▲画面をクリックすると、動画が始まります
下の文章を読む前に、動画(1分少々)を見ることをオススメします
上の動画、なかなかよく出来ていて、納得された方も多いかもしれません
上の動画では、自分の人生を1個のビンにたとえている
これに詰まらないものを詰め込むと、大切なものが入らなくなるよ、という教えです
「自分の人生にとって、何が最も大切か、
それをよく見極めよ」・・・(*1)
という教訓は、けして間違っていません
いやむしろ「人生で最も重要な真理」なのかもしれません
* * * * * * * * * *
ただ、次のような冷めた見方も可能です
人を説得する(納得させる)上で、たとえ話は、非常に強力な手段です
多くの人にとって、論理的な証明よりも、たとえ話の方が納得しやすい
ここに大きな落とし穴があります
たとえ話はたいてい
「AとBは似ている、ゆえにAで正しいことはBでも正しい」・・・(*2)
というような説明をします(ここでは、A=ビン、B=人生)
しかし、(*2)が常に成り立つという保証は、どこにもありません
話者がビンを「人生」ではなく「人生の時間」にたとえているのも巧みです
これなら人生の大きさ(キャパ)が誰でも同じだと納得させやすい
でも本当に、人生の大きさ(キャパ)は誰でも同じでしょうか?
生まれてから死ぬまで、一定(変わらない)でしょうか?
人生の大きさ(キャパ)が大きい人もいれば、小さい人もいるような気がします
一見すると「詰まらないこと」が、人生のキャパの拡大に役立ったりすることもありそうです
小さなキャパだった人が、人生体験の中で、キャパを大きくすることだってありそうです
私は、(*1)が正しくない、などと言っているのではありません
たとえ話という説得手段に気を付けましょう!
と言っているだけです
なぜなら、
宗教の話の多くは、たとえ話で構成されている
からです
仏教のお経とか、キリスト教の聖書とか、もうほとんど、たとえ話の山です
昔は学校教育も行き届かず、文字の読めない人も多かったので、論理的な証明よりも、たとえ話が多用されました
たとえ話に納得した多くの人々が、宗教の信者になりました
実はこの状況は、現代でも余り変わっていないような気がします
上手なたとえ話を聴いて、「人生で最も重要な真理」が分かったような気持ちになったら、それは非常に危険な状況なのかもしれません
(^_^;)