新宿高校1999年度卒
第98回全国高校野球選手権大会東東京大会で15日、都立の雄、小山台が初回に奪われた10点をはねかえし、立教池袋を下した。
劇的な試合のヒーローは、八回に逆転満塁ホームランを放った宮川慶悟内野手(17)だった。
八回1死満塁。3点差で打席が回ってきた。
「とにかくヒットを狙って、来た球は全部打ち返す」。
高めの直球を振り抜くと、打球はレフトスタンドへ突き刺さ る逆転満塁弾に。
大歓声が渦巻く中、一塁を回ったときに塁審が手を回しているのをみて、ようやくホームランと気づいた。
「ベンチに戻るまで実感はなかっ た」。
10点差をひっくり返した起死回生の一打は、無我夢中だった。
小学1年から野球を始め、高校も野球ができる学校を選んだ。
中学3年の春休み、テレビにくぎ付けになった。
4月から入学予定の小山台が、春の選抜甲子園に21世紀枠で出場。
「いつか自分もこの舞台でプレーする」。躍動する先輩の姿を目に焼き付け、日々の練習にはげんだ。
この日は初回、先発投手のコントロールが乱れ、1回を投げきることができずに降板してしまった。
打者15人の攻撃を受け、大量10点を先制される苦しい展開になった。
三回の守備中に、雨の影響で試合が中断した。
この時点で2対10と8点ビハインドで、コールドゲームが成立するスコアだ。
大差をつけた立教池袋にとっては、まさに水を差された格好で、試合再開を願う声が、三塁側応援席から出ていた。
一塁側応援席にとっては恵みの雨。
スマートフォンを片手に「雨雲がまだ来るよ!」とノーゲームで仕切り直しを期待する声もちらほら聞こえた。
一方、宮川を含め、小山台ベンチにそうした雰囲気はなかった。
福嶋正信監督は平成26年の石川大会決勝で、星稜が九回に13人の猛攻で9点を奪って逆転し たことを紹介し、チームを鼓舞。
「自分たちもやれる」。両チームの思いが通じたのか、約1時間15分後に雨は弱まり、試合が再開された。
小山台は小刻みに得点を返し、マウンドを託された二番手投手も好投。
逃げ切りを狙う立教池袋も必死のプレーで応えた。
試合中は雨が降りしきり、グラウンドコンディションは最悪。
ゴロの速度は通常よりも増し、グラウンドの選手は泥まみれに。
二盗を企図し、タイミングはセーフだったが、滑りすぎて塁を通過してしまい、帰塁を試みるもタッチアウトとなるプレーもあった。
10点差をじわりと追い上げ、4点差となった八回。
一挙6点を奪い、ついに逆転に成功した。
母親の雅子さん(50)は逆転満塁弾を放ったわが子の活躍に「打ってくれると信じていました」と目を細めた。
重苦しいムードだった応援席は一変し、大歓声に沸いた。
ただでは負けられない立教池袋も意地をみせる。
九回裏にエラーを誘って1点を返し、なおも2死一、三塁。
一発がでれば逆転の場面で、打席には四番で 主将の漆原。
この日は適時打を含む2安打を放っていたが、最後は三振に倒れゲームセット。
中断を含めると4時間超の長いゲームは幕を下ろした。
試合後、福嶋監督は「奇跡。10点差を逆転したのは監督人生で初めて」を声を弾ませた。
「相手の好投手を打ち崩すのは難しいと思っていた。チーム全員の勝利」と賛辞を惜しまなかった。
大逆転勝利の立役者の宮川だが、逆転満塁弾はおろか、公式戦の本塁打は初めてだった。
「いつもチャンスで打てなくて監督に怒られている」とおどける。
試合 後に報道陣に囲まれ、はにかむ表情もみせたが「目標はまだ先。目の前の試合に勝つことだけに集中する」と気持ちを切り替えた。
テレビで見た夢の舞台を目指 し、慢心はない。
我が家は都立小山台高校のすぐ近くにありました
間に区の境界線があったので学区は別でしたけどね
親は「八中(はっちゅー)」と読んでいたなぁ
(一中日比谷 四中戸山 六中新宿 八中小山台)
なぜか校舎の上に プラネタリウムがあります (^_^;)