今回、インスマウス、ダンウィッチ、そして本作と、ラブクラフトの代表作を詳しい解説文付きのマンガで読んでいるのは、以前に原作の小説(もちろん翻訳)を読んでいるからだ
あの底知れぬ「コズミック・ホラー(宇宙的恐怖)」の世界を、どのように具象化(マンガ化)しているかに興味があった
元首相の鳩山由紀夫が「日本列島は日本人だけのものではない」などと馬鹿げた発言をして、多くの日本人の憤激と失笑を買ったが、「地球は人類だけのものではない」という不安と恐怖が、コズミック・ホラーの基本テーマになっている
当然、小説は文章だから、その恐怖の対象をあいまいにボカして表現できるけれども、マンガでは明瞭な絵にしなければならないので、マンガ家は大変だ
作品とイマジネーションの比率が、小説なら3:7のところが、マンガなら7:3くらいの感じだろうか
特に本作「クトゥルフの呼び声」は2人のマンガ家が個別に作品化しているので、読み比べる楽しみもあった
私は右脳やマズローの至高体験との関連で、コリン・ウイルソン(→)に興味があるのだが、彼もラブクラフトに並々ならぬ関心を示し、「賢者の石」などの作品を書いてクトゥルフ神話の世界に参加している
「ウルトラQ」を通じて日本の特撮界に影響を与えたラブクラフトだが、その後さらに現代のPCゲームの世界観などにも多大な影響を及ぼしているので、「大人の知的お遊びの世界」であるクトゥルフ神話は、今も拡大を続けている
(^_^;)