ナニワ金融道を再読

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コミック(マンガ)「ナニワ金融道」を再読した

累計発行部数1600万部という、日本の漫画史に残る有名な作品で、映画にもなっている

前回読んだのはバブル崩壊(1990年)直後で、まだ連載中だったので途中までだった

全19巻のうち、今日は1~15巻を読んだ

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作者の青木雄二(←)は、マルクス主義者を自称するやや奇人変人、一種の天才奇才とも呼ぶべき人物なのだが、惜しくも2003年に肺がん(58歳)で亡くなっている

作者没後も後継者たちが「青木雄二プロダクション」というのをつくって「新ナニワ金融道」など続編をいっぱい出しているので、まだ未読が大量にあってしばらく楽しめそうだ

前回読んでから30年もたっているので記憶が薄れたところも多く、新しく読むような気分だったし、とにかくこの作品は元々メチャ面白い!

バブル崩壊のころは債権回収の「教科書」として、各銀行の支店などに本書が全巻そろえられていて、銀行員たちがむさぼるように読んでいたらしい

上の表紙から分かるように、大阪独特の下品さ泥臭さをこれでもかと言うほど前面に押し出した独特の画風で、人間のドロドロした欲望や情念が渦巻く修羅場をセキララに描いている

講談社のマンガ雑誌「モーニング」に1990~1996年連載で、まさに日本がバブル崩壊で揺れに揺れていた時期と重なる

突然襲ってきたバブルの破裂(と当時の人たちは思っていた)で、それまでの順風満帆の人生を根底から覆されて悲惨な地獄へ堕ちていく人たちの姿を、しかもユーモラスに描いている

それまでバブルでジャブジャブにお金を貸し出していた金融機関が、突然貸し出しを渋って債権回収に走った

お金を返せなくなった人たちも悲惨だが、返せない人から鬼や悪魔と呼ばれつつ、貸金の返済を迫る金融機関の最前線にいた金融マンたちも悲惨だった

 

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▲債権回収とリストラの嵐で、ヤケクソになっているノンバンクの幹部

 

そのような金融機関の底辺に位置する街金融「帝国金融」の新人社員・灰原達之が主人公

街金融(まちきんゆう、消費者金融、サラ金)は、日本の金融カースト制度(↓)の底辺に位置し、上には都銀(メガバンク)、公庫、地銀、信金、クレジット、ノンバンクなどがあり、下には闇金融(やみきんゆう)という無法地帯もあって、本書にもたびたび登場する

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考えてみると、日本がバブル崩壊した1990年からすでに33年も経過していて、当時のことを鮮明に覚えている人たちは50代以上だ

33年が過ぎても、日本バブルの後遺症はあちこちに残存しているが、日経平均がバブル崩壊後の高値を抜いたりして、ようやく後遺症から抜け出す気配が感じられ始めている

そして今、お隣の大陸では、超巨大な中国バブルの崩壊がすでに始まっている

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何しろ不良債権の規模が33年前の日本バブル崩壊よりヒトケタ上(推計1000兆円~2000兆円)と予想されている

おまけに

何でも秘密主義、ワイロ主義の

暗黒独裁チャイナチス中国共産党

が経済を仕切っているから、マクロ経済統計の数字がまったくアテにならず、これから中国経済にどんな混乱が起こるのか非常に分かりにくい疑心暗鬼の状況になっている

なにしろチャイナチス中国共産党は、自分たちにとって

都合の良いことは100倍にして公表する

都合の悪いことは100分の1にして公表する

という超ウソつき体質で、かつての日本の大本営発表よりもはるかに悪質だ

とにかく、中国経済が壊滅するのは確実だが、日本を含めた世界経済も無傷では済まない

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ノーベル賞経済学者クルーグマン(→)は、中国バブルの崩壊は、日本バブルの崩壊とは比較にならないほど大規模で悲惨なものになると予想している

ただし、経済学者の予想は外れることが多い

日本バブル崩壊のとき日本社会の混乱が比較的軽微で済んだのは、当初のバブル崩壊直後、金融機関が債権放棄などで不良債権処理を引き受けてバッファー(衝撃吸収材)となり、その後にゼロ金利政策などでゆっくり金融機関を救済したからだと思う

それでも30年かかったのだ

中国バブル崩壊の経済的な混乱はすでに始まっており、建築中のマンションを買ってお金をすでに払っっているのに(中国では完成前にお金を払うのが普通)、建築工事が中断してマンションが手に入らず、人生設計を台無しにされた人民が狂ったように泣き叫んでいる

そんな工事が中断して誰も住んでいないマンション群は鬼城(きじょう、中国読みグェイチョン)」と呼ばれており、そんな廃墟(ゴーストタウン)が中国全土に山のように存在している

やがて中国バブル崩壊の経済的な大混乱が、中国の政治的混乱や社会的混乱に広がっていくのは間違いなく、これから半世紀くらいかけて、チャイナチス中国共産党の崩壊や、中国の国家分裂や内戦になる可能性もある

追い詰められたチャイナチス中国共産党が、活路を台湾進出(侵攻)に求めるかもしれない

それは世界恐慌→満州進出→真珠湾という、かつて日本がたどった道筋と重なって見える

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▲中国の鬼城と呼ばれる廃墟(ゴーストタウン)

 

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