サラベス ルミネ新宿店
ふんわり大人のパンケーキ
米ニューヨークの人気店「Sarabeth’s(サラベス)」が11月、東京・新宿にオープンした。
メニューに連なるのは、日本で今、大ブームのパンケーキのほか、フレンチトーストやエッグベネディクトなど、卵と小麦粉を使った、シンプルなアメリカの朝食だ。
「サラベス」の誕生は、1981年。
パンや、果物を煮詰めた「フルーツスプレッド」を作るのが得意だった普通の主婦、サラベス・レヴィーンさんが、夫とと もにニューヨークのアッパーウエストに開いた小さなべーカリーが始まりだった。
サラベスさんの家庭に代々伝わるレシピから料理を供すると、たちまち地元の 人々がとりことなり、今やニューヨークに9店、フロリダに1店を構え、「ニューヨークの朝食の女王」と呼ばれるまでになった。
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■家庭的な優しい味わい
サラベスが人気を集める理由の一つは、口に運ぶとホッと心が落ち着く、家庭的な優しい味わいにある。例え ば、看板メニューの一つ、「フラッフィー フレンチトースト」は、口当たりが柔らかくて軽いハッラーというパンに、表面だけさっと卵液をくぐらせて焼くた め、中はふわふわ(英語でフラッフィー)、外は少しカリっとした食感に。ほんのり甘いスポンジのようなパンを舌に乗せると、溶けるように軽い。フレッシュ なイチゴと、メイプルシロップを合わせれば、ちょっとした甘酸っぱさと、みずみずしい感触が加わり、デザートのような味わいに一変。さっぱりと誰の口にも なじみ、飽きが来ない。まさに朝食にうってつけの一皿だ。
フレンチトーストのハッラーはもちろん、「クラッシック エッグベネディクト」 のマフィンも、専用のパンを焼いて作る。サラベスさん本人のパン生地へのこだわりは強く、オープン当初に店を訪れた際も、「パンがふくらむ瞬間を見るの が、一番幸せ」と、オーブンの前に張り付くようだったという。
とりわけ、シンプルな「パンケーキ」こそ、生地づくりが大切だ。
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■仕込みに時間かけて
しっとりとして食べ応えがあるのに、ふわりと軽い口当たりとなる秘訣は、仕込みにたっぷりと時間をかけてい るからだ。「レモンリコッタ パンケーキ」は、小麦粉とバターを混ぜたタネを1日寝かせてなじませ、翌日、リコッタチーズとレモン果汁、隠し味のナツメグ を合わせて、また1日寝かせる。
ようやく3日目、フライパンでふんわり焼かれた「レモンリコッタ パンケーキ」を、ナイフで切って一口含 む。ほんのり素朴な甘さの奥には、ナツメグのスパイシーな香りとレモンのさわやかな酸味があり、大人好みの味だ。次にブルーベリーやバターミルク、メイプ ルシロップを乗せて食べても、華やかな味わいとなって、ナイフとフォークが止まらない。
店内を見渡すと、午前9時の開店と同時に3人組の女性グループやカップルがやってきて「レモンリコッタ パンケーキ」と「クラッシック エッグベネディクト」などを組み合わせて頼み、ゆっくりと会話を楽しみながら、分け合って食べる姿が目立った。
「ニューヨークには週末、朝食と昼食を兼ねたブランチを、ゆっくりと時間をかけて楽しむ食文化があります。日本でも、こうした習慣がだんだん浸透 してきていると感じます」と、運営会社「WDI JAPAN」の大林鈴マネジャー(37)。スイーツじゃない、“大人味”のパンケーキで、優雅に都会の朝 を楽しむのはいかが?
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サラベス ルミネ新宿店
東京都新宿区新宿3の38の2 ルミネ新宿店 ルミネ2 2階。
(電)03・5357・7535。
営業時間は午前9時~午後10時(食事のラストオーダーは午後9時)
出典 http://sankei.jp.msn.com/life/news/121206/trd12120615070017-n1.htm