 超高齢社会」から「多死社会」に移行する。
すでに出生者より死者
団塊の世代が終活期に突入したからだ。
現在進行形の少子高齢化社会で、介護保険が確立された上、介護士
そのうえで、「終末ケア」の必要が説かれて
各地にケアセンターが次々と生まれ、雑誌は相続の特集を出
驚くなかれ伝統的な大家族制が消滅し、介護が日本国家の「基幹産
ものつくり、匠の日本が基幹産業を変貌させたのだ。
日本経済の絶
人は人生の満足度を抱きながら安らかに眠るのが理想である。
戦後
生命尊重だけでよい
今後の日本では「看取り」が重視される社会となり、「看取り士」
人口動態から推測できることは2015年に毎年150万人、20
2025年には253万人の介護士が必要だが、38万人が不足す
このような後ろ向きの社会が到来するにあたり、考えるべきは家族
戦後の日本では、GHQの占領政策の影響が大きく、価値観の転倒
結婚の伝統も欧
死生観の激変によって、死=無という考え方が拡がった。
仏教への
「死は無」という誤解だらけのニ
が蔓延し、人生をいかに活きるかが説かれても、如何に死
他方、安楽死をもとめてスイスへわたる日本人が静かに増えている
スイスでは安楽死が合法化されている。
「人生において何が本質的に重要なのか、いまの仕事が何かに貢献
無駄な人生だったとみる、人生に意義を認めない欧州人が増えた。
縄文時代の 遺跡の住居跡を調べると、入り口に甕が埋められている事例が多い
この甕は逆さにされ、 底には小さな穴が開けられており、乳幼児や死産児の遺体が納めら
死産児の遺骨を玄関の床下や女性用トイレの脇などに埋める風習が
「死んだ子供が少しでも早く生
遺体を埋める前に墓の中に魔除けと「生まれ変わり」を促すとされ
また初期の聖書には生まれ変わりの記述が多数存在していた。
こう
この問題に正面から取り組んだ論文は「多死社会における産業振興
その概要の重要箇所を下記に簡潔に掲げる。
「生まれ変わり」の観念の起源は古い。
インドでは少なくとも過去
人類の精神史の中で輪廻や復活といった「
2006年から2008年にかけてギャラップ社が143か国を対
内訳を見てみ ると、高齢者よりも若年層、男性よりも女性の方が「信じている」
生まれ変わりの主張はあらゆる時代を通じて世界のほ
「生まれ変わり」の死生観は世界中の民俗文化において見られるが
「生まれ変わり」を認めていた西洋古代思想 古代のエジプト人が「あの世とこの世との間に大きな隔たりはない
西洋哲学の出発点と言われるギリシャでは、「生まれ変わり」の観
古代ギリシャの数学者として知られるピタゴラスは前世の記憶を持
「魂の不死を信じて平然と死ぬことができる心の訓練が、哲学の使
と弟子たち に教えていたソクラテスにとって、自らの死は永遠の生、人間の魂
ピタゴラスの世界観を継承したプラトンも、著書「パイドン」「国
古代ギリシャ思想においては、死によって霊魂と肉体は分離し、前
例外はソクラテスと問答を行った当時のソフィスト(知恵ある者)
彼らは現代人のような唯物論的な考え方を有していた
輪廻転生と言えば、三島由紀夫の最後の四部作の主要テーマである
『春の雪』の松枝清顕は『奔馬』で飯沼勳となり、『暁の寺』では
最終巻の『天人五衰』
嘗て筆者がローマ憂国忌での講演を依頼されたおり、イタリアの知
カソリックが強いイタリアのおいてすら、
かくして多死社会となる日本で、精神的安らぎの希求や看取るとい
「宮崎正弘の国際情勢解題」令和弐年正月元旦年頭随筆より