世界的指揮者の小澤征爾さん(80)が4月8日、世界最高峰のオーケストラの一つ「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」と7年ぶりに協演。
魅了された聴衆約2000人が喝采を送った。
今回の出演は、予定されていた指揮者の演奏会中止を受け、2015年12月に急きょ決定。
ベートーベン作曲の「エグモント序曲」などを指揮した。
冒頭で小澤さんが、自らに気合を入れるように一度手をたたいてステージに上がると、演奏前にもかかわらず聴衆から「ブラボー」と歓声が上がったという。
エグモント序曲では時に鬼気迫る表情を見せながら、導入部の重厚で悲壮感に満ちた響きやクライマックスの輝かしさを巨匠ならではの統率力で印象的に紡ぎ出した。
親交が深い作家の村上春樹さんも駆けつけ、演奏後に舞台裏で労をねぎらったという。
今回の公演を受けて、ベルリン・フィルは公式サイト上で「小澤征爾の帰還」と銘打ち、「病気のため長らく協演できなかったが、客演指揮者となった1966年から50年目となる記念の年に、ベルリン・フィルの指揮台に戻ってきた」と伝えている。