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路面電車である札幌市電の20日のループ(環状)化運行を前に18日、メディアや関係者の試乗会が催された。
これまで始発、終着の停留場だったすすきの-西4丁目停留場の404メートルが延伸となり、市電に乗ってぐるっと約9キロの旅を楽しむことができるようになる。

延伸区間となる都心線は、車道の歩道側に電車が走行するサイドリザベーション方式をとった。これで歩行者が車道を横切らずに乗車することができる。半径 20メートルと30メートルのカーブがある。自転車は軌道と車道の間を走行するため、市電の車体の右側にバックミラーを設置した。

狸小路(内回り、外回り)と西4丁目(内回り)の3停留場が新設。すすきの、西4丁目(外回り)停留場が全面リニュアルされた。
総工費は約29億5000万円。市は1日約600人の利用客増を見込んでいる。運賃は一律で大人170円、子ども90円。
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ただ、渋滞を引き起こす恐れもあり、雪のシーズンを迎え、運行の遅れも予想される。
札幌駅前通りは昭和48年まで市電が走っていた。42年ぶりの復活に、吉江一弘・市都市交通課調整担当課長(55)は「通りも昔は狭く、市電は道路の中央 を走っていた。子供の頃、よく乗っていたのを思い出します。車の通行量が増え、地下鉄が走り、市電廃止が持ち上がったが、生き残った。それがループ化実現 になりました…」と感慨深げだった。
小樽市からすすきのに買い物に来ていた会社員(22)は「小樽には市電は走っていない。ループ化した市電に乗ってみたい」と話していた。