幼児化(ネオテニー)

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downloadネコは気まぐれで、飼い主にも「なつかない」とよく言われる。

ではなぜ、人間と一緒に暮らすようになったのだろうか。

ネコのルーツは340万年前に出現したヨーロッパヤマネコ→

ネコに比べてやや大きい体格で、森林や草原、岩地などのうち、人間が近づきにくい環境に棲息していた。

夜行性、単独行動、木登りが上手。雨に濡れるのが嫌いで、日光浴が好き。それぞれのナワバリを持ち、ネズミやウサギ、鳥類、爬虫類、昆虫などを食用とする。……現在のネコと限りなく近い習性を持っていた。

73357858ca124b7efabe529e511aab24そのヨーロッパヤマネコの亜種のひとつ「リビアヤマネコ→」を飼いならしたものが、私たちの身近なネコの祖先である。

では、いつ、どうしてリビアヤマネコが「家畜化」し、人間に飼われるイエネコとなったのか。その原因は、人類の歴史と深く関わっている。

移動しながら狩猟採集生活を続けていた人類が、定住して農耕を始め「食糧を備蓄」するようになり、その食糧を狙うネズミが人の生活空間に入り込むようになった。

そしてネズミを捕食するため、人間の集落に近づいてきたのがリビアヤマネコだ。人間の方も、ネズミを食べてくれる「お助け動物」として彼らを受け入れるようになった。

cat-1506960_960_720しかし、リビアヤマネコが人間に飼われて、そのままイエネコに進化したわけではない。

通常、家畜化した動物を野に放つと数代で元の野生に戻るという。ブタはイノシシを家畜にしたものだが、野生に戻すと子孫はイノシシに戻る(!)のだとか。

つまり、ネコの祖先がリビアヤマネコなら、ネコが野生化するとヤマネコに戻るはずが、そうはならない。よく見かける「ノラネコ」になるだけだ。

リビアヤマネコがイエネコになる過程には、もう一つ大きな「要因」があった。

それが「西アジア個体群」。

詳細は本書『飼い猫のひみつ』を読んでいただくとして、ざっくり説明すると、棲息地域によって異なる性質を持ったリビアヤマネコ(特有の個体群)がおり、それが「比較的小形で性格がおっとり」だった可能性がある。

さらにその「特有の個体群」の中で、突然変異のひとつである「幼児化(ネオテニー)」が起こり、その上、何千年ものあいだ人為的な淘汰で「人間になつきやすい個体」が残った結果、現在のネコとほとんど変わらない生き物が誕生したのだとか。

ネオテニーとは、「大人(=性的に成熟している状態)になっても、子ども(=性的に未成熟な幼生・幼体)の性質が残る現象」のこと。

人間になつきやすいリビアヤマネコの中でも、さらに「子ネコ」に近い個体を選び、家畜化・繁殖させたと考えられる。

publicdomainq-0002543hcs現在、人間とともに暮らす愛らしいネコは、「地域差」や「突然変異」といった様々な要素が加わり、長い時間をかけて生まれたものだったのだ。

このようにして家畜化したイエネコたち。

だが、ネコはときおり野生の顔を見せることもある。ゴロゴロ喉を鳴らしてすり寄ってきたかと思えば、突然「フッーー!」と威嚇して噛みついてきた……なんて経験はないだろうか?

ネコの「野生スイッチ」が突然入るのは、ヤマネコ時代に身についたものだそう。単独で狩りをするヤマネコは、成功の可能性が10%前後と低い。狩りに失敗することの方が多いのだ。

その際、毛づくろい、あくび、背伸びなどの「転位行動」(その状況にふさわしくない行動)をして気分転換をする。その習性が残っているため、イエネコの気分はコロコロと変わりやすいのだとか。

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日本人を含めたアジア系人種は一般に

 見た目が幼いし カワイイが大好き!

ネオテニー突然変異の結果かもしれません  (^_^;)

 

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