渋谷と六本木を結ぶ「終夜バス」試験運行が12月21日未明から始まった。
路線バスの24時間運行は全国初めて。眠らない街を走るバスに乗ってみた。
JR渋谷駅の西口バスターミナル。21日午前0時半、一番乗りが現れた。
近くの会社に勤める横浜市在住 の男性(40)。「初日と聞いて、物珍しさもあって来てみた」という。
運賃は通常の倍の400円。「タクシーよりは安いけど、渋谷と六本木を結ぶだけでは まだまだ不便。もっとエリアを拡大してほしい」と注文した。
午前1時10分、約50人を乗せて第1便が出発した。安全確保のため、バスには警備員1人が同乗する。「六本木に飲みに行く」という横浜市の会社員、伊藤鈴子(りょうこ)さん(22)は「女性1人でも安心」と話した。
車内は立っている人もいて、想像以上に混雑している。若い人ばかりかと思ったが、40〜50代と見られ る背広姿の男性もちらほら。女性だけのグループも目に付き、談笑する声が響いていた。だが、酔って暴れたり、大声を出したりする客はおらず、約15分で六 本木に無事到着した。神奈川県横須賀市の飲食店店員、斎藤美貴さん(21)は「タクシーだと1600円くらいかかる。六本木にはよく飲みに来るので、あり がたいです」と笑顔で夜の街へ。
バスが走る六本木通りでは、タクシーを止めようとする人の姿が目立った。だが、「空車」の赤いランプが ついた車はあまり通らない。午前3時半、渋谷駅に戻ると、タクシー乗り場には約90人が行列を作っていた。東京都武蔵野市の自宅に帰る男性会社員(49) は「渋谷と六本木を結んでも自分にはあまり関係ない。タクシーがつかまらないなんてバブル以来」と嘆いた。
渋谷駅近くを流していたタクシー運転手の男性(67)は「終夜バスが『営業妨害だ』なんて言う運転手は努力が足りないね」とばっさり。「お客をとられるのでは?」と聞くと、「1時間に1本のバスを待って乗る人は、タクシーには乗らない。すみ分けはできる」と意に介さない様子だった。
都によると、終夜バスの初日の利用者は4往復で約280人。まずまずの滑り出しだが、19日に辞職を表明した猪瀬直樹知事の肝煎りで始まった試みだけに、利用者からは「知事が他の人に代わっても続くのか」と心配する声も聞かれた。
◇猪瀬都政の置き土産 経費など課題
「終夜バス」は渋谷−六本木間の2.75キロを走り、途中5カ所の停留所がある。試験運行は来年12月まで1年間実施され、土曜日の午前1〜5時台に1時間10分間隔で4往復する。
都バスの24時間運行は2020年東京五輪の開催を見据え、猪瀬直樹知事が4月に訪問先のニューヨーク で表明した。ただ、運転手の労務管理や人件費増といった課題もあり、都は試験運行の評価を踏まえて、路線を拡大するかどうか検討する。都交通局の担当者は 「ニーズがどの程度あるかを見極めたい」と話している。
山手線や地下鉄も
24時間にして欲しい (^_^;)
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12月21日未明から、東京・渋谷と六本木を結ぶ都営バスの24時間運行がスタートする。
当面は、週末だけの試験運行での開始だが、短距離の路線バスとしては全国でも異例の運行。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向け、夜の東京の魅力を高める狙いもある。
24時間運行にあわせて、沿線の美術館が閉館時間を繰り下げるなどの動きも出始めている。
12月14日午前0時過ぎ。週末の東京・六本木通りは忘年会などを終えた酔客でごった返していた。
01都バス01系統、六本木からJR渋谷駅に向かうのバスも、ほぼ満席状態だ。
都交通局の担当者は「12月の金曜夜は特に混み合う。終バスや終電を逃した人たちで、土曜日の始発電車が夕方のラッシュ並みに混雑することもある」と話す。
12月21日以降の土曜日に24時間運行が導入されるのは、この六本木―渋谷間。
運行間隔は1時間10分おき。今の最終便が終了した午前1時過ぎから、電車が動き出す午前5時過ぎまで、計4往復運行する。
大人運賃は通常の倍の400円。都交通局は「全路線の中でも5本の指に入るドル箱路線だから、需要は十分ある」と見込む。
一方、タクシー運転手らからは不安の声も。
深夜に渋谷や六本木エリアで客を乗せることが多いタクシー運転手の野呂和男さん(66)は、「タクシーは夜が稼ぎ時。短距離の路線とはいえ、まさに死活問題だ」と渋い顔だ。
都バスは速いよ 飛ばすもんねー (^_^;)