バスク・チーズケーキ

『GAZTA』のバスクチーズケーキ(8cm760円・税込)を半分にカットするとこんなにとろ~り

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 チーズケーキ大好き!

  ますます東京が世界一の

 グルメタウンになります  (^_^;)

 

バスクチーズケーキ”が大ブームです。

その火付け役として知られるのが、2018年7月5日に東京・白金高輪にオープンしたバスクチーズケーキ専門店『GAZTA(ガスタ)』。

開店初日から長蛇の列ができ、またたく間に連日1,000個を売りつくす超人気店に。

今ではテレビを始め、各メディアでひっぱりだこ。

その爆発的な人気の波に乗って、他店からも「バスク風チーズケーキ」が続々と発売されているのはご存知の通り。

最近ではコンビニにも登場して話題になりましたね。

というわけで、この一年で “バスク”と名がつくチーズケーキがバンバン登場するなど、にわかに活況を呈しています。しかし、ちょっと待った!

バスク地方といえば、スペインとフランスにまたがるエリア。

実はここに「バスクチーズケーキ」なるスイーツはありませんし、そもそもチーズケーキが名物でもないんです。

え、どういうことなの? と疑問に思われる方もいらっしゃることと思いますので説明しておきますと…。

そもそも火付け役である白金『GAZTA』の「バスクチーズケーキ」の元になったのは、バスク地方の古都サン・セバスチャンにある『LA VINA(ラ・ヴィーニャ)』という人気バルのチーズケーキなのです。

このチーズケーキ、誕生して約30年間、世界各国の美食家たちが絶賛し続けている逸品。

『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキ(tarta de queso)

▲『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキ(tarta de queso)

そのレシピは、一家相伝のため門外不出。

いかなる有名パティシェがお願いしても一切お断り、だったのですが、なんと、一人の日本人パティシェがレシピを直伝されたのです。

そのレシピを再現し、「バスクチーズケーキ」と名づけて、日本で発売を開始したのが『GAZTA』というわけ。

つまり「バスクチーズケーキ」は、『ラ・ヴィーニャ』の味であり、すなわち『GAZTA』の味なのです。

そこでバスクチーズケーキの“本物”とは何かを探るべく、『GAZTA』のシェフ戸谷尚弘さんにお話を伺ってきました。

美味しさの秘訣は木棚にあり?

『GAZTA』のバスクチーズケーキ(15cm)4,320円(税込)

▲『GAZTA』のバスクチーズケーキ(15cm)4,320円(税込)

サン・セバスチャンは、人口わずか18万人の小都市。

その小さな街に、ミシュラン3ツ星や星付きレストランが多数存在し、世界中から美食家が訪れます。

その美食家たちが、必ず訪れるバルが『ラ・ヴィーニャ』。

1958年創業の『ラ・ヴィーニャ』

▲1958年創業の『ラ・ヴィーニャ』

お目当ては、チーズケーキ「tarta de queso」です。

サン・セバスチャン『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキは直径21cm

▲サン・セバスチャン『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキは直径21cm

このチーズケーキ、ルックスから独特です。

直径21cmの大きなホールで、表面はところどころ焼き色が付き、見るからにフワッフワ。

そしてカットすると、中はなめらかで重厚なクリームがしっとりトロ~リと流れ出てくるよう。

食べてみると、ベイクドでもないし、レアでもない、スフレでもない、誰もが「こんなチーズケーキ食べたことない」と口をそろえる逸品です。

この稀有な食感と濃厚な味わいに、誰もが憧れるわけです。

なぜこんなに魅力的な食感なのか?

レシピを伝授された『GAZTA』の代表・戸谷尚弘さんによると、

「食材や配合などにも工夫があるけれど、“火入れ”に非常に特徴がある」

と言います。

『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキはカットして提供される

▲『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキはカットして提供される

『ラ・ヴィーニャ』では、元となる液体を型に流し込み、高温で一気に焼き上げます。

するとスフレのようにフワフワに膨らみます。

そこでオーブンから取り出して粗熱を取り、型から外します。

でもまだ完成ではありません。この時点では、中央は液状です。

「その状態で、木の棚に置いて休ませるんです。熱伝導が緩やかに進む木棚に置くと、余熱でじんわりと中に火が入っていきます。さらに、この棚はチーズケーキ専用。下部に穴が開いています。1つの穴の上に1つのチーズケーキを置くことで、その穴から適度に水分が蒸発し、あの独特な食感を生み出すのです」(戸谷さん)

『ラ・ヴィーニャ』の棚。穴が開いているのがポイント

▲『ラ・ヴィーニャ』の棚。穴が開いているのがポイント

この方法を白金高輪の『GAZTA』でも忠実に再現しており、店内左手の棚を見れば、ずらりと穴が開いた木棚を目にすることができます。

『GAZTA』の木棚

▲『GAZTA』の木棚

『GAZTA』の「バスクチーズケーキ」

▲『GAZTA』の「バスクチーズケーキ」

また、本家『ラ・ヴィーニャ』と『GAZTA』のチーズケーキがいかに同じ味なのかは、食べ方にも現れています。

「バルのお客さんは、お酒とチーズケーキを一緒に楽しむ人が多いんです。観察していると、塩やコショウを振りかけたり、デザートワインやシェリー酒をかけたりして食べている。これ、やってみると、実によく合います。その自由な食べ方を日本に伝えたいと思って、オープン後に、岩塩やメープルシロップをトッピングとして販売し始めました。これが非常に評判なのです」

『GAZTA』では、岩塩とメープルシロップもトッピングとして販売している。カナダ産のオーガニックメープルシロップ110円、フランス ブルターニュの岩塩60円『GAZTA』では、岩塩とメープルシロップもトッピングとして販売している。

カナダ産のオーガニックメープルシロップ110円、フランス ブルターニュの岩塩60円

食材、配合、焼き方、そして食べ方まで、元祖バスクチーズケーキの『ラ・ヴィーニャ』を再現し、その美味しさを伝える『GAZTA』。

ちなみに塩でいただくと、ワインとの相性が抜群になりますし、メープルシロップをかけると、柔らかな甘さと香りが加わってより至極の味わいになります。

まだ食べたことがない人は、この“本物”のバスクチーズケーキの味をぜひお試しください。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

GAZTA(ガスタ) 外観

店名:GAZTA(ガスタ)

住:東京都港区白金1-14-10
TEL:03-3440-7495
営:9:00~19:00(売り切れ次第終了)
休:月(※月曜祝日の場合は翌火曜休)
http://gazta.jp/

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