日本の健康寿命は世界一長い

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念のために付け加えると、平均寿命マイナス年齢イコール余命ではありません

統計値の計算は、そんなに単純ではありません

例えば65歳の人の場合、平均健康寿命74歳マイナス65歳イコール健康余命9年、と考えるのは完全に間違いです

実際の健康余命は、これよりずっと長いです

(^_^;)

 

世界一の人口である中国が、今年から「人口減」社会へ突入する。

中国の人口減入りは、世界人口が膨張から減少へと向かうという象徴的な前兆であろう。

日本は、世界で最初に人口減の洗礼を受けた国である。

「先進国課題」として、日本は多くの未解決問題に直面している。

だが、日本の健康寿命は世界一長い

健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間

     大ざっぱに言えば、寿命と健康寿命の差は、寝たきりなどの期間

英国の人口専門家は、日本の人口減対応がスムースに行くと見ているほど。

その明るい診断をお届けしたい。

『毎日新聞』(2/17付)は、

「日本は人口減社会に対応できるか、英専門家が注目する『2種類の知能』」

と題する記事を掲載した。

先進国の多くで少子化が深刻化している。

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だがそんな中、社会は少子化や人口減少に十分対応できるとの考え方もある。

英オックスフォード大学の教授で、同大の高齢化問題研究所所長である、サラ・ハーパー教授(←)は、人工知能(AI)や自動化などの技術導入の促進と高齢者の活用で、労働力不足を解消できると指摘する。

ハーパー教授は、人間の持つ2種類の「知能」をキーワードに、日本を「注目すべき国」として挙げる。

「いまだに多くの人が、商品の製造にはたくさんの労働力が必要だという20世紀的な考え方をしているということだと思います。

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しかし、21世紀は非常に多くの新技術が導入され、必ずしも多くの労働者が必要ということではなくなります。

私たちはグローバルな世界に生きており、さまざまな国での生産、販売が可能です。

自国内だけで生産・消費する必要はありませんし、自国内で生産も消費もまかなうという考え方はグローバル社会では機能しません。

また、60代はもう働けないという古い考えがみられます。

しかし、日本のような高所得国には当てはまらないことが分かっており、多くの男女がより長く働くことができます。

私たちが今やるべきなのは、人口の年齢構成と労働力の関係について再考することです。

21世紀は、若い年齢層から中高年層への移行期だと言えます」

労働力減をITでカバーできるのは事実だが、それは供給面での話である。

需要は人口減によって減ることは不可避だ。

この面を忘れた議論は片手落ちとなろう。

「私たちの知性の種類は、年齢を重ねるとともに変化します。

(英国の心理学者、レイモンド・キャッテルが1960年代に初めて打ち出した)

「流動性知能」「結晶性知能」という分類方法があります。

素早い判断や大量のデータに対応することができる「流動性知能」は、10代後半から20代前半でピークに達しますが、この能力は機械でも代替可能です。

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その後、30代から40代以降に高まり、加齢による減退も少ないのが「結晶性知能」で、これはこれまでの経験を元に築かれた戦略的思考や既成概念にとらわれない思考のことです。

そしてこの知能は技術による代替が難しいものです。

私たちの経済、社会には両方の知能が必要です。

ロボットが代替できない思考を持つ中高年の人々を十分に確保することが大切になります。

若者と中高年が一緒に働けば、生産性も高まります」

「流動性知能」と「結晶性知能」という分類は新鮮である。

高齢社会は、「結晶性知能」を生かす社会である。

もっともな指摘である。

「2013年にオックスフォード大のカール・ベネディクト・フレイ教授らが「雇用の未来」という報告書を発表しました。

自動化の可能性がある仕事について分析し、事務や教育、修理、運輸などの仕事の約50%が自動化に対して非常に脆弱(ぜいじゃく)だと指摘しました。

つまり、急速にハイテク環境に移行するということは同時に、私たちがスキルを高めなければならないということも意味しているのは明らかです。

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例えば、マネジメントや科学、既成概念に縛られない思考を必要とする仕事などは、自動化に対する脆弱性が低いと言えます」

日本人の勤労観は生涯、働くことに喜びを持つものだ。

この特性を生かしていけば、創意工夫が実を結ぶ社会となる。

中国は、「60歳定年制」を死守するとして、定年延長に断固反対である。

日本は、健康寿命が世界一長い(74.09歳=2019年)こともあり、勤労を厭わないのだ。

ちなみに、日本人の平均寿命は84.63歳(2019年)で世界2位。

「20年ほど前に日本政府に招かれ、日本で英国の社会福祉政策について説明したことがあります。

そして、私たちは何人かの日本の政治家から「移民を受け入れるべきか」と問われました。

私たちは、人口統計的にみればそうだと答えました。

しかし、文化的に見た場合、日本は(他国と)非常に異なっており、世界中から多くの人が集まり自由に働くことには向いていないように思います。

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そのため、日本が移民を受け入れるのは難しいのではないでしょうか。

「日本は独自のモデルをつくらなければならない」というのが私たちの答えでした。

移民は答えの一部でしかなく、国によりけりです」

日本は、島国ということもあり移民に馴れていない文化である。

労働力不足を移民で補うのは難しいであろう。

となれば、ITを活用した生産システムの構築が不可欠になる。

「高齢者が活躍するためには、健康寿命の重要性も指摘されています。

健康寿命が延びなければ、生産性と高齢労働者に関する良い話は実現しません。

日本は平均寿命が長いだけでなく、都市部、地方を問わず、健康寿命も長い傾向にあります。

加えて、日本はテクノロジーで経済的な生産性を維持できており、注目すべき国のひとつだと言えます」

日本人の健康寿命は世界一である。

これにITを組み合せ、高齢者でも働ける環境を整備すれば、人口減のマイナスをかなり軽減できる。

ただ、経済成長率減を100%カバーすることは不可能である。

まず、その限界を知ることが重要だ。

 

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