若き日の坂本龍一作品
先日、記録ファイル整理中、坂本龍一OBが教育実習に来た年=昭和48年(1973年)の新宿高校学園祭
管弦楽部(SPO )のために書いてくれた
偶然性の音楽《グループの為の反応》が出てきました。
2枚組でしたが、後半はどうしても見つかりません。
当時のジアゾ式青写真コピーは保存性が悪く、消えかかっていましたので、やっとの思いでクリーニング。初演した元部員に見てもらったのが次の図形譜です。
学園祭当日、部員有志を急遽集めて演奏したのですが、私・野村は有志募集の仲介人役。
演奏を面白がって聴いていただけなので、読譜・奏法がどのように指示されたのか記憶がありません。
どのように演奏したのか、いま初演に参加したメンバーに問い合わせ中です。
ヴァイオリンで初演したSPOのOB,田山克平君よろしく。
即興力は大切
似たような、偶発的即興的実験的アンサンブルは、NHKの『スコラ・音楽の学校』のワークショップで坂本先生が、時々楽譜なしで聴講生にさせていましたね。
プリュード・ノン・ムジュレにも関係しますが、積極的に即興をしてみようと心がけることは大切です。
ただ、プリュード・ノン・ムジュレは、クラヴサンの響きをいっそう優雅にまとめる「良い趣味」が要求され、音楽の3要素すべてを要求しない上掲坂本作品譜から出る偶発的音とは違うわけですが、即興を楽しむことは共通しています。
うろ覚えですが、経緯と実際の演奏はこんな感じではなかったかというのが、以下の内容です。
・学園祭のプログラムに取り上げることになったのは本番のちょっと前くらいだったと思います。
・坂本氏が音楽の教育実習生で新宿高校に頻繁にきていたので、音楽の授業などで教わっていました。
・学園祭のプログラムは
- バッハの《2台のヴァイオリンのための協奏曲》(藤間さん、田山ソロ、加藤さん指揮)
- 坂本氏のグループのための反応;前に記したとおり本番時は《グループのためのオーガニック・ミュージック》というタイトルだった気がします。
- シューベルト《未完成交響曲》(加藤さん指揮)
・《グループのための反応》
練習はオケの練習時間に坂本氏の解説があって、まずは五線のない譜面に面食らいました。野村先生のアップされた内容のとおり、4人1グループで全部で4,5グループが自分の楽器を持ってグループごとにマスターを中心に対面して座った記憶があります。
各グループのマスターは別のグループのマスターたちと連携し、連続音か断続音を大きな音(f)か小さな音(p)で発し、各グループのメンバーはi、ii、 iii のいずれかの反応パターンに即興的に応じる。最初は自分の楽器の音をランダムに出していたが、おそらく坂本氏のアドバイスで、
1.楽器をたたく
2.声を出す
3.足を踏み鳴らす
といったようなバリエーションも可になった記憶もあります。これが結構当時としては恥ずかしかったのですね(笑)。本番のときに坂本氏がキューを出したとか、そうした記憶は特に残っていません。
印象として、芸大の作曲科に在籍していた坂本氏なので、やはり調性音楽ではなく現代音楽を指向されているのだな、とそのときは感じた次第です。
以上はなはだあいまいな記憶で申し訳ありませんが、今思い出せるのはそんなところです。同期の小林牧くんに当時の録音の有無を聞きましたが、捜索中であったら連絡をいただけることになっています。
あと、宮川君が黒木さんの家で録音を聞いたことがあるというので、これが聴ければもっといろいろなことが思い出せるかもしれません。
出典 http://tokyocollegium.blog110.fc2.com/blog-entry-331.html
私は演奏しなかったですが、これ覚えています。演奏中声を出したり、どこで終わったのか分からないという難解な曲でした。まさかあの曲のOB作曲者が坂本龍一さんだったとは。びっくりしました。
昭和48年(1973年)と言えば、我々は17歳で、新宿高校在学中だったんだね。この直筆原稿が残っていれば、かなりのお宝かも。 (^_^;)